ヤマウバ 1955年 高知県 ある朝、手伝いの婆がタイを取ってきてやると言って外へ出た。その帰りを待たずに朝食をすませたら、婆はいなくなり家は衰えた。その後、その家の畑をつくったところ、1升に8石も取れた。ヤマウバがついたのである。
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テング 1931年 山梨県 おえいという婆が急に見えなくなった。村中の人が3日探し回ったがさっぱりわからなかった。そしておえい婆は高さ何尺もある一枚岩の上で見つかった。婆を助け出して聞くと、鼻の高い顔の赤い人に連れられてきたという。
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ヤサブロババ,ヤマンババ 1957年 新潟県 アリシマというところで男が木に登っていたらヤマンババが襲い掛かってきたので、鎌で片腕を切り落とした。家に帰ると母親が苦しんでいる。男は見当がついたので「珍しいものを見せてやる」とヤマンババの腕を出すと、母親は「俺の腕だ」と叫んで高窓から飛んで逃げた。以来その集落では家に高窓を作らない。
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テング 1933年 長野県 ある日、婆が山で薪をとっていたら、天狗が現れ手紙を頼まれた。天狗の言うとおり目を瞑ると、体が浮き上がるようになり、目を開けると別の天狗がいた。手紙を渡してから同じようにして戻った。手紙を渡したお礼に天狗は村の火事から婆の家を守ってくれた。
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ネコ,セイエムドン 1965年 茨城県 飛脚が木の上にいると、獣が集まり飛脚を倒す話を始めた。せいえむどんを呼ぼうという事になったが飛脚のほうが強かった。飛脚は村でせいえむどんを探すと、老婆の夫であった。正体は猫だと伝えると、老婆は怒ったが爺さんは以前にせいえむどんに食われていたのだ。
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キ 1941年 愛媛県 昔、庄屋の家を建てるために、村人が山の大木を切ろうとしたが、一日で切りきれなかった。そして、翌日、その木は無傷だった。かろうじて切り終わったら、今度は重くて動かせなかったが、ヒマヒヲンナが来てくれて簡単に引けた。しかし、この木で建たれた家は直ぐ燃えてしまい焼けた。この木は北向きの神山のものだったという。
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エンテイ,ヤモリ 1979年 大阪府 浪華にある夫婦がいた。時に夫が悪い病気にかかったので、妻に他に嫁ぐように勧めるも妻は承知しなかった。ある日、妻が屋根を見上げると1匹の蝘蜓(ヤモリ)が釘で打ち付けられているのに、なおも生きていた。よく見ると雌の蝘蜓が餌を運んでいるので死なないのだと分かった。
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オオカミノオンガエシ 1987年 長野県 昔,この村に小屋久兵衛という人がいた。山へ草刈にいったとき,狼が尾を振って寄ってきた。見ると狼の目にとげが刺さっていたので,抜いてやると尾を振り振り山へ帰っていった。幾日かして,久兵衛が山の草刈り場で一服していると,この間の狼が出てきて久兵衛の裾を加えて引っ張る。引っ張られて大岩の下まで来た時,大鷲が岩上すれすれに飛び去ったので,久兵衛は自分が大鷲に狙われていた事を知り,狼が恩返しのつもりで自分を救ってくれたのだと喜んだ。
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キツネ 2001年 青森県 昔、階上岳の麓に、人を騙しては迷惑をかけている狐がいた。ここに爺と婆2人が住んでいたが、雪の降るある日の夕方、婆が待っていると、左目の見えない爺が帰ってきた。本物の爺は右目が見えないので、婆はすぐにそれが狐であると見抜き、殺してしまった。以来、ここに人を騙す狐はなくなったという。
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ヤマノカミサマ 1977年 青森県 夫が山に木を伐りに行って帰らないので妻が心配して見に行くと、美しい女の人が、木の上で作業をする夫を支えている。妻が声をかけたら女は消え、夫は木から落ちて死んでしまった。女は山の神だった。
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ヤマワロ 1950年 熊本県 新造の炭竈にお神酒をあげるため、一升瓶とお金を持って出かけた。途中でヤマワロがまとわりつき歩けなくなった。姿は見えなかったが、酒瓶の栓が抜ける音がし、気が付いてみると酒もお金もなくなっていた。
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ヤマノカミサマ 1977年 青森県 夫が山に木を伐りに行って昼になっても帰らないので妻が心配して見に行くと、美しい女の人が、木の上で作業をする夫を支えている。妻が声をかけたら女は消え、夫は木から落ちて死んでしまった。女は山の神だった。
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キツネ 1977年 和歌山県 昔、ある人が田辺まで行って魚を買って帰ってきたが、途中の峠で狐に憑かれて帰ってくることができずに尾根まで登ってしまった。村ではその人が帰ってこないので皆で探していたところ、峠から迷い歩いたところに点々と魚が落ちていたので見つけることができたという。
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キツネ 1982年 宮城県 田植えの手伝いを頼む人が見つからずに困っていた人が、山中で「人が足りず困った」と言いながら通ったら、以前助けてやった狐が田植えをしてくれ、その年は豊作になった。
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タヌキ 1935年 奈良県 杣職をしていた男が、山に行くといって出ていったきり、長らく戻らないので、家族が心配して小屋に行くとそこに姿はなかった。狸の仕業だと思って、瀧の付近を捜してみると、小枝の上にぼんやり座っていた。男は帰ろうと思ったが自然にこちらに来ていたという。
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ヤマンバ 1985年 愛媛県 山中にヤマンバがおり、村人は婚礼などがあると食器や膳を借りに行った。返す時に、食物の残りがないようにきれいに洗うと、ひどく怒った。ある年の大水でヤマンバの家が流され、村人は小祠を建てて祀った。
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ヤマンバ 1983年 愛媛県 山中にヤマンバがいて、村で婚礼などがあると食器や膳を借りに行った。返す時に食べ物の残りがないように洗って返すとひどく怒った。ある年の大水でヤマンバの家が流された後に、小祠を建てて祀っていた。
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キツネツキ 1973年 富山県 有峰にはクダギツネという狐つきの家があった。村との交わりをせず、村の人も交わりをしなかった。狐がついたことで家に利益があるとしていた。
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ムジナ,ヤマノカミ 1994年 新潟県 ある男が、義理の母親にイノラれて死んだ。義理の母親には前の夫との間に子があり、その子に跡を継がせようとしてムジナであるヤマノカミに赤飯、酒など大量の供物をささげた。暫くすると、男は隣村に行った帰りに川にはまって死んでいるのを発見された。川に落ちそうになったのをムジナに蹴落とされたのだろう。
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クダギツネ 1965年 宮崎県 山にはクダ狐がいて人を化かした。ある商人が魚を持って山で日が暮れ、一軒家に泊めてもらった。翌朝帰ろうとすると魚も一軒家もなくなっていた。
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