バケモノシミズ,サンボンツメノカイブツ,オオオニ 1938年 福島県 五十人小屋場という山中の平地に小屋を掛け、猟をしていると、夜中に3本爪の怪物に小屋を引掻かれた。猟師の大将が水行をして山の神に念ずると治まった。その日、清水にゆくと、5升鍋ほどの頭をした大鬼が出たので、大将は自分の力不足を感じ、狩人の大将を辞して山を下りるというと、皆も大将とともに山を下りることに決めた。帰る途中で親子連れが山に行くのにあったので制止したが、親子連れは取り合わず山に入り、行方知れずになった。
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ムジナ 1933年 長野県 山の中の木小屋で寝泊りして、毎日木を伐って働いていた。ある夜明け方、大きな声が聞こえてきたが戸を開けても誰もいなかった。狢の仕業だった。
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マックロイオオキナモノ 1977年 和歌山県 ある朝、ある人が父親と小屋にいると、何かが大声で笑ったので出て行ってみると、山から真っ黒い大きなものが笑いながら下りてきた。小屋の戸を閉めていると、戸を叩く音がしてキャッと声がした。夜明けに見てみると、鹿の生首が切って放ってあったという。
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ヤマノカミ 1967年 栃木県 朝、2人で山に入って仕事をしながら、山の神は本当にいるかいないかと言い争いをしていたら、帰り道に、背負っている籠を後ろから山の神様に揺さぶられた。
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タヌキ 1992年 奈良県 畑を荒らす猪を見張るために、小屋を作って毎晩泊まっていた。そうしたら、狸が名前を呼び戸を叩いて訪ねてきた。毎晩続くので、狸が騙そうとしていると考え、ある晩狸の手を鉈で切った。翌朝、落ちた血を伝っていったら、狸が死んでいた。それからその家は貧乏になり、狸の祟りだと言われた。
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カミカクシ,テングサマ 1938年 福島県 親類が神隠しにあった。夜には村の山にいたが、夜明けごろになると子馬のようなものが現れて一緒にこいというので、これについていくと、隣村の山に入った。天狗様が現れて、ここにいては悪いから村へ帰れと掴まれて投げられた。
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テング 1956年 木樵の妻が赤ん坊と2人、夜の山小屋で夫の帰りを待っていた。突然、眠っていた赤ん坊が目をあけ「パアー、パアー」と異様な声をあげた。天井を見上げると、山小屋の屋根裏を貫いて天狗が手を伸ばしていた。
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ヤマイヌ 1943年 長野県 山犬を拾って育てていたが、猟に出た夜にその山犬食われそうになり射殺して難を逃れた。その後3年、村では悪い病と凶事が続いたので、犬の祟りということになり、祖先が頭蓋を拾ってきて犬山之神として祀る事にした。
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キツネ 1960年 三重県 ある夜、便所に行ったら狐がいたので、頭を棒で叩いた。翌朝、すでに稲刈りをして積んでおいた稲の所に行ってみると、一夜のうちに狐の糞が1個ずつ盛られていた。
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タヌキ 1935年 愛知県 狸を捕りに行ったら日が暮れたので山小屋に泊まった。すると太鼓の音と豆売の唄の節が聞こえてきた。そのまま寝てしまい、翌朝小屋から出ると、一面に狸の足跡があった。太鼓の音は狸の仕業と知って大笑いした。
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バケモノシミズ,サンボンツメノカイブツ 1938年 福島県 山中に十人小屋場という平地がある。そこに小屋を掛け、男がひとりで残っていると、夜中に入口をバリバリと引掻く音がした。夜が明けて見ると、3本爪で引掻いた跡があった。昼飯を食いに行ったとき、5升鍋ほどの頭をした化物が清水に向って座っていた。そんなことがあるものかと見に行った者のうち、1人が行方知れずになった。
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ヤマノイヌ 1935年 愛知県 山に山犬がたくさん住んでいた。ある年、山の犬が岩の間に仔を産んだのをある人が見て帰った。その人の妻が隣近所と相談して、産見舞として重箱に入れた赤飯を岩の間に置いておいた。それから参拝に行き、帰りに重箱を受け取りに行くと、重箱の中は空で元のように風呂敷に包まれていた。
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バカムスコトカゲボウシ 1956年 宮城県 老夫婦に息子が3人いて、兄はたいへん利口、中の兄は中くらい、末っ子は馬鹿だった。上の2人はよく稼ぐから婆もひいきで、羊を2匹買って1匹ずつ任せた。あるお天気の日に兄たちは羊に草を食わせに行き、末子は婆の作った団子を届けにいった。途中、末子の脇の方を痩せた病人のような奴がゆーらり、ゆーらり歩いているので、末子はわかいそうに思い、団子を食わせようとした。しかしさっぱり食おうとしないので、竹で土の中へ埋めて歩き出した。ところが今後は痩せた奴が後から歩いてくるので又団子を土に埋めた。どこまで歩いてもその痩せた奴がついてきて、その度に団子を食わせたので、兄たちのいる山に来た時は団子がなくなってしまった。その話を聞いて兄たちが言うには、「そいつは影法師といって、お天気のいいときにゃ、いっつも出るのさ」といって、家に帰ってお昼を食べたという。
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キツネ 1985年 新潟県 夜中に酒を飲んで帰る途中、きれいな舗装された道があったので歩いていき、気づいたら山の中で寝ていた。狐の仕業。
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ケンムン 1974年 鹿児島県 道を歩いていると大きな火を灯して邪魔してきたので石を投げつけると火が十にも二十にもなって追いかけてきた。家に入り魔よけの木の葉を吊るしておいたので一晩中家の周りを取り巻いた。豚を殺しその足を軒に吊るすと命を取られず助かった。
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カイイ,アクリョウ 1962年 高知県 犬と共に山奥に行くと、犬がひどく吠えた。そこは悪霊の通る道で、四隅に木を立てて中に入ると取り憑かれることはなかった。
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タヌキ 1979年 三重県 山奥に泊まりこんで山仕事をしていたら、妻が来て「子どもが病気だ」という。急いで帰ったが、家では何もおきていなかった。狸の仕業。
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キツネ 1930年 長野県 夜中に人の呼ぶ声がするので表へ出て返事をすると、気持ちが悪くなり家へ入るなり寝てしまった。次の朝、上の家のお祖父がいなくなったというので探すと、下の家のところで寝ていた。狐にだまされたらしい。お祖父の足跡とともに狐の足跡がついていた。
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キツネ 1972年 千葉県 山の中の畑から帰るとき、狐に化かされて肥え桶を風呂と思わされて浸かっていた。翌朝、狐の仕業と気付いた。
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キツネ 1985年 山梨県 深田の清泉寺のあたりに悪いキツネがおり、とおるひとは必ず騙された。ある気の強いおじさんが絶対にキツネに騙されないといって、腰に鎌をつけて真っ暗な中をいった。そうしたら、赤ちゃんをおぶった女の人が来たので、鎌で赤ちゃんの首を落とした。しかし、お母さんが泣いて訴え、仕方がないのでお寺へ行って髪の毛を切って謝ることにした。村の人がいっぱい集まったがそのときにはもう化かされていて、髪の毛を切った途端に誰もいなくなって、自分の横には首ではなく大根がきれて転がっていた。
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