ヤマウバ 1984年 岐阜県 男が何一つ要らないという女を嫁にした。ある日様子をみてみると、女は頭の半分を開いて、そこに飯を入れて何食わぬ顔をしていた。正体がばれた事を知った女は山姥に変わり、掴みかかってきた。男は逃げ、山姥と追いかけっこになった。
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ヤマンバ,ヤマンボウ 1941年 鳥取県 ある老婆が山に小屋を立て、蛇や蛙を食べているという。白髪を藁で束ねてぼろの着物を着、春先になると茸や蕨などを持って町にくる。醤油や味噌を買っていくというが、定かではない。子供たちから非常に恐ろしがられており、何かすると「山姥が来るぞ」と言われる。
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ヤマウバ,ヤマンバ,メシヲクワンヤマンバ,メシヲクワンヤマウバ 1984年 岐阜県 男が山奥で出会った美しい女を飯を食わせない約束で妻にする。女はよく働き次々に子どもを産んだ。ある日、障子に穴をあけてみてみると、大食いの山姥であった。正体を知られた山姥は山中へ逃げ込んだが、事故で谷底へ落ちて死んでしまった。男はいい嫁がいなくなったと嘆いた。
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クハズニョウボウ 1931年 岩手県 昔、男が物を食べない女を女房にした。里へ節句礼に行くとき、女は大量の食料と男を担いで山奥へ入っていた。怖くなって逃げ出すと鬼の騒ぐ声が聞えた。菖蒲と蓬の茂みに隠れて助かった。別伝では、女は山姥であったという話になっている。
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クワズニョウボウ 1962年 徳島県 嫁に来た女がご飯を食べないのを不思議に思った夫が夜中に隠れて見ていると、女は頭の中に飯を入れていた。女は見られているのに気付くともえばしを投げつけた。女は男が風呂に入ると風呂を頭に載せて山奥に向かった。途中男は木につかまって逃れたが女は気付かずに仲間の元に行った。獲物を見せようとしたら男がいないのに気付いた。
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カミカクシ 1955年 静岡県 女の人が山へ入った。正気に帰って、村人に道を尋ね、村の山を峯伝いに行った、と言った。
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ツルニョウボウ 1934年 新潟県 昔々、山奥にいた狩人がどこからか訪ねてきた美しい女を嫁にもらった。女は暇さえあればキリキリシャンシャンと機を織っていた。秋の初め頃、布が出来上がり、天女の羽衣と言われ、お城のお姫様が買った。家に帰ると女はいなくなっていていた。狩人は百姓になり、ある日山深くに行くと、松の木の上に羽毛が1本もない鶴がいて、懐かしげに見下ろしていた。
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クワズニョウボウ,クモ 1981年 鳥取県 欲深い男が物を食べない嫁をもらった。しかし屋根裏で見ていると、髪をほどいて頭の中に大量の飯を入れているのを見てしまう。男が嫁に帰るよう言うと、嫁は男をだまして俵のなかに閉じ込め、山のおくの蜘蛛の子供たちに食べさせようとする。しかし男は途中で逃げ出し難をのがれた。
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ダイジャ 1963年 山梨県 けちな親子が息子の嫁に「飯の嫌いな子」をもらいたがる。ある日息子が山で泣いている女に出会う。「誰かに嫁にもらいたい」と女は言い、息子が「飯が好きか」と尋ねると、女は「飯ほど嫌いなものはない」と答えるので嫁にした。息子の留守中に女は大釜で飯を炊いて一気に食い、押入れに入って「人くさい」という。息子はただものではないと思い、「山へかえれ」というと、女は「帰るが飯を籠一杯に持っていく」という。籠を背負って山へ行くが籠がだんだん軽くなるので振り向くと女の着物を引っかけた大蛇がいた。
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メシヲクワンカカ,(クワズニョウボウ),(マシン) 2000年 高知県 欲の深い男が飯を食わない女を嫁にもらう。不思議に思って藁の中に隠れて様子を見ていると、昼に大量の飯を炊いて、頭にある大きな口から飯を食べていた。その晩、男が風呂に入っていると、嫁は風呂桶ごとかついで山奥へ入っていった。男は木をつかんで風呂桶から出たが、魔神はクモに化けて歳の晩にやってくると言っていた。それを聞いていたので、火を焚いて待ち、自在から降りてきたクモを火にくべた。
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ヤマンバノムスメ 1988年 静岡県 嫁がちっともご飯を食べないのを不思議に思った夫が密かに観察すると、嫁はこわ飯をふかしてにぎり飯にし、頭の真ん中にある口から投げ入れるように食べていた。夫が風呂に入ると、嫁は風呂にふたをして頭に載せて山へ向かった。途中でふたが外れ、夫はひいらぎの木にひっかかったすきに逃げた。嫁は山姥の娘だったという。
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ヤマノカミ,ヤマビト 1915年 青森県 農家の娘の気が変になり、山の神へ嫁に行くのだと言うようになった。用心していたが、ある日家人の目を盗んで家を出た。追いかけたが、ついに田代岳に入って見えなくなった。
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ヤマンバサ 1982年 新潟県 上州の藤原入り宝川という谷の奥の岩穴に住みついた女が、山ンバサといわれた。その山ンバサには若いとき夫婦になろうと誓いあった男がいた。あるとき、その男がその山奥へ猟師の仕事にいって、めぐりあい、いろいろと話し、山をおりようと誘った。女は山ンバサになってしまい、そのような気はなく、山の岩穴で藤の皮の草履つくりをするといった。その皮のきれっぱしなどが、里へ流れてくるうちは山ンバサは達者で生きていると思ったという。
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キツネ 1978年 岐阜県 欲深な男が、飯を食わない嫁が欲しいと言ったら、その通りの嫁が来た。嫁の正体は狐で、男の留守に沢山の食物を食べていた。気づかれたと感づいた狐は、男が風呂に入ったとき、風呂桶ごと担いで山へ連れて行った。男は風呂桶から逃げ出して帰ってきた。
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バカシソコネタキツネ 1956年 宮城県 後山に炭焼きの夫婦が住んでいた。夫が晩遅く帰ると、妻が鉤に鍋をかけて炉端にあぐらをかいてうたた寝をしている。「ガガ(妻)はいとこの家に泊ってくるはずだし、行儀が悪いし・・」と疑っていると、「あんた1人で淋しいと思って帰ってきて、小豆飯を炊いていた」と言う。妻はあぐらなどかいたことがなく、小豆飯など神仏にお供えするとき以外炊かないのでいよいよ不審に思い、小豆飯を強く勧められても食べず、今夜は寒いからとますます火を燃やした。そのうちまたうたた寝をしはじめた妻をよく見ると、両腕に毛が生えているので、これは狐だと思い、ますます火を焚くと、尻の方にも口があるようで、その口があくびをした。今だ、とそこめがけて焼火箸を刺そうとしたら正体をあらわして2匹の狐となって逃げた。1匹の狐が肩に脚をかけてもう1匹の狐の股に口がくるようにぶらさがっていたのだ。帰ってきた妻は「小豆御飯ではなくマン糞でも煮てたんだべな、気がついてよかった」と言った。
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キツネ 1956年 宮城県 神次郎部落のある老婆が,親戚のお祭振舞に呼ばれたまま夜更けまで帰宅しなかった。未明,家人が心配して探しに行くと,老婆は裾をはしょって川を渡る格好をし,「深い深い」といいながら山の蕎麦畑の中を歩き回っていた。家人に大声で呼ばれて正気にかえったが,土産の重箱は狐に攫われてしまっていた。
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タヌキ 1992年 奈良県 狸がきれいな着物を着た娘さんに化けて出てきた。男の人がついていったら、寂しい所に連れて行かれた。そして男の人は険しい崖を上って帰ってきたという。
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テングカクシ 1951年 埼玉県 若者がある日突然姿を消し、天狗隠しだと部落総出で捜したが判らず、半月後にぼろぼろの着物で気が抜けたようになって帰ってきた。夜は天狗と山中を歩き、昼は天狗と寝て、食事は天狗が持ってきたという。
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クチサケオンナ 1990年 秋田県 口裂け女。口は耳まで裂けていて、マスクで隠している。髪は長くボサボサで、足が速く鎌を持っている。人に会うとマスクをとって「私きれい」と笑う。鎌で藪を切り分け、山を非常なスピードで駆け巡る。町の山奥に隠れ住んでいる。嫁に行けなくて精神異常になったという。
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キツネ 1980年 秋田県 嫁貰いにいって酒を飲んでの帰り、道を誤ったのでおかしいなと思ったら、狐に化かされていた。引きずり回されないように松の木に自分の体を縛りつけ、足踏みをして寒さを凌いだ。
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