アブラボン 1934年 京都府 夏の夜に飛ぶ燐火(おにび)を「油坊」と呼ぶ。
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ウバビ 1934年 大阪府 平岡社の神燈の油を盗んでいた姥が、死後燐火となって飛び回る。
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ババヒ,コウセイ 1975年 大阪府 河内国平岡で、雨夜に一尺ほどの火の玉が飛ぶ。平岡社の神灯の油を盗んでいた老婆が死後、燐火になったと伝えられている。ある人の前に飛んできて落ちたことがあった。鶏のような鳥であったが離れてみると丸い火であった。
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タマシイ 1964年 滋賀県 魂は死ぬ2、3日前や、死後にも飛ぶ。
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コンパク,ホノオ 1934年 滋賀県 『諸国里人談』に、志賀の油売が、辻の地蔵の油を盗み、死後その魂魄が炎となって大津八町を飛行するとある。
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アブラボウ 1939年 滋賀県 油坊は、春の末から夏にかけて、夜に出現する怪火である。炎の中に僧形がよく見られるので、この名が付けられた。比叡山の僧侶で灯油料を盗んだものが、この火になったといわれている。
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ヒ,コンパク 1975年 滋賀県 近江国大津の八町で、雨中に必ず現れ飛行する玉のような火がある。その地の人は、大津辻の地蔵の油を毎夜盗んでいた油売が死後、炎になって迷っているという。
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ヒカリモノ,オウビ,アオカササギ,(アオサギ) 1976年 京都府 京の宇多野では、夏になると闇夜に光物がいくつも飛ぶ。また比叡山の麓を大徳寺の方丈より見れば逢火と言う。色々と無理に関係づけることがあるけれど、ともに青鵲である。この羽毛は夜は光るものである。この鳥の飛び通う光である。
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シクビ,タヌキ 1922年 徳島県 畑にあった柳の古木は、4の日と9の日の雨夜に火がでた。火は赤くなくて燐火のようであった。狸の火であったという。
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ミョウギホウシ,マドウ 1977年 滋賀県 比叡山の妙義法師は、自ら誓って魔道にはいり、魔類に悪念を得ないようにさせて、菩提に導こうとした。ゆえに比叡山は天狗を尊び、霊験もあらたかだという。
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キツネ 1937年 福井県 夜になったので家に泊めてもらった家には白いものを着た死人がいた。油を切らすと火が消えるというので、持っていた油を次々と足していった。後ろからたたかれて気がつくと、芋畑に座って里芋の葉に油を注いでいた。白狐に騙されて油を舐められてしまったのである。
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ヌエ 1975年 梟のような夜に鳴く類の鳥なのであるだろう。
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アブラボウ 1965年 滋賀県 昔湖東の金剛寺に、毎朝本堂の観音様に燈明の油を差しにいく坊さんがいた。ある日坊さんは禁じられた遊びがしたくなり、燈明の油を盗みお金を作った。ところが遊びに出かけようとした時、ふとした病気が元で重体となり死んでしまった。その翌日から山門に坊さんの幽霊が出るという噂が広まった。その幽霊は手に油を持って、本堂に登って行くが、かすかな声で「油返そう、油返そう。わずかなことに、わずかなことに」とつぶやいているという。今でもこの油坊はでるという。
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イブキドウジ,シュテンドウジ 2001年 滋賀県他 酒呑童子が大江山に住み着いた事情を明かしている。童子は伊吹山の麓、比叡山の北谷、西坂、丹波の大江山へと移っていく。比叡山からは伝教大師に追い出される。
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レイコン 1933年 神奈川県 死後四十九間は必ず毎日温かいご飯を仏前に備えるものであるという。これはそのあいだは霊魂がその家の屋根棟に留まっているからである。
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(ゾクシン),ゴジュウノモチ 1933年 熊本県 葬家の仏前に上げられた五十の餅を家人に知られぬように盗み取って食べれば百日咳が治癒すると信じられる。
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アブラカヘシ 1940年 大阪府 摂津の昆陽池北堤のあたりには、初夏の闇夜や寒い冬の夜にアブラカエシという火が灯る。この火は、昔中山寺の油を盗んだ者の魂だと言われている。また、狐の嫁入りだとも、「千どー」の墓にいる狼が灯して行くとも言われている。
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キツネ 1984年 山梨県 狐が油を舐めたくて油売りを化かし、油売りは「あぶらあ、あぶらあ」といいながら、油を売っているつもりでそこら中にこぼして廻った。
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ダイジャ 1973年 大阪府 池の中に鉄類を投げ入れられていた。水神である大蛇が女に化けて、通行人に鉄類を取り上げることを頼んだという話がある。
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ノビ 1965年 のびとは燐火と同義で、北海のたこ火、湖水のしる火、悪路神の火などもこれと同じである。
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ダイジャ,リュウ 1982年 群馬県 赤城山へ16歳の娘は登ってはいけない。赤堀道元という大尽の娘は、赤城様に申し子して授かった子どもで、16歳で赤城山へ行き、沼に入って大蛇になった。道元は沼を掘り割った。その跡が今も水門になっている。道元は娘の衣裳をあちこちの寺に納めた。湧丸の医光寺では4月8日に帯などを開帳する。申し子はするものではない。
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