カッパ 1987年 長野県 昔,十人村の男が甲田池の傍に馬を繋いでおいたところ,かっぱが馬を池に引きずり込もうとした。馬は暴れながら馬屋に帰ってきたが,かっぱは引っ張られてくる途中で頭の水をこぼしてしまって力が抜け,馬屋の隅にじっとしていた。男が来るとかっぱは謝り,「何かおふるまいのある時は必要な膳椀をそろえるから許してください。」と詫びた。許してやると,それから振舞いのあるたびにかっぱが前夜膳椀をそろえ,使った後は持って帰った。ところが,近所の男が一膳分だけ隠しておいたので,それ以来かっぱは膳椀を貸してくれなくなった。
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カッパ 1990年 長野県 川で馬を洗っていると、急に馬が飛び出して家へ帰った。見ると、尻尾にかっぱがつかまっていたので石臼につないでおいた。するとかっぱが命乞いをして、「助けてくれたら、膳椀を用立てる。大橋の上から要るだけの数を紙に書いて投げ込んでくれ」と言った。そこで放してやり、何度かその様にして用立ててもらったが、借りた椀を壊してそのまま返してからは貸してくれなくなった。
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カッパ 1990年 長野県 代かきが終わったので川で馬を洗っていると、急に馬が飛び出して家へ帰った。見ると、尻尾にかっぱがつかまっていたので石臼につないでおいた。するとかっぱが命乞いをして、「助けてくれたら、膳椀を用立てる。大橋の上から要るだけの数を紙に書いて投げ込んでくれ」と言った。あまりに必死に頼むので、放してやった。
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カッパ 1987年 長野県 ある人が千古の淵の近くの木に馬を繋いでいた。すると,千古の淵のかっぱが出てきて馬のしりを抜こうとした。馬が暴れたのでかっぱは頭の皿の水をこぼしてしまい,馬に引きずられて家まで行った。家の者が見ると馬の尻尾に妙なものが掴まっているので,柄杓で叩こうとしたところ,柄杓に入っていた水がかっぱの皿に入ってしまった。かっぱは息を吹き返し,たちまち逃げ去っていった。
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カッパ 1992年 宮崎県 大きな淵にかっぱの一族が住んでいた。魚とりのために馬の尻尾の毛を3本やったら、かっぱが恩返しをした。
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カッパ 1989年 長野県 川に馬が引き込まれようとしていたので尾を見るとかっぱが尻にぶら下がっていた。殺そうとすると命乞いをするので助けた。すると、欲しいときにはいつでもびく一杯の魚をくれるようになったが、その魚を売ると、それ以後貰えなくなったという。
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カッパ 1989年 長野県 せば淵にかっぱ一族が越してきた。同族に挨拶をするために宴会を開くことになり、そのごちそうにするために川で洗われる馬のシリノコをねらった。しかし、馬に跳ねとばされたり尻尾で叩かれたりして失敗した。
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カッパ 1980年 埼玉県 武蔵国河ごえのそばに、たてという所がある。子供が馬を洗おうと川に入ったら、急に馬が暴れて子供は川に投げ出された。人々が川を見ると、その子供のそばにかっぱがいたので捕らえて殺そうとした。しかし近くの寺の和尚が哀れに思い、里人に命乞いをして助けた。かっぱは二度と人馬を捕らえないと約束し川に帰った。その晩に和尚の枕の側に、お礼の鮒が2匹置いてあった。
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カッパ,サル 1927年 長野県 馬を厩に入れると尻尾に河童がつかまっていた。打ち殺そうとすると詫びたので逃がした。河童は恩返しに膳椀を貸してくれたが、そのひとつを横領したものがあり、貸さなくなった。
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ガワタロウ,カッパ 1942年 岐阜県 正左衛門という者が、河原に馬を出しておいたところ、その馬がかりやど淵に引き込まれかけているのを発見し、馬を助けた。手綱の先に、子どもぐらいの大きさの体がぬるぬるした、ぞっとするようなものがついてきた。それは、がわたろうで、正左衛門に取り押さえられた。やっとのことで淵に帰ることを許された河童は、正左衛門が必要なときに膳椀を貸す約束をした。その後、何回か借りたが、ある時あやまって器を壊してからは借りることはできなくなった。
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カッパ 1990年 長野県 かっぱは川へつっころばしてシンノコを抜くが、陸ヘ上がると力がなくなるという。ある人が馬の尻尾につかまったかっぱを捕まえて家へ帰ってきた。するとかっぱが秘伝を教えるから許してくれというので許してやった。そして、魚を捕る秘伝と魚を腐らせない秘伝を教えてもらったという。
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カッパ 1968年 群馬県 昔、矢陸の人が川に馬を入れて洗っていたところ、河童が馬を引き込もうとして尾につかまったので、馬が驚いて河童を引きずって村に帰って来た。村人は河童を殺そうとしたが、河童が「人寄せの時に膳椀を用意してやるから」と命乞いするので、逃がしてやった。その後、人寄せの前の晩には、膳棚岩の上に膳椀が用意してあったという。
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カッパ 1955年 山形県 朝、川の中で馬を洗っていたら尻に河童がついていた。殺そうとしたら謝るので、あやまり証文を書かせて許した。それ以後河童は出なくなった。
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カオロ 1933年 岐阜県 カオロが馬を川に引き込もうとしたが、逆に馬は厩までカオロを引いて帰った。見つけた主人がカオロを殺そうとしたが、助けてくれればお礼に魚を進上すると言い、許してもらった。その後、主人は入用なだけ魚を門前に置いてもらったが、ある時俎の上に刃物を置いていたところ、以後絶えてしまった。
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カッパ 1992年 宮崎県 鴫野の水神様の庭でかっぱがしきりに評議していた。馬が水神さまの下の川からかっぱの手を咥えて帰ってきた。相談の末、ウトノヤマに埋葬した。その晩からかっぱが返してくれと繰り返し頼んできたので、埋めた場所を教えてやった。かっぱはその後二度と現れなかった。
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カッパ 1992年 宮崎県 鴫野の水神様の庭でかっぱがしきりに評議していた。馬が水神さまの下の川からかっぱの手を咥えて帰ってきた。相談の末、ウトノヤマに埋葬した。その晩からかっぱが返してくれと繰り返し頼んできたので、埋めた場所を教えてやった。かっぱはその後二度と現れなかった。
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カッパガミ 1956年 宮城県 農夫が馬の尻にくっついた河童を捕らえるが、向後人や馬に仇をするでないぞと放してやる。その後、農夫の家で振舞に膳椀が足りないと、不足の分だけ前夜軒先に置いてある。振舞が終ったのち元の所に置くと夜中に運び去る。あるとき椀の蓋をなくしてそのまま軒下に置いたら、以後持ってこなくなった。河童が助けられたお礼によその家から持ってきていたので、一つでもなくしては先方に申し訳ないと思ったのだろう。河童はいたずら者ながらも恩も耻も知っているといって、祠を立てて祀ったという。
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カッパ,カイブツ,クスリ 1953年 群馬県 ある主人が渓流に馬を引いて洗いに行って帰ってくると、尻尾に変な動物がぶら下がり飼葉桶に隠れた。河童だったため殺そうとすると謝るので許してやると、膏薬について教えてくれたためその家は栄えた。
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カッパ 1968年 岩手県 中屋敷の先祖が淵に馬を繋いで置くと河童が馬を川へ引き込もうとした。馬は驚いて河童を引きずったまま厩へ帰り、河童は餌桶に隠れたが見つかった。河童は命乞いをし、証文を書いて許された。主人は哀れに思い好物の瓜を川端に植えた。
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ガラッパ 1950年 熊本県 夕方、馬を川に連れて行ったらガラッパがついた。そこでガラッパを捕まえ、陸上に投げ上げて懲らしめた。これ以上悪いことはするなと言い聞かせて許してやったら、その後、その川での水難がなくなったという。
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