イッポンスギ 1982年 新潟県 村はずれの大きな一本杉を伐ることになって、木こりが伐りにかかったら小豆色の血が出てきて気味が悪くなってやめた。さらに、その木こりは帰り道でなくなったという。
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ヤマウバ,クモ 1972年 岐阜県 木こりが見合いをして嫁をもらったところ、この嫁が働き者で料理上手だった。ところが嫁は米を炊くのに自分の小便を混ぜ込んでいた。木こりがそれを知った日、木こりが風呂に入っている間に嫁は風呂桶ごと木こりを担ぎ出した。辛くも逃れた木こりは嫁が山姥であることを知った。嫁は今晩蜘蛛になって木こりを糸で縛り、山姥たちのもとへ連れて行くつもりだと語り、木こりはそれを聞いて一計を案じた。その晩、木こりは囲炉裏端で蜘蛛を待ち受け、やって来た蜘蛛を囲炉裏に投げ込んで殺した。
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ダイジャ 1971年 福島県 蛇が人に化けてきれいな女の人を集めて、結局それを飲んでしまう。そのそばに木こりがいて女の悲鳴を聞いた。木こりがそおーっといってみると蛇の主というか、大蛇がいて、女の人が助けを求めていた。木こりは恐ろしさに腰を抜かしてしまい、蛇に見つけられた。木こりまでやられてしまったのかはわからない。
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コウジンノシンボク 1992年 島根県 荒神の神木は椎の木。神木を伐ると病気になる、死んでしまう、祟られる、という。ただし、公民館の費用など公のことに使うために伐るのはいいという。
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キツネ 1973年 岩手県 話者が木伐りをしていたころのこと。他に誰もいないのにパカリパカリと木伐りをする音がする。不思議に思って音のほうに行って見ると、狐が木の枝を咥えて木を叩いて、木伐りの音を出していた。
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ナナツイド 1986年 埼玉県 日照り続きの日、木こりが思い余って水をたくさん含んでいるという柳の木を伐ろうとすると、「どうか私を伐らないで下さい。そうすればお礼に水の湧き出る所を教えましょう」と、どこからか声がしたので、伐らないで帰宅した。その晩、美女が枕元に現れ、「私は今日助けていただいた柳です。私には七人の子供がいます。その柳の下を掘ってみて下さい。」と言って消えた。次の日木こりはその子柳を探し当ててその下を掘ると、七本ともこんこんと清水が湧き出てきた。そうしてそれらは村の人たちの大事な飲料水となった。
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オオスギ,キノセイ 1982年 新潟県 昔、村はずれに直径4、5丈もあろうかと思われる大杉があった。この杉を伐りはじめると木の中から泣くようなうなるような怒るような声がしてきて、さらに伐り口から滝のような赤い血が出たので若者たちは逃げ帰った。翌日木は元通りになっている。これが繰り返されたので、人数を3倍にして三日三晩かけて木の下に火をたいて、伐りくずをドンドン燃やし、ようやく伐り倒すことができた。大杉が元通りになったのは、夜中に他の木の精が見舞いに来てその伐りくずを杉につけるからだという。
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オオヒト 1970年 青森県 木こりが大人と仲良くなり相撲などをして遊ぶようになった。木こりが手ぶらで帰ると夜の内にいつの間にか2,3日分の薪を積んでくれるようになった。毎日これを繰り返していたら木こりも大人になって行方知れずになった。
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〔オオカグラヤマ〕 1987年 長野県 群馬県との境にある。昔,山の麓で木こりが数人木を伐っていたところ,人気のない山なのに山の頂でかねや太鼓の物凄い音がしたという。驚いた木こり達は相談の結果,神社を建ててお祭をすることになった。その後は不思議なことや物音は起こらなくなった。また,この山に雨乞いすれば必ず雨が降るとされる。
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(ヤマノカイ) 2001年 長野県 汗馬山に入った木伐りを誰かが大声で呼ぶ。返事をするが姿が見えなく、その内に大声で笑い出した。気味が悪くなり木伐りは逃げ帰った。
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テング 1983年 東京都 職人が木を伐るときには切り口をきれいにしておく。天狗が腰かけるのにじゃまになるから伐るのだという。
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キヲキルオト 1997年 福井県 山に泊まりこんで働いていると、誰もいないのに木を伐る音がしてくることがある。
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キツネ 1960年 岩手県 狐は山中で木を伐るような音、そして人の怒鳴り声などを出す。しかし木を伐る音だけで、木を倒す音はしない。
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コウボウダイシ 1979年 鳥取県 木こりが体の腐れた旅の坊さんを木こり小屋に泊めた。翌日みると坊さんは小判の山になっていた。弘法大師だったという。
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グヒンマツ 1957年 山口県 枝ぶりの変わった大樹には山の神が降りたり、天狗が休む神木なので伐らない。ぐひん松という。伐ると祟りがあるという人もいる。変事があった場所を山の神の祭場にすることがよくある。
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キキリボウ 1956年 宮城県 磐司の山中で、木を伐る音がしたり、多勢で歌ったり笑ったりする声がする。行って見ると誰もいない。木伐り坊に会うことがあり、時には怪奇な山男の姿を見るという。
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オジイサン,イナリサマ 1983年 東京都 木を伐る名人の男がお上の命令で木を伐っていると白いヒゲのおじいさんが夜に現れて、鳥やけものが住めなくなるから少しでも木を伐らないでくれと言う。代官に話すと「永代山として残せ」と言われた。山火事でも稲荷様は焼けなかった。
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ダイジャ,リュウ,カッパ 2000年 青森県 木こりが山奥で休んでいると、山の大蛇が、「昇り龍になるためにじゃまな桂の大木を切れば宝物をみんなやる」と言ったので、15日かかって木を切った。木こりが大蛇のいたところへ行ってみると、河童が宝物を持っていこうとしていたが、大蛇の書きつけを見せると納得した。家に帰ると、木こりの21回忌をしていた。「蛇のあと、河童の持ち前」という。
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オオクスノキ,シンボク 1922年 和歌山県 大正4年11月30日、神木の大樟を伐ろうとしたが、次の日になるともとに戻ってしまう。
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タヌキ 1935年 愛知県 薪を伐りに行ったら、すぐ上でも薪を伐る音が聞こえた。けれども、呼んでみても返事がない。同じことが続くので気味が悪くなって家に帰った。
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カッパ 1981年 和歌山県 カッパが山中で木を伐る音を出す。
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