ヤマンバ 1989年 三重県 仕事はするがご飯を食べない「食わず女房」を不審に思った男が覗いてみると、女はご飯をおにぎりにして頭の上から食べていた。女の正体はやまんばで、ショウブ、イタドリ、カヤ、ヨモギのおかげで逃げることができた。
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(アタマニクチガアルジョセイ),ショウブ 1974年 宮城県 ある男が食べるものも食べないで働く人が欲しいと言った。それでは行きますという女がいた。男は毎日弁当を持って山に行くが、おかしいと思ったので隠れて見ていた。女はおにぎりを作り、それを頭の中に詰めていた。男は逃げだし、女はそれを追った。男はショウブが生い茂る沼に逃げ込んで助かった。
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ヤマンバノムスメ 1988年 静岡県 嫁がちっともご飯を食べないのを不思議に思った夫が密かに観察すると、嫁はこわ飯をふかしてにぎり飯にし、頭の真ん中にある口から投げ入れるように食べていた。夫が風呂に入ると、嫁は風呂にふたをして頭に載せて山へ向かった。途中でふたが外れ、夫はひいらぎの木にひっかかったすきに逃げた。嫁は山姥の娘だったという。
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ヘビ,ヨメ 1936年 岐阜県 物を食わない嫁がある男の元にやってきた。外出を装い桶に入り見ていると、隠れて大食いをしていた。嫁は桶の中に男を入れたままさらった。途中で男は逃げ出し菖蒲とヨモギの草むらに隠れ命が助かった。
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クワズニョウボウ,クモ,ヨモギ,ショウブ 2001年 青森県 物のなかった時代に、物を食べない嫁が欲しいと言っていたところ、本当にそのような嫁が来た。しかし、食べずとも働くのでおかしいと思って夜に起きて見ていたところ、大きな釜でご飯を炊いて、クモのように頭にある口からそれを食べていた。見られてしまった嫁が追ってきたのでヨモギと菖蒲が沢山育っている湿地に隠れたところ、嫁はそこに入ってくることが出来なかった。
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ヨメ 1983年 長野県 欲深い男が飯を食べない嫁をもらったが、蔵の米がなくなっていくことを不思議に感じた。男は留守中に飯を頭上の孔に入れる嫁を見つけた。捕まったが何とか逃げて、菖蒲とよもぎの間に隠れた。嫁の姿をしていた山姥は男を発見できなかった。
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クワズニョウボウ 1962年 徳島県 嫁に来た女がご飯を食べないのを不思議に思った夫が夜中に隠れて見ていると、女は頭の中に飯を入れていた。女は見られているのに気付くともえばしを投げつけた。女は男が風呂に入ると風呂を頭に載せて山奥に向かった。途中男は木につかまって逃れたが女は気付かずに仲間の元に行った。獲物を見せようとしたら男がいないのに気付いた。
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ニョウボウ 1936年 岐阜県 物を食わない女房がある男の元にやってきた。時々見ないで欲しいと言いながら隠れて大食いをしていた。恐ろしくなったので暇を出すと桶が欲しいといった。与えると中に男を入れてさらった。途中で男は逃げ出し菖蒲とヨモギの草むらに隠れ命が助かった。
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オニ 1934年 熊本県 昔、貧乏な年寄りがいた。見知らん婆さんがきて1杯しか飯を食わないので嫁にしてくれと言った。その婆さんは1表の握り飯を食べていた。口は耳まで裂け、頭には角の生えた鬼だった。爺さんは天から降りてきた縄をつかんで助かり、鬼が掴んだときには縄が切れ、玉蜀黍の畑の上に落ちた。その血がかかったために、玉蜀黍の根は赤い。
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ヤマンバ 1965年 岩手県 けちな男が飯を食わない女を女房にしたくて、口のない女房をもらった。飯が減るので不思議に思って隠れて見ていると、女房は髪を掻き分けて頭の口に飯を入れていた。頭に口のある山婆だった。山婆は男を追いかけてきたが、男が蓬と菖蒲に隠れたので、見つけられなかった。以来、五月には菖蒲と蓬で屋根を葺く。
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クワズニョウボウ 1976年 長崎県 昔強欲な男が飯を食わない女房を貰った。ある時隠れて嫁を見ていると大量の米などを食べていた。男は見つかり樽に入れられ山に連れて行かれそうになった。途中で葉につかまりその葉に隠れていたので助かった。
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ヤマウバ 1984年 岐阜県 雪の夕暮れ、50歳くらいの大食いで力持ちの女がやってきて滞在する。女は仕事を手伝ったがいくら苧績をしてもまったく苧環が大きくならない上に大食いなので家人はこれを疎んで茶碗の中が空洞になるように飯をよそってやっていた。春が来て女は「ひんぬりごきにごちそうさま」と飯の盛り付け方に皮肉をいって笹の葉にくるんだ薬を置いて出て行った。女の残した小さい苧環は紡いでみるといくら繰っても繰り切れなかった。繰っているうちに放置していた赤ん坊が泣き死んでしまったが、この薬を与えると生き返ったという。女は猪ノ洞谷の一の滝近くの岩穴に住む山姥だろうと言われた。
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ヒダリメッコ 1956年 宮城県 箆岳山みたいなところに老夫婦が住んでいた。あるとき爺が今日は遅くなると行って町に出かけた。晩方になって意外と早く爺が帰ってきたので、爺の顔を見ると左目っこの爺が右目っこになっていた。「狸が化けたか」と気をつけて、爺の好物の南ばん大根を作ったが、爺はその焼き大根を食べようとしないので怪しむと、狸は思い切って食べてむせた。婆はおかしさをこらえ、大きな叺を持ってきて、早くこの中に入れと狸に言う。さらに「おじんつぁんは隙間があると寝付かれないから、いつもぐるぐる縄を巻かせるが」とうそをつき、狸をぐるぐる巻きにする。狸を言いくるめて寝たふりをさせ、そのうち八つ下りになって本当の左目っこの爺が帰ってきたので、婆は今日のことを語った。爺はびっくりしたが、やがて「ばんさまのおかげで狸汁食うにええ」と喜んだという。
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ヤマンバ,オツナノクビ 1941年 秋田県 オツナという女が山姥に喰われ、首だけが残った。夫が帰ると、オツナの首は生きていて、逃げる夫を追ってきた。夫が菖蒲や蓬の生えている薮の中に隠れると、オツナの首は気付かずに行ってしまった。
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オトラギツネ 1916年 愛知県 ある老人がおとら狐に取憑かれ、歯がないのに生魚を頭からバリバリと音を立てて食べた。
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オニ 1963年 徳島県 昔ある所に仲の良い夫婦がいたが、女房が魚と大量の飯を食うので怪しんだ夫が、隣に住む神主に偵察させると、女房の正体は頭の割れる鬼であった。正体を知られた鬼は男達を食い殺そうと追いかけたが、生えていた蓬と菖蒲で殴られると倒れてしまった。
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キツネ 1930年 兵庫県 段下のある家でおばあさんが握り飯を作っていると外の格子から手を出して一つくれという者がいた。おばあさんは声で狐の化けたものだと思い、熱い握り飯を手のひらに乗せてやったところ、こんこん鳴きながら逃げていったという。
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タベモノヲタベナイオンナ,クワズニョウボウ 2000年 島根県 欲深な男が食べ物を食べない女を嫁にもらったが、不思議に思った男が仕事に出るふりをして様子を伺うと、ご飯をたくさん炊いて、頭からおにぎりを食べていた。それを見た男は逃げた。
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ヤマンバ 1936年 青森県 宝之助という男が塩鮭と鱈を牛で運んでいると山姥に出会って、荷物も牛も食べられてしまう。山姥から逃げた男は逃げ込んだ家にいた25、6歳の女の言うとおりしだみを噛んでいた。その音を聞いた山姥はこがにはいって蓋をしてもらって寝た。蓋に重石をして熱湯を注ぎ込んで山姥を殺し、宝之助と女は夫婦になって幸せに暮らしたという。
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ネズミ 1939年 長崎県 よいお爺さんが弁当の団子を鼠の穴に落としたら、鼠はお礼に宝物を持たせてくれた。話を聞いた悪いお爺さんが同じようにしたが、猫の鳴きまねをしたために周囲が真っ暗になった。地をもぐって悪いお爺さんの出たところは自分の家の囲炉裏で、驚いた婆さんに火箸で刺されて死んだ。
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