ヤマンバ 1958年 岩手県 ある男がものくわぬ嫁が欲しいと言って、山んばが嫁にきた。5月4日の里帰りに餅をついて、臼に男を入れて山に入った。男は木の枝にぶら下がって逃げ出して、蓬と菖蒲の中に隠れて助かった。
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ヘビ 1971年 福島県 きれいな嫁さんをある人がもらった。五月節句になって聟さんと2人で泊まりに行ったらうんと山へ行った。その嫁さんは蛇だったのだ。それで怖くて逃げたが逃げ切れず、菖蒲と蓬の所へ身を隠した。そうしたら蛇は隠れたことが分からなくて帰っていった。それで蓬と菖蒲は五月節句にさす。
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ヘビ 1980年 岐阜県 ある男のところに嫁に来た女が、蛇が化けていたことが判ったので、出て行ってくれと言うと桶を餞別にくれと言われた。背負わせると中をのぞいてみろと言うのでのぞくと、男を桶につっこんで山へ入っていった。男は木の枝が下がっているところで飛び降りた。そこにはよもぎと菖蒲がたくさんあったので、臭いが強すぎて女は男を見つけられなかった。それで5月節供には菖蒲とよもぎで屋根を葺く。
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リュウ,ヘビ 1971年 福島県 男性が山へ行ったら竜に馬鹿にされ、家へ帰ってきたらきれいな嫁様になっていた。そしておむすびをいつつもむつつも食べてしまう。夜になって山へ帰っていくのであとを追っかけてみたら、大きな蛇だった。それで追われて菖蒲の中に隠れて命が助かった。こういうことがあるから気をつけろという。
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クハズニョウボウ 1931年 岩手県 昔、男が物を食べない女を女房にした。里へ節句礼に行くとき、女は大量の食料と男を担いで山奥へ入っていた。怖くなって逃げ出すと鬼の騒ぐ声が聞えた。菖蒲と蓬の茂みに隠れて助かった。別伝では、女は山姥であったという話になっている。
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クワズニョウボウ,オニ 1939年 岩手県 あるケチな男が口のない嫁をもらうが、この嫁は頭に口のある化物であった。男は隙を見て逃げ出すが、女は鬼の姿になって追ってきた。菖蒲や蓬の中に逃げ込んだおかげで、男は助かった。
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ヘビ 1980年 岐阜県 ある男性が娶った女性は、実は蛇だった。それが判ったので離縁することにしたが、女は大きな桶をくれと言った。女は男に桶をのぞけと言い、のぞくと桶の中に入れられた。男は桶に入れられたまま山へ連れて行かれたが、木の枝につかまって逃げた。女は男をさがしたが、よもぎと菖蒲のにおいで判らなくなった。だから5月5日の節供の時には蛇除けとしてよもぎと菖蒲を屋根の回りにさしておくのだという。
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クワズニョウボウ 1976年 長崎県 昔強欲な男が飯を食わない女房を貰った。ある時隠れて嫁を見ていると大量の米などを食べていた。男は見つかり樽に入れられ山に連れて行かれそうになった。途中で葉につかまりその葉に隠れていたので助かった。
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ヤマンバ 1965年 岩手県 けちな男が飯を食わない女を女房にしたくて、口のない女房をもらった。飯が減るので不思議に思って隠れて見ていると、女房は髪を掻き分けて頭の口に飯を入れていた。頭に口のある山婆だった。山婆は男を追いかけてきたが、男が蓬と菖蒲に隠れたので、見つけられなかった。以来、五月には菖蒲と蓬で屋根を葺く。
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オニ 1974年 宮城県 飯を食わない美しい女を嫁に貰ったが、実は鬼が化けたものであった。正体を現した鬼に襲われたが、菖蒲と蓬の草原に逃げ込むと、鬼は追ってこられなかった。それで、五月の節句に鬼が来ないようにと、菖蒲と蓬を飾る。
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オニ 1966年 新潟県 昔、ある男が飯を食わない嬶を欲しがったので、鬼が来て嬶になった。様子をそっと覗くと嬶は釜で飯を炊き、頭を開けて食っていた。男が覗いているのを見つけた嬶は蒲団を入れる箱に男を入れ、担いで山に走った。箱の底が抜け、男は菖蒲畑に隠れて助かった。以来、五月節供の5月6日には、菖蒲が流れるように雨が降ったほうがよいという。
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ヘビノムコ 1977年 神奈川県 ある蛇が人間の娘に惚れてしまい、青年の姿となって娘のところに通うようになった。娘の母が心配し、青年の着物に紐を結びつけるよう娘に言いつけた。その紐を辿って山中の岩屋の中を窺ったところ、中で、娘との間に子供を作ってはきたが、5月の節句に菖蒲酒を飲まれれば子供はみんなおろされてしまうと言っていたので、娘と母親は急いで帰ってその通りにした。
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キツネ 1979年 鳥取県 罠にかかった狐を百姓が助ける。狐は恩返しにときれいな女の人に化けて百姓の嫁になり、豊作をもたらす。百姓は村一番の長者になった。すると嫁はこれで恩返しができた、と狐の姿に戻って山に帰ってしまった。
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タヌキ,ムスメ 1938年 長野県 男が森に入ると狸が美しい娘に化ける。男は気づかずに娘と山の中へ入っていったが、娘は狸に戻り、男は逃げ出した。
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オニ 1955年 青森県 仲の良い娘2人が野蒜掘りに遠出してしまい、鬼の家の老婆に匿ってもらう。翌朝、気づいた鬼に追いかけられるが、老婆の教えどおり菖蒲と蓬の間に隠れた。鬼は菖蒲と蓬にあたって溶けてしまい、2人は無事に帰ることができた。
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オニ 1966年 新潟県 昔、鬼が人間を山にさらった。人間は抜け出して菖蒲と蓬の原に逃げ込み、探しにきた鬼は菖蒲の葉で目を突いて盲目になり、人間は逃げ切ることができた。それが5月5日だったので、以来五月節供には、菖蒲と蓬を飾る。
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オニ 1975年 埼玉県 人間を喰いにきた鬼が、女に姿をかえて男をさらうが、男は木の枝につかまって逃れた。気付いた鬼が引き返してきたが、菖蒲とよもぎの臭いのおかげで難を逃れた。端午の節句に菖蒲もしくは茅とよもぎもしくは餅草を軒端にさすのはこれによる。
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キツネ 1986年 石川県 「俺は騙されないぞ」という気持ちの青年に、狐が「嫁さんに化けて里帰りを演じて、馬の糞を牡丹餅だと言って食わせるから見とれよ」と言った。男が見ていると、帰りが遅いのを心配して探しにきた弟に声をかけられた。胡瓜畑で化かされていた。
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タヌキ 1992年 奈良県 狸がきれいな着物を着た娘さんに化けて出てきた。男の人がついていったら、寂しい所に連れて行かれた。そして男の人は険しい崖を上って帰ってきたという。
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カエル,ヘビ,ロウバ 1941年 秋田県 百姓が蛇に食われかけた蛙を「娘を嫁にやるから」といって助けた。蛇は人間の男に化けて待っていたが、娘が千本の針でこれを殺した。その後、娘は山道で迷い、山小屋に住む老婆に助けられた。最後に娘は、長者の息子に一目ぼれされて、嫁となった。老婆の正体は百姓が助けた蛙だった。
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