ユウレイ 1935年 新潟県 家に居ると、入り口の戸が開く音がしたので見に行くと、白く肥えた女が居た。家に入っていなくなったので探したが見つからなかった。数日後危篤だった祖母は生きていたが、親戚の女が急に亡くなり、あの女は別れを伝えに来た姿であったのだろう。
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オバアサンノレイコン 1993年 福島県 昭和62年2月、病気をしていたはずの隣のお婆さんが歩いていた。声をかける間もなく、人影は家の方に歩いていった。3日後におばあさんは亡くなった。おばあさんの霊魂が家に帰るところをみたのかもしれない。
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ハッピャクビクニ,カイセン 1974年 福井県 古老が語るには、今浜の洲崎村にあるとき漁者のような人がやって来て、人を招いて宴会を行った。ある客がその調理するところを見たところ、人の頭のある魚を捌いていた。ある客はその魚を袖に入れて帰ったが、それを妻が食べてしまった。妻は言うには、最初は甘露のような味だったが、食べ終わると気を失い、しばらくして息を吹き返したら、体が健やかで、目は遠くまで見え、耳はよく聞こえ、胸中は明鏡のようで、顔色は麗しかった。夫や親類は悉く死んで、7世先の孫も老いた。その後若狭の小浜に移ってきたという。
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ユウレイ,ムスメ 1933年 大阪府 家計を扶けるために女郎となった娘の青ざめた首が、両親の家の上がり口に現れ、すぐに消えた。両親は夢の様な感覚に陥ったが、数日後、娘の病死の報せを受け取った。両親を思う一念より、幽霊となって二人の下に現れたのだと言われている。
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(イキカエッタヨメ) 1950年 山梨県 息子の嫁が病気で死にかかった。覚醒してから聞いてみると、嫁は大きな川を渡ろうとしていた、すると死んだ祖父が衣冠束帯で「こっちへ来るな」と言った。母は真っ黒な顔をしていた。川原には子どもがたくさんいて、石を積んでいた。遠くで呼ぶ声がして、その方に行ったら気が付いた。祖父は神葬祭で、母は火葬で弔っていたという。
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シリョウノタタリ 1956年 宮城県 昔,仙台本柳町の某という束巻師の一家には三人の娘がいたが,上の二人が同じような死に方をした。通夜の夜更けに呻き声が聞こえるので覗くと,娘の死顔が赤黒い鬼のようになって睨んでいる。その変化は,「我はこの家の7代前の先祖に殺された山伏の霊である。公金を携えて上方に旅した時先祖の男と道連れになったが,男は山中で私を殺して大金を奪った。先祖の男はその大金を元手に分限者となったが一片の供養の心もない。無念であったが,代々運勢が盛んで祟る事もできなかった。しかしようやく恨みを晴らすべき時がきた。偽りと思うなら箪笥の奥に自分の刺した刀がある」と申し述べた上,残った娘の命を助けたければ昔自分が望んでいた位官相応の葬列を出せと言う。夫婦が承諾すると面相は元に戻った。さて夫婦は一旦承諾したものの仰々しい葬礼を出すことができない。すると,また山伏の霊が末娘に憑いて現れ,こんな粗略な仕方では駄目だと言う。夫婦は今度こそ約束通りの葬儀を行ったが,結局末娘は数日後に憔悴して死んだ。使用人や婿養子も気味悪がって去り,家の中は荒れ果てて夫婦は行方が知れなくなった。なお只野真葛の附言として,家の下婢の実家でこの話を聞き,当時死霊に憑かれた娘の泣き狂う声が近所にまで聞こえたというので書き留めた旨を記す。
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シロイフクヲキタキレイナオンナノヒト,ヨブコエ 1999年 栃木県 お爺ちゃんが死ぬ3日前に、朝5時ごろ白い服を着たきれいな人が来たと、お爺ちゃんが言っていた。また、お葬式の翌日の朝に、お爺ちゃんがお婆ちゃんを呼ぶ声が聞こえたと、お婆ちゃんが言っていた。
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ユウレイ,ハハ 1933年 大阪府 朧月夜の晩の事、ある老婆が、格子越しに豆腐屋の中を窺っている女性に出会った。髪は乱れ、顔の青い30歳前後の女性であったが、ふとした瞬間に姿を消した。きっと、数日前に亡くなった豆腐屋の女房が、幼い我が子を見に現れたのだろうと噂になった。
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ナママブリ 1981年 鹿児島県 夜中に帰宅する叔父と私の2人が、叔父の家の門口で女の人の姿を見た。その女の人をはさむように2人で歩いていったが、途中で見えなくなった。それからしばらく忘れていたが、五日ほどして叔父の妻が死んだ。あの女はマブリだったのだ。
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ムジナ,ユウレイ 1926年 長野県 老母の死んだ後、ある晩嫁が冷たい手で顔を撫でられた。依頼、毎晩来るので幽霊だろうと言われたが、実はムジナの仕業であった。
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キツネ 1998年 奈良県 冬の寒かった時、お祖母さんが身ごもった狐の巣に綿を持っていった。翌春、きれいな娘さんがお祖母さんに家を訪ねてきた。けれども、お祖母さんが玄関に出てみると誰もいなかった。不思議に思っていると、玄関の入り口にお盆に載ったお餅が置いてあることに気づいた。狐がお礼に来たのである。
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レイ 1985年 愛媛県 ある秋の夜国道56号線を走っていると、道端に犬を連れた娘が立っていた。「一緒に乗せてください」と言うので乗せて、「よろしいです」という所で降ろした。後をつけると灯の点った一軒家に玄関を開けずに入って行った。その家では嫁に行った娘が亡くなったという知らせを受けた所であった。
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ユメ 1928年 愛知県 ある女が20歳のときの話(20年前)である。姉の病気が重くなり見舞に行こうと思っていた晩のこと、誰かが戸を叩くので声を掛けると、それは患っているはずの姉であった。中に招き入れたが、姉は黙って土間に立っているだけであった。そのとき、戸を激しく叩く音が聞こえたが、気づくと自分は床に寝ていた。しかし、まだ戸が叩かれているので戸を開けると、飛脚が姉の訃報を知らせにきたのだった。
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クチガミミマデサケタヒト 1977年 神奈川県 ある老人が親類の家に行った帰りに坂を登っていると、きれいな女の人がかぶりをして後ろから登ってきたので、夜も遅いから気をつけなさいといって見送った。その後に男の人が来たので、この先に女の人がいると伝えた。すると、男はその人はこんな顔ではなかったかと振り向いた。その顔は、口が耳まで裂けていた。
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キツネ 1930年 長野県 夜中に人の呼ぶ声がするので表へ出て返事をすると、気持ちが悪くなり家へ入るなり寝てしまった。次の朝、上の家のお祖父がいなくなったというので探すと、下の家のところで寝ていた。狐にだまされたらしい。お祖父の足跡とともに狐の足跡がついていた。
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ユウレイ,オンナ 1982年 新潟県 夜ふけの渡し場で、川向うから女の声で、オウイ、オウイと呼ぶ声がした。船頭がいってみると、人影は見えない。乗るように促すと舟が重くなり、誰かが乗ったようだった。川を渡ってから降りるようにいうと、舟が軽くなったような気がした。船頭が、こんな夜ふけに舟を出させておいて、あいさつもなくというと、首に縄をぶら下げ、目の玉のとび出た、まっさおな顔した女が長い髪を前にたらした姿で現れ、菩提寺へ行くといって草むらへ消えた。
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オンナノユウレイ 1931年 大阪府 明治以前の事、不縁となって実家に戻った娘が、煩悶した挙句入水自殺を遂げた。以来、夜暗くなると、身投げした浜から女の幽霊が出没するという。そればかりでなく、姑を呪う声まで聞こえるそうで、見物客や商店が出るほど盛況になったことがあるという。
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マックロノオオキナニンゲン 1961年 長野県 話者は幼い頃母を亡くし、継母が来る事になって挨拶に行った帰り、真黒な大きな人間に会った。振り返ってみると消えてしまった。実母が心配して出て来たのだろうと人に言われた。話者の姪も話者の家に来て、月の夜水汲みに出て、真黒い大きな人間に会った。出会い頭に消えたという。
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シリョウ 1995年 福島県 家族揃って夕食の最中、小屋の戸が開いた音がしたので見に行ったが開いた形跡はなかった。それから小一時間も過ぎた頃、窪のお爺さんが竹の雪がこいをしていて墜落して死んだ報せが届いた。
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(シシャノレイ) 1981年 栃木県 口寄せのばあさんが来ることがあり、わけのわからないことを拝んで、死んだ人の霊を呼び出していたという。
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