タヌキ 1937年 大阪府 夜、狸の棲み家から、地車の囃子の音が聞こえてくる。
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タヌキバヤシ,ホンジョナナフシギ 1935年 東京都 浅草、本所方面のまだ発展していない頃には囃子の太鼓の音が毎夜のごとく隅田川の川面に響いて高く低く、また遠くに近くに聞こえて不思議であった。誰が言うともなく狸が腹鼓を打つと信じられ、後には本所の狸囃子とさえ言われた。本所七不思議の一つである。
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タヌキ 1938年 長野県 祭りのお囃子の練習を夜にチンチンドンドンチリカラスットンとやって、ちょっと休むと向こうから同じような音が聞える。八幡様の木の上から太鼓の音だけでなく、「チョンチョン」という音や「ポコンポコン」という音も聞えてくるので狸だとわかった。明治30年代のことである。
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タヌキ 1975年 高知県 春雨の降る眠たげな日に山仕事へ行くと、必ず意外な所で太鼓の鳴り出すことがあった。そのとき「誰やァ」と呼んで「うらじゃー」と答えたらそれは狸の仕業である。狸は人間のようにはっきり発音ができないからである。
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ヤマバヤシ 1956年 深夜の山中に神楽囃子の音がする。狸の仕業という。
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タヌキ 1937年 大阪府 酒造場の桶納屋で、狸が腹鼓を打つ音を聞いた。近くなったり、遠くなったりして、月夜の晩や雨夜の晩も度々聞こえるため、大変評判になった。
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タヌキ,キツネ,オト 1980年 静岡県 小諸山の山奥には、たくさんの狸と狐が住んでいて人を化かす。ある日もや拾いに行ったおばあさんが太鼓のような音を聞く。そばに行っても何もおらず気づくと聞こえなくなっていた。これは狸の仕業。
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タヌキ 1972年 長崎県 バクリュウ(博労)が外海へ出て、何日も帰ってこなかった。待っていたら下駄の音が聞こえたので、今帰ってきたと言ったら音が消えた。これは狸が化かしたのだという。
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タヌキ 1935年 愛知県 山へ行って木を切っていたら、地づき唄が聞こえてきた。手を止めると聞こえなくなる。切り出すとまた聞こえた。狸の仕業と気づくと、それきり地づき唄も止んでしまった。
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タヌキ 1957年 山形県 烏川の奥の山小屋で木を伐っていた時、狸の腹太鼓を聞いたことがあるという。余韻がないという。狸の木倒しの話もあり、鍋のつるの中から正体が見えるという。狸は煙には弱い。
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ギッシャノネ 1981年 京都府 昭和17・8年頃の晩夏から初秋に3人で山に入り、下りて来る頃には少し暗くなってきた。しかしある所まで来ると辺りがポッと明るくなり、後からチンチンと牛車の音がしたがしばらく行くと辺りは真っ暗になり音も消えた。狸のいたずらだという。
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ヤマバヤシ 1938年 静岡県 深夜に山中で神楽の囃子が聞こえる。阿多古では山ばやしと呼ばれていて、狸の仕業だと考えられている。熊村では日中にも聞こえるといわれ、狸が腹鼓を打っているのとみたというものもいる。
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タヌキ 1933年 大阪府 廊下に美味しそうな芋が落ちていたので拾おうとしたが、どんどん逃げていって追いつけなかった。これはおそらく狸の仕業に違いないということになった。狸の仕業といえば、地車囃子の噂や寝ている間に獣の足跡を付けられたという話を聞いたことがある。
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スイドノタヌキ 1937年 大阪府 都市部では、狸は下水道に棲み、人を化かす。
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タヌキ 1981年 和歌山県 話者の家の裏山ではよく狸が化かす。夜、自動車で来た人が、後ろから自動車が来るので先に行かせようとして横道に入って待ったが、車は来なかった。狸の仕業。
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タヌキ 1940年 滋賀県 ある家に、毎夜、人間の声色と下駄の音を駆使して起こしに来る狸がいた。
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タヌキ,(ヤマバヤシ) 1998年 静岡県 狸は色んな声を真似ることができる。狸の神楽などを一度も聞いたことのない人がほとんどいない。ある日、山に登った五人の男は突然役場の鐘の鳴る音が聞こえたが、その方を眺めると煙などが見当たらなかった。狸の仕業かもしれないと思い、落ち着いて村に戻ったら、やはり何のこともなかったという。
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タヌキ 1962年 大阪府 祖父が淀川で船問屋をしていた頃、家族が寝ている時よくうなされた。ある晩船問屋の船が淀の橋の下で夜泊した際、船頭の夢の中に枚方のある人の家で祀られているという源太郎狸というものが現れた。それを家の庭の隅に祀るとうなされなくなった。この源太郎狸は、出水の折淀から浮木に乗り流れ着き、土蔵を住処としていたという。
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ヤスベエタヌキ,オタヌキサン 1981年 京都府 祇園の辰巳橋のお稲荷さんは、祇園の芸者がよく参るが、実は狸が祀られているらしい。また京都には町々に安兵衛狸など名前のついた狸が住んでいたらしい。柳馬場に住んでいたある人は、床の下でカンカンと音がしたり、原因不明の現象があったりすると、「狸の何々さんや」といっていた。
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タヌキ,キツネ 1975年 愛知県 60年程前、夜中に寝ていると藪でトントンと竹を切る音や竹の葉のザワザワいう音が聞えてきた。これは狐の仕業である。外縁をピチャピチャと音を立ててある音が聞えたが、翌朝見ると狸の足跡がついていた。
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