ヤマゴヤノカイ 1958年 香川県 男二人がネゴヤで食事の用意をしていると、大きな音がし、小屋が揺れ動く。とてつもなく大きなものが屋根へあがって小屋を揺り動かしていて、飯どころではない。二人はこの地で炭焼きをするのは避けたほうが良いと、翌朝山を下りた。
類似事例 |
|
アシノナガイヒト 1992年 鹿児島県 炭焼き小屋で寝ていたら、人の話し声が聞こえた。そっと見ると、足の長い人が大勢、膝をかかえながら火にあたっていた。怖くなって寝ていると、いつの間にかいなくなった。
類似事例 |
|
テング 1986年 石川県 山中の炭焼き小屋にある晩天狗が来て、屋根を取り払ってしまった。寝ていて星空が見えた。翌朝、元通りになっていた。
類似事例 |
|
オオニュウドウ 1933年 大阪府 男が夜道を歩いていると、人家の屋根上に腰掛ける身の丈1丈の大男に出くわした。狸の仕業だと思ってなおも進むと、怪しい火が行く手を阻んだ。他に逃げる道もないのでそのまま行くと、いつの間にか火は消えていた。
類似事例 |
|
テング 1972年 千葉県 山の中に炭焼きに行き、仮小屋で婆さんが一服していたら、カヤ屋根の間から小さい手が出てきて「オコワ」と言った。「そんな小さい手じゃおえないから、大きい手を出せ」と言ったら、びっくりするほど大きな手が出てきた。天狗の仕業。
類似事例 |
|
キツネ 1938年 長野県 女の人が連れ立って月夜にお湯をもらいに行った帰り、急に夕立がきた。来るときにはなかった小屋があったので、そこへ入ったら村の水車屋のお爺さんが傘を持って来た。1人のお婆さんが下駄でおじいさんの方を叩いたら「キャンキャン」といってどこかへ行き、月夜に戻った。白い肩が見えたので狐とわかったという。
類似事例 |
|
タヌキ 1979年 岐阜県 炭焼きをしていたときのこと。夜、窯をきれいにしての帰り、後ろでボンボン音がする。立ち止まると音も止まり、歩き出すと音がする。道路に出て荷を降ろしたら、大きな人が目の前にいて、見ているとさらに大きくなり、被さってきた。狸の仕業。
類似事例 |
|
(アメニアルクオトコ) 1981年 東京都 大雨が降っている夜に、忠兵衛が友人と歩いていた。払方町を通った時、下駄の鼻緒がゆるんだので友人を先に行かせたところ、井戸の脇から黒羽二重・はさみ帯・網笠をかぶり、中抜き草履を履いた者が出てきて井戸のまわりを歩いていた。けしからぬ者と思ったが、後で友人に見たかと問うとそんな者は知らないと言われた。
類似事例 |
|
タヌキ 1981年 和歌山県 1940年ごろのこと、市之谷で2人の男が炭焼きをしていた。1人が用事で泊まれなかったとき、狸が太鼓を鳴らした。もう1人の小屋を見回ってみると、いないはずの男が寝ていた。実は用事が済んで泊まりに来ていたのだったが、狸が化けたものだと思って口論になった。やがて誤解は解けたが、みっともないので村の人には黙っていたが、いつしか知れることとなった。「狸が言いふらしたんだろう」ということになった。
類似事例 |
|
オオオトコ 1971年 鹿児島県 夜になると河口のあたりに大男が現れる。川下のドンドロから数えて二番目の水車のあたりは昼でも物凄い大木の倒れる音がする。
類似事例 |
|
テング 1967年 茨城県 村人達が炭焼きをして泊まりこんでいると、けたたましい音がして小屋の上を飛び立つものがあった。そして山の奥から木を伐るような音と、大木の倒れる音がした。翌日探してみたが、木は倒れていない。恐らく天の木倒しだろう。
類似事例 |
|
デング 1957年 和歌山県 村から4,5里離れた宿屋に大男を連れた徳蔵が泊まった。朝になると大男は消えていた。天狗だったのだろう。
類似事例 |
|
タヌキ 1932年 高知県 炭焼をしていた話者が夜竃をしていた所、自分の娘が呼びに来た。怪しんで火縄銃を差し付けたら、逃げて行った。また別の日、隣の男が来て「お前の女房が病気だから帰ってくれ」という。怪しんだ紺蔵が男を竃の前で待たせて観察していると、男は居眠りを始め、耳も口もすっかり狸の相を現してしまった。そこで燃える炭を叩き付けると狸は逃げ、翌朝、焼け爛れた大狸が谷川に浮いていた。
類似事例 |
|
オニ 1988年 奈良県 六兵衛という漁師が網の材料を取りに来て、大台ケ原の大蛇嵓で夜、焚火をしていると、40歳くらいの女が来て、六兵衛の飯を食い酒を飲み始めた。そこに女が来て睨み合いになり、天地鳴動して六兵衛は気絶した。気がつくと後からきた女と巨身白髪髭の老人がいた。先の女は鬼で、大台ケ原の神である女が助けに来たが、力が足りずに弥山大神である老人の力を借りたのだった。
類似事例 |
|
キツネ 1980年 岐阜県 晩秋の頃、ある男が夜遊びの帰りに藁靴を履いてマントを着た男女2人連れに出会い、おもしろがって後をついていった。川下の集落のない方へ行き、さらに山の方へ行って山の奥でぱっと灯りが消えたという。
類似事例 |
|
テング 1993年 福井県 大きな岩石があり、ここの天狗がいると恐れられていた。ある日この近くで三左衛門という人が炭を焼き始めた。天狗が現れ「ここはわしの庭だから、すぐ帰れ。笛を吹き、太鼓が鳴ったら下山しろ」という。無視していると数日後に天狗が現れ「もう一度合図するので、帰れ」という。風が強くなり、雨も降り出したので下山した。あまりの大嵐となり、三左衛門の家は倒れた。
類似事例 |
|
キツネ 1938年 長野県 月夜にお婆さんが2、3人連れでお湯へ行った。帰りに急に夕立になったので田んぼの小屋へ逃げ込むと、近所の人が来て傘を持ってきてくれた。さそうとすると晴れたので帰ってみると傘は1本の棒だった。
類似事例 |
|
キツネ 1938年 長野県 昔、お湯に入りに行った帰り、大川のそばに小さい小屋があった。月夜であったのに大雨になったので、皆あわてて小屋に入った。傘を持って近所の人が来てくれたが、一番年取ったお婆さんが下駄ではたくと「キャン」といって消えた。それは狐で、いい月夜のままだった。
類似事例 |
|
キツネ 1980年 秋田県 夜、母と田の水引きに行ったら、向こうから提燈をつけた大きな男が来た。通り過ぎてみたら、誰もいなかった。狐の仕業。
類似事例 |
|
タヌキ 1991年 愛媛県 炭焼きがお宮祭りの帰り、酒に酔って炭焼き釜へ寄ったら狸に引かれて、田んぼに入って稲を踏んで回ったりわけのわからないことを言ったりして、気づいたら夜明けになっていた。
類似事例 |
|