キツネ 1990年 長野県 野菜を作る畑にシシが出るので、それを追うために小屋を建てて毎晩泊まっていた。あるじい様が小屋で寝ていると、「寝たか」と言ってばあ様が鼻の辺りに手をかざした。不審に思ったじい様が朝にきたばあ様に尋ねても知らないと言うので、きつねが化けて出たのだと短刀を持って寝ていた。するとまたばあ様が来て手をかざしたので、小柄で突いた。すると悲鳴を上げてきつねの姿で飛び出したので、朝に血の跡をつけていくときつねが死んでいた。
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キツネ 1995年 山形県 道の下の沢のおまんきつね、小学校の下のおしんきつね、西側のおよねきつね、という3匹のきつねがいた。おかんばあさんという人は気丈で「狐になんか化かされない」と言っていた。鮎貝に行くとき、道にあったゴミ袋を「騙されないぞ」と蹴っ飛ばしたら、袋が逃げ出した。橋の下の鴨の群れにも「騙されないぞ」と石を投げたら、鴨は一度に消えてしまった。買物して帰り道、橋の所でばあさんの家の人が提灯を持って迎えにきた。ところがこれがきつねで、ばあさんはとうとう騙されて、尻尾で顔を叩かれて、びっくりして気絶してしまった。
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ヤマウバ,テング,キツネ 1978年 石川県 昔、山うば・天狗・きつねが山で人を化かして、探しに行くと、化かされた人が気が触れたようになっているのを見たことがある。
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キツネ 1990年 長野県 きつねがこっぱらにいて、よく人を化かしたという。ある日、隣の娘が化かされて帰ってこなかった。家人が行ってみると、まんじゅうだと言って馬糞を食べていたという。
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キツネ 1990年 長野県 蚕の網を丈夫にするために、小がきをつぶしてシブを作っていた。小がきはきつねが好んでいた。夜、家で使った余りのシブを人に届けようとしたら、とんでもないところに持っていってしまった。道だと思って歩いていると、はばから転げ落ちてしまった。きつねが出て化かされてしまったのだという。
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タヌキ 1990年 長野県 山のがらがらの岩つとにはたぬきがおり、人を化かした。木を伐る音が上手で、最後にはメキメキと木を転がす音をたてる。柴刈りをしていた話者も化かされ、「これはたぬきだ」と思ったところ急に寒くなったので刈った分だけ束ねて山を下りた。下の方で人に木の転がる音を聞いたかと問うたが誰も知らなかった。
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キツネ 1990年 長野県 ある人がきつねに出会って、「騙す気か」と問うと、きつねは「騙す気はないけれど騙すところを見せてやるので見ていろ」と言った。その人はお寺の石灯籠を一生懸命手でこすって待っていた。そのうち手の皮がむけたが、化かされているので判らなかった。人に背中を叩かれて正気に返った。きつねは騙しておいてそのまま逃げたのである。
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キツネ 1990年 長野県 山中歩いて一晩中歩き回って家へ帰ってこなかったとか、養蚕が盛んだった頃桑を背負ってきて途中で遅くなると、ニヤニヤ笑っている人が待っていたりした。きつねが出て化けていたのだという。
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ヤコ 1975年 群馬県 昔上毛にあったとき、友人と山へキノコ狩りに行くと、狐が一条の枯れ芦をまさぐって柿の葉をこの芦に貫いているのをみた。またその芦を輪っかにして、うなじにかつぐようにすると忽ち見えなくなった。そして友人は帰り際に美人を見たが、それを先の狐と見抜き、礫を投げて化けの皮をはいだ。その美女は驚いて元の狐の姿に戻り、近くの山へと逃げ帰っていった。
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カザコシトウゲ 1956年 宮城県 北村の大沢の八郎右衛門という男が月夜に石巻からの帰還、峠で狼の狗吠(くぼえ)を聴き、声のする方へ近づくと、狼が馬の骨を咽喉に立てていた。これから馬を襲うような悪さをするなと言い聞かせて骨をとってやったら、喜んで藪の中に消えた。その後、八郎右衛門が夜になって帰るときは送ってくれたという。
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キツネ 1996年 香川県 当吉さんは山へ行って、きつねに化かされて、いつまでたっても家へ戻って来られなかったことがあった。村の人が行くと、そこに当吉さんがいることがあった。
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キツネ 1972年 長崎県 宮浦の峠に、狐がたくさん出た。ある日、老人が赤牛を連れて峠に行くと、ツワの葉を体にたくさん付けた狐がいた。老人は狐が化かしていると思ったが、そのときにはもう化かされており、どこか違う家の書斎に居る気になっていた。そこへ人が通りかかり何をしているのかと問いかけると、老人は牛のしっぽに掴まって「狐だ」と言っていたという。
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キツネ 1990年 長野県 仕事で山へ行った帰りに暗くなってしまい、いくら歩いても山から出られず同じ道を歩いていたことがあった。きつねに化かされたのだろうという。
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ムジナ 1973年 山梨県 喜兵衛が農作物を作っていると青木が原に住む古狢がやってきて食い荒らす。喜兵衛が鉄砲で撃つと狢は3本足となった。それでも度々悪戯をするので「かけ鉄砲」をするが、化かされて喜兵衛自身の足に弾が当る。すると山の上から「喜兵衛気味いいなぁ」と狢が叫ぶ。狢は化ける時にはゴザを着て笠をかぶって化けると言う。その狢は今でも青木が原にいる。
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キツネ 1997年 岐阜県 昔、二渡のある人が山へ薪を拾いに行ったきり帰ってこなかった。家族や親戚が捜索すると、山の奥で独り歩き回っていた。どうやらきつねに化かされたらしく、本人は疲れきっていた。
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キツネ 1977年 青森県 1935年頃のこと。牛の喧嘩(闘牛)の帰り、小雨降る午後七時ごろだったが、沢のところで狐を見て、雑草を刈ったつもりが、大事な栗の木を伐っていた。狐に化かされたらしい。
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キツネ 1990年 長野県 きつねの親分に赤木山の新左ェ門と桔梗ヶ原の玄蕃之丞というのがいた。赤木山にはきつね林というみはり所の跡があり、新左ェ門が見張り所として作ったという。きつねが化けて嫁入り行列をやったとか、きつねに化かされて真っ裸で野バラの藪の中を飛び歩いてと言う話もある。
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テング 1995年 群馬県 猟師が天狗岩で天狗に化かされ、格闘しているように思いこまされて朝まで木の根っこに抱きつかされた。天狗岩は、はしの沢にある。
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キツネ 1990年 長野県 朝、ある人が野良仕事に行くと、男が裸で四つんばいになっていた。声をかけても覚めないので、背中を叩いて正気に返した。「何をしていたのか」と問うと、「夜這いに行った」と答えた。きつねに化かされたのである。
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キツネ 1988年 茨城県 若い人が、馬で朝草刈りに行った。そうしたらネーソーカブリをしたいい姉さんが草を刈っていた。そこに行こうと思ったが、行き着けなかった。狐に化かされたと思って、足元の草を刈って帰った。
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