トンチボ,ヤマンカミサン 1995年 新潟県 シュウオトヤ(婆さん)が弘法峠でトンチボに憑かれた。熱い鍋に手を入れるようなしぐさをしたり、窓に立ち小便をしたりする。風呂を嫌い、握り箸で物を食べる。医者に見せるとチュウキと言われた。アリガタヤに拝んでもらい、餅、魚、酒などをヤマノカミサン(トンチボ)に供してよくなった。
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テングノオヤシキ 1972年 岐阜県 ある人が、炭焼きのために山に入った。木の葉で固まっているような球があったので、棒でつついてみた。すると急に辺りが暗くなり、雷雨になってその日は帰れなかった。翌日に家に帰ったが、病気になってしまった。祈祷してもらったところ、天狗のお屋敷をつついたと言われたので、呪文で治してもらったという。
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(ヒメコンジンサマノタタリ) 1984年 山梨県 一戸の家には家を守ってくれるコンジンサマが4人いる。そのうち1人がヒメコンジンであり、そのヒメコンジン様の場所をいじると病人が出る。前の家にいたころ夏に家の回りの草を刈って捨てようとし、便所の近くのグミの木の枝を伐って捨てたら、その日のうちに腰が痛くなってロクサン(六三)にあたっているのではないかと思って近くの占いをやる人に見てもらったら、それはヒメコンジン様が怒っているからヨケン(よけを)してやるといって、口のうちで拝むと腰痛が治った。
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ジガミノタタリ 1984年 新潟県 ある家の主人が風邪を引いたようになって寝込んだが、そのうちに口が利けなくなり、耳も痛くなってきた。入院したが、病名がわからない。「八海山」が神さまにうかがったところ、「地神さんの祟り」ということがわかった。その家の地神は屋敷の藤の木の根元にあり、毎日お椀1ぱいの飯を上げていたが本尊のムジナの眷属が多くなってそれでは足りなくなったという理由であった。早速たくさんの供え物をしてまつったところ、主人は急に回復した。
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ムエンボトケ 1926年 愛知県 32、3年前の旧盆の日に、施餓鬼に立ち会った帰りに坂道を歩いていると、ボンノクボがもそもそとし、体中がだるくなった。修験者に見てもらったところ、無縁仏が憑いていた。
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(ヤマノカミノタタリ) 1942年 高知県 ある青年が山仕事から帰って以来、足が激しく痛むので、太夫にみてもらうと、山の神の木を切った祟りだと言われた。お詫びとして、柏と榊の木をもって行き、枝にお礼をつけ、根元に白餅12個を埋めて、最下部の枝を東に向けて埋めるまじないを実行したら、たちまち治った。
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ハカイシノタタリ 1981年 和歌山県 話者の娘が椎の実を拾いに行き、墓石に腰掛けて、帰ってきて熱を出した。近所のお婆さんが「玄関の敷居に座らせ、お茶とお線香を立ててイタミを逆さにして『飛んでけ』と言って3回仰ぐとよい」と教えてくれ、そうしたら治った。
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コンジンサマ 1930年 静岡県 おとっつぁんが病気になった。たいへんな熱で、熱が出ると尻を出して狂い廻る。法性寺で伺いを立てたところ、先月杙を土にさすとき、コンジン様がそこで遊んでいるのも知らずにさしたため、怒って祟ったという。すぐに杙を抜き、山で祈祷したら、病気は癒った。
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トンボガミ,ガミ,トンビヨガミ,トウビョウ 1950年 香川県 トンボガミを祀る家の近隣に急病人出たとき、祈祷者に見てもらうと「どこそこのトンボガミだ」というので、そこの主人に頼んで連れて帰ってもらう。すると痛みが治ってしまうと信じられている。
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ゴンボダネ 1961年 岐阜県 ゴンボダネの家の近くを通ると急に病気になる。これをアクガミが憑いたと言い、うわ言を言うが、そのうわ言はゴンボダネの家の人がその時に話していることと1語1句違わない。御嶽の行者にお払いしてもらうと治る。
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キツネ,ビョウニン 1926年 長野県 30年ほど前、畑の仕事に行った馬鹿者が家へ帰ると、腹を病み出した。御嶽講の行者にお祈りしてもらったところ、病人の心持はよくなったが、後に死んだ。
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イタコ,ハチマンサマ 2001年 青森県 母親が気分が悪くなり、二、三日経ってもよくならないので、イタコに占ってもらったところ、八幡様のおとがめであると分かった。今度は荒町のカカサマに聞くと、神様の前「すび」に逢ったからだと言われた。占いをしていたら、段々とよくなった。
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(イキアイニナル),(ムジナツキ) 1984年 新潟県 山や野良に出て急に気持ちが悪くなることを「イキアイになった」という。多くはムジナに憑かれたものだといわれるが、この療法は、蓑を上下逆さに着せて鍋のふたで煽ぐというものである。
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タチアイノカゼ 1939年 大分県 タチアイの風はイキアヒの風、通り神とも言い、これにあうと山中だろうと船中だろうと具合が悪くなる。お婆さんたちに般若心経をあげてもらうと治る。
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(イキアイニナル),(ムジナツキ) 1984年 新潟県 山や野良に出て急に気持ちが悪くなることを「イキアイになった」という。多くはムジナに憑かれたものだといわれるが、この療法は、その人をうつ伏せにして、蓑を逆さに掛けて、釜のふたで煽ぐというものである。
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トンチブ,ノッペラボウノカイブツ 1958年 新潟県 真夜中にトンネルの中を歩いていたら、妖怪じみて恐ろしい音がした。トンチブかと思ったが、実は牛車の音だった。トンチブとはムジナのことである。また、海の上で出会ったのっぺら坊の怪物に、節分の豆を投げつけて助かったという話もある。
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(イキアイニナル),(ムジナツキ) 1984年 新潟県 山や野良に出て急に気持ちが悪くなることを「イキアイになった」という。多くはムジナに憑かれたものだといわれるが、この療法は、その人を大戸の敷居に立たせておいて、火を焚いて熱くした鍋のふたで3べん煽り、「ごうっ」と煽ぐ人に息を吹きかけさせる。
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チノカミ 1991年 静岡県 不幸が続いたので御嶽行者にみてもらったら、地の神の向きが悪いといわれ、茶畑から屋敷の北西に移したら不幸はなくなった。
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リュウジンサマ 1995年 愛知県 話者の家人が病になり、治らなかった。八卦の人に見てもらったら、屋敷内の栗の木の洞に龍神様がいたのだが、その木を伐ったときに居場所がなくなってしまったのがうつろいて、救いを求めて取り憑いているといわれたので、乾の方向に祀ったら家人は治った。
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アズマヤサマ 1983年 山梨県 Aさんの屋敷神はアズマヤサマ。家の前の道を広くするために、場所をかえたときに、家業の杣でけがばかりするようになったので元の場所へ戻したところ、けがをしないようになった。
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