リンシタイケン 1980年 秋田県 人が死ぬときは、死んだ人が迎えに来て三途の川の橋で呼ぶのだという。時には「まだ早い、戻れ」といわれたりするという。釜に湯が沸いていて、入ろうとしたら「まだ入ってはいけない」といわれて、それで意識が戻ったという人もいる。
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(リンシタイケン) 1965年 宮崎県 皆で名前を呼ぶと息を吹き返すことがある。死人の出た家の軒下は三途の川になるといわれ、屋根に登って名を呼ぶと、「三途の川を渡りかけたが、あんまり呼ばれるので戻って来た」と、息を吹き返すという。
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トビコミジサツシタオンナノヒト 1993年 香川県 ミドリ池を通りかかると「供養をあげてくれ」と水の中から声がした。供養をあげたら、機織の音がした。昔、織屋があり、そこの家にいた女が子供を抱えて池に飛び込み自殺し、その後も何人か引き込まれた。
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オンナノヒトノユウレイ 1999年 栃木県 ある日、自殺の名所の沼に友達3人と遊び半分で行った。その日は霧の深い日だった。沼には、泣いている女の人の幽霊がいた。その後、週に1度は沼に行き何かに取り憑かれたように幽霊を見ていた。その後、沼から女の白骨死体が見つかった。
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オンナノユウレイ 1931年 大阪府 明治以前の事、不縁となって実家に戻った娘が、煩悶した挙句入水自殺を遂げた。以来、夜暗くなると、身投げした浜から女の幽霊が出没するという。そればかりでなく、姑を呪う声まで聞こえるそうで、見物客や商店が出るほど盛況になったことがあるという。
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ドクジャ 1976年 静岡県 桜村に池の社という方5町程の2つの池がある。毎年8月彼岸の中の午の刻に半切り桶に赤飯を盛って水泳が達者なものが池の半ばまで押し行き池の真中で手放す。池の水が渦巻いて桶は水中に沈む。伝えによると昔、国主が入国した頃、妾とこの池辺りに遊興した。すると俄かに池に波が立ち妾が池に引き込まれてしまった。国主は怒って池に焼いた石を投げ入れさせ続けた。7日7夜続けたところ毒蛇が死んで浮かんできた。頭は牛のようで、背に黒い鱗があり、白い角が生えていた。また肥後の阿闍梨皇円の霊魂がこの池に入ったとも言われる。
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コエ 1985年 香川県 ある人が夜寝ていると呼ぶ声がする。はっと気が付くと、いつのまにか家を出て池の堤に立っている。あわてて家に帰ったが、また呼ぶ声がして気が付くと池の堤に出ている。恐ろしくなり、家に帰って光明真言を唱えて夜を明かしたという。夜遅くにうまいことを言って外から誘いに来るのは人間ではないから一緒に行ってはいけないと言われている。
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(リンシタイケン) 1964年 福島県 話者の祖父が三十三歳の時に死にかけた時の話。おとぎの国のような赤や青の光のするきれいなところを歩いていた。途中何度も名前を呼ばれたので、あちこち隠れながら三途の川を渡った。川幅は広いが浅かった。その向うの死出の山も丘みたいなものだった。向うは一面の平野で花畑、その向こうにすばらしい鉄の門と御殿があって、赤鬼と青鬼が立っていた。通してくれと頼んだら、「お前はここに来るのは早すぎる、帰れ帰れ」と怒られ、金棒を振り下ろされた、と思ったら息を吹き返した。
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アノヨヘイクフネ 1990年 高知県 人は死ぬと、あの世へ行く船が三途の川で待っている。その船はいっぱいにならないとあの世へ行けない、行かないという。そのため同じ部落で人が続いて亡くなると「連れ誘うた」という。
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レイ 1941年 大阪府 性質の悪い悪党は、いよいよ捕まる段になって、自ら池に飛び込んで死んだ。その霊が祟って、池を覗く者がおれば、必ず水中へ引き沈めた。困った人々が、これを水神として祀ったところ、そのような事はなくなった。
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ウバガイケ 1976年 静岡県 駿河国江尻の近所に昔1人の女がいた。性格は頑なで、文禄2年8月8日媼が池に身を投げて死んだ。人がその池の近くで媼と呼べばたちまち泡が沸き返る。大声で呼んだら大きく沸き返る。
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ゴゼンサマ 1967年 福島県 乙女淵とか御前淵と呼ばれているところで、昔、大家の娘が紅花を摘みに行って、水鏡で自分の顔を見ていたら、御前様にみいられ淵の中に引き込まれた。その後、ある男が淵に鉈を落とした。鉈の柄が近くに見えているので取りに入ったら、前にいなくなった大家の娘が機を織っていた。娘は、ここにいることを誰にも話さないでくれと、布をくれた。男が淵から上がると3年が過ぎていて、家では三回忌が行われていた。もらった布はいくら切ってもなくならず、どこまであるのかとほぐしたら、そのとたん男は死んだ。盆の16日はこの淵へ流し機といって、機をつくり流すという。これをしなければケチがつくといわれ、どんなことがあってもやらなければならないといっている。
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(リンシタイケン) 1956年 福島県 呼び返されて生き返った人の話。きれいな河原で子供が遊んでいる。橋を渡って花の咲く野原へ行こうとしたら、亡くなった親が来るなと言う。ウロウロしていたら気がついた。死ぬ人には誰かが迎えに来る、提灯をつけておばんおばんと声をかけられると言う。
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(ゾクシン),スイシニン 1933年 福島県 水死人は家の中に棺を入れず、縁側におくものである。でないと友を呼ぶからである。
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ホトケ 1941年 不明 心中しようとした家族の息子を、通りかかった人が不憫に思い連れて帰って自分の娘と添わせるために育てた。するとその息子は他に女をこしらえてしまったので、娘は家を出た。母は娘を探し出し、どうか家に戻ってくれと頼んだ。そこへ娘の言い交わした男も一緒になってくれといいに来た。娘はどっちに行けばいいかわからず、橋から身を投げた。娘の体は二、三間流れたあと仏になって緋の衣を着た姿になり、わきへ上がっていった。
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キツネ 1982年 宮城県 ある男が船を出して魚を取って戻ろうとしたが、櫓をこいでも船が廻って陸につかない。なんとか家の下まで来ると、出征して死んだ兄が山から「東京に連れて行ってやる」と呼ぶので山の椿の下まで行くと、今度は「ベルトで首を吊れ」と言われた。枝にベルトを掛けても高さが足りないので、もっと山の中に入った。桑の葉が揺れるのが映画を見ているように感じた。皆が探しに行くと、狐が落ちたらしく断崖で寒い寒いといっていた。その男は3日ほど前からおかしかったという。
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カエルイシ 1932年 大阪府 大阪城下に蛙の形をした石がある。これに腰掛けると誰でも自殺すたくなり、死ぬと必ずその自殺者の下駄が蛙石の前にそろえてある。某山の僧侶が供養し捨てたが、一夜にして下の場所へ戻ってきたので、七五三縄を張っておいてある。
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キツネ 1971年 茨城県 人が亡くなった時の不幸使いは組内の者が2人で行った。確実に使いが行くように、年寄と若い者が組んだ。告げられた家では酒や飯を出すので、昔は狐に化かされて、その日のうちに帰れないこともあったという。
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ビジン,フチ 1954年 群馬県 天安2年4月8日、老人が淵に落ちたときには機を織る美人のところに落ち、酒肴のもてなしを受けた。帰ってみると3日たっていて、自分の葬式をしていた。その後、池にひょうたんを沈めると酒が入っていた。膳椀を借りることが出来たという話もある。
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(リンシタイケン) 1989年 静岡県 死にかけたとき、向こう岸の花の咲いたきれいな所から手を振って招くので三途の川を渡ろうとすると、後ろから家族や親戚に呼ばれて渡れなかった。そうしたら気がついた。お題目が聞こえたともいう。
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