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番号 C3520003-000

呼称(ヨミ) タコ
呼称(漢字)

執筆者 宮本常一

論文名 1島と海の民俗:周防大島(一)

書名・誌名 山口県史資料編民俗1民俗誌再考
巻・号/通巻・号
発行所 山口県
発行年月日 H14年3月1日
発行年(西暦) 2002年
開始頁 17
終了頁 18

掲載箇所・開始頁 19
掲載箇所・終了頁

話者(引用文献) (『旅と伝説』25号)

地域(都道府県名) 山口県
地域(市・郡名) 大島郡
地域(区町村名) 周防大島町

要約 昔、甚平という漁師が住んでいた。魚を捕ることが巧みで近隣の者は皆知っていた。ある日甚平が岩の近くで魚釣りをしていると、急に船が傾いた。見れば大きな蛸の足が船縁を掴んでいた。甚平はその足を包丁で切って持って帰った。その味を覚えた甚平が翌日も岩へ行ったところ、その日も蛸が現れた。こうした日が5日続き、8本の足が3本にまで減った日に、甚平はこの蛸を捕ってやろうと包丁の代わりに縄を持っていった。それきり甚平は帰らず、主のいない船が夕方に浦へ流れ着いた。村人達はきっと蛸に食われたのだろうと噂した。それ以来その岩を甚平岩と呼ぶようになった。
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