タヌキ 1991年 愛媛県 向こうから「おーいおーい」と声がする。答えると「どこへ行くものぞー」などと聞いてくる。狸が人間の言葉を話した。昔の狸は偉かった。
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タヌキ 1991年 高知県 臆病な人は狐や狸に化かされることがある。狸がどんなふうに化かすかは知らないが、このカミには狸がおるといって、しりごんだ年寄りが、夜帰ってくるときに「やせてもかれても野砲兵の一等卒ぞー」などと大声挙げながら通ったというハナシはした。
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キツネ 1938年 青森県 嫁に化けた狐が爺様をだまそうとするが、正体を見破られて逃げた。狐が人まねをして喋るときは、ほがほがと鼻にかかる。
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キツネ 1987年 山形県 話者が若かったころの話。柳原の郷倉で話者を含めた若者たちが夜中に芝居の練習をしていたら、生温い風が吹き込んで自転車や馬車の音が聞こえてきた。狐が化かそうとしているのだと思い、みなで木刀を振り回したという。
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キツネ 1933年 広島県 於三という、尾が三つに分かれた知恵のある狐がいた。ある晩、役者が歩いていると、於三が現れいろいろなものに化けてみせた。役者は於三をだまして袋の中に入れ、口をしばって海に捨ててしまった。
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キツネ,タヌキ(ゾクシン) 1925年 大分県 じっとしゃがんでいると、狐や狸に騙されそうなときの防衛となる。
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キツネ 1989年 山梨県 狐に騙されると人間が馬鹿みたいになり、こちらで言ういろいろなことがよく分かる。相手がずっと向こうにいても誰が何を言ったのかわかる。それは、狐に乗り移られたということである。
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キツネ 1971年 岐阜県 昔、病人が狐の真似をしたり来客の予言をするようになったが、その人は少しして死んでしまった。
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ヒイ,タヌキ 1990年 大阪府 ひいという古狸の化物がいた。夕方男衆が外で世間話をしていると、目を広げたひいが見ていた。「それだけの目か」と言うと、大きな目をさらに大きくしてバケツみたいな目をした。このようなやりとりをしていたら余程の大きさの目になり、怖くなって逃げた。翌日、目を破裂させて死んでいた。
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キツネ,フルッコ 1995年 愛知県 狐に化かされて、車で送ってもらったつもりにさせられた。お礼を言ったら窓から顔を出したが、近所にないえらいいい男だった。古い狐を古っ狐といい、とても力がある。
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キツネ 1982年 宮城県 話者が若い頃の話。あるお爺さんがいつも狐に化かされて魚を取られていたので、長い棒に魚を吊るして短い棒で狐がいると思しき場所を叩いて廻ったが、それでも狐に魚を取られてしまった。
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タヌキ 1931年 高知県 狸に化かされそうになったときには、「誰ぞ」と声をかける。狸はオラの詞が言えないので「ウラじゃが」と答える。ここで「ウラ(梢)なら本よ」と言返せば、化かされることはない。
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キツネ 1990年 福島県 話者の祖父が夜、魚を背負って帰るときに狐につけられて、魚を取られた。蕎麦の畑で芸者が歌ったり踊ったりしているように見えたが、そんなところに芸者がいるわけがないと思えて、狐に化かされていると気づいた。
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タヌキ 1991年 愛知県 狸がおじいさんと言い合いをする。おじいさんはのどが乾くと持っていた水を飲んだが、水を持っていなかった狸は翌日のどが乾いて死んでしまう。
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タヌキ 1972年 兵庫県 桜井座という舞台の奈落に三吉という狸がいた。たんつばでも吐けば、声を取られてしまう。そのときは神酒や赤飯、あぶらあげを持って、お詫びする。夜、狸が昼間の舞台のまねをすることがある。
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キツネ 1954年 栃木県 狐はあまり馬鹿な人と利口な人は化かさない。中間の化かしごろの人を狐かげんという。
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キツネ 1987年 山形県 1955年ごろのこと。話者が狐に化かされ、光や音を見せられたり、朝早く狐が相撲を取るのを見せられたりしたという。
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キツネ 1933年 広島県 昔、於三という狐がいた。寅という男がいて於三とお互いにどうにかして欺こうとしていた。ある日寅と於三が話していたとき、何か恐ろしいかと於三が聞いてきたので、寅は欺こうと思い猪が怖いと答えた。それから二人が会うたびに十円札(通称いのしし)をくれたので寅はその札を取って儲けた。
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キツネ 1986年 石川県 人がおかしな身ぶりをしていた。違う方に狐がいて、同じ身振りをしていた。そういうときに狐を驚かせてしまうと、操られている人のショウが戻らなくなってしまうので、驚かしてはいけない。
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キツネ 1956年 宮城県 自分は狐になど騙されないと威張り,狐の出そうな場所では常に油断せず緊張している男がいた。ある時もそのように緊張していると,道端に金貨が落ちている。近寄ってみるとピンと飛んでいった。追いかけるとまた跳ねていくので,逃がすまいと飛びついてつかんでみると,たれかけの糞であった。
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