イタチヨセ 1964年 福島県 村の若者連が集まった折、おもしろ半分にいたちよせをした。2里、3里も離れたところからいたちが寄ってくるという。まずより人を定め、これを中心としてその周囲を囲み、「おんしょうしうそわか、おんきりかたやそわか」と繰り返し唱えるうちにいたちが寄ってくる。より人は膝の上に両肘をつき、しゃがんだままはねまわる。すると周りの人は「どこから来たいたちだ」「どこどこの沢から来た」などと問答する。いたちを寄せるのは易く、離すのは難しい。離す唱詞があるともいい、いたちのついた人をそのまま放っておけば、くたびれた様子で座り込み、あるいは倒れて、しばらくするといたちはのくという。
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キツネ 1994年 鳥取県 きつねは夜、人を騙して食べ物を取り、人を田に落とす。話者の曾祖母は晩に家に帰るとき、「なんだか重たいな」と思ったら田の中を歩かされていて、弁当の残りの握り飯も取られていた。
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マメダヌキ 1966年 香川県 昔から豆狸が棲んでおり、いたずらをする。夜寝ていると人を起こしに来る。だまされて家の外に出た人は、あちこちを歩きまわり、気がついたときには思いがけない所で寝ていたり、人に声をかけられて気がついたりする。
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ヤマタロウ,タロウドモ,ホイホイサン 1952年 熊本県 山太郎はいたずら者である。夜などに山を歩くと、石を落として人を驚かすことがある。また、馬小屋に出て来て、馬に乗ってたてがみをもつれさせることがある。さらに、馬を叩き回っておびえさせるため、馬が暴れ出すことがあるという。
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モウジャ 1981年 大分県 無縁の亡者はお茶が飲みたくて道路をさまよっているので、仏壇から下げたお茶を外の土塀にかけておいて亡者になめさせる。
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キツネ 1993年 岩手県 夕方、少し足りないお爺さんが田んぼの中を歩いていたので声をかけると、「前を歩いている人が提灯もってたから、後ろについて歩いてた」と言った。きつねに化かされていた。賢い人や馬鹿な人は狐に騙されにくい。ちょっと足りない人が騙される。
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キツネ 1976年 山口県 きつねは通行人に砂をかけたり、転ばせたりする。
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スナカケババア 1956年 夜分、淋しい森で、砂をバラバラと降らせて人を嚇す。姿を見た人はないらしいが「婆」という。
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オニ,ツルベ 1937年 愛知県 杉に住む鬼が下を通る人をかなつるべでさらったという。
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タヌキ 1999年 佐賀県 女子青年団が街から帰るとき、納骨堂の近くに立派な道ができていたので、その道を歩いていたら、いつのまにか田んぼに落ちていた。狸のしわざ。
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(ゾクシン),イタチ 1935年 山口県 いたちに屁をかまされると馬鹿になる、という。
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ミコシノニュウドウ,イタチ 1964年 福島県 いたちはきつねよりさらに立ちの悪い化け方をする。みこしの入道はそのひとつで、はじめは小さく見えるがだんだん大きくなって大入道になる。この入道は必ず手おけとかちょうちんとかなたなどを持っている。それがいたちの正体であるため、それをねらってたたき殺せばよいという。
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キツネ 1990年 福島県 狐はホウの葉をお札に見せる。田んぼを温泉に見せてつからせ、人を泥だらけにする。
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キツネ 1982年 宮城県 農仕事を手伝って米や魚を貰った人が狐に化かされて田圃の中を歩かされ、米や魚を石や砂や泥とすりかえられた。
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テングノス,テングノイシコロ 1922年 石川県 大正年間のことである。突然対岸から砂礫を打つものがある。若者の悪戯と思ったが、今度はゴーと地鳴のような鳴動がする。次にはバラバラゴーと礫を降らす。
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タヌキ 1940年 滋賀県 村人が道の両側いっぱいに広がって休憩して通れないので、狸は顔見知りの爺さんに化けて村人たちをだまし、道をあけさせて通った。
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ズットコイタチ 1985年 新潟県 夕方、川で米を研いだりしていると、小さな子どもがチョコチョコきておどけたり、蕗の葉を頭に被ったり、後ろを向いて人を馬鹿にしたりする。イタチの仕業。こういう、人に悪戯するイタチをズットコイタチという。
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キツネ 1938年 長野県 昔、用事に行く人が雨が降って来たので柳の下で待っていると、ある人が迎えに来た。しかしどこか気味の悪い人であったのでたたくと狐であった。
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キツネ,タヌキ 1956年 神奈川県 狐や狸は人家から下駄や煙草入れを持ち去る。悪口を言うといたずらをされた。
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イタチノツチカケ,イタチノスナカケ,ヤマミチノカイ 1982年 新潟県 山道を歩いていると急に上からパラパラと砂をかけられるが、これはイタチの仕業でイタチの土かけ、イタチの砂かけ、とよばれている、山道の怪である。
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