ハマグリ 1983年 秋田県 菅江真澄が米内沢の長野付近で蜃気楼(山内)を見ている。鳥羽僧正の絵のように墨で書いた騎馬武者の出陣らしく見えたと書いている。また八郎潟でも見ている。昔の人は蜃気楼を蛤の妖気から現れるものだと信じていた。
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キツネ,ムジナ 1995年 群馬県 十石峠に行く途中の場所で炭焼きの人が山一面の火を見たが、振り向いたら消えた。狐か狢に化かされていた。
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キツネ 1973年 三重県 狐が川向こうの山道で火を灯すという。山に行ってはぐれてしまった老婆が見た。そのとき、回りは崖ばかりだったのだが下を見ると池があり、それを目当てに下りてきた。木に登ると在所が見えたので帰ることができた。道で会った人に訪ねると、小岐須だった。その時、老婆は白いシャツを着ていたのに「赤いシャツだ」と言われたという。これは狐に化かされたのではないかという。
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キツネビ 1977年 青森県 1950年頃のこと。岩手に炭焼きに行ったとき、狐火を見た。夜になると雪の上や原野が燃えたかのように光った。
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アオイヒ,ボウレイ 1929年 鹿児島県 ある夏の真夜中、港に泊まっていた漁船の所に、丘の方から青い火がちらちら輝いて舟に近づいて来た。船頭が目を凝らして見ると白骨の岩窟から亡霊が四五人歩いて来るので恐ろしくなって船室に逃げ込んだ。その姿は舟上で消えてしまった。もしかすると内地から来た人の亡魂が故郷恋しさに船で帰るのではないか。
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カッパ 1976年 大分県 ある人が、船の下で火を焚いていたところ、河童を見た。河童は船を揺らした。火に映って真っ赤だったという。
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ヤマンバ 1936年 鳥取県 馬子が馬に鯖を積んで運んでいると、山姥が出てくる。鬼婆が風呂の中で寝たところを、蓋をして火をつけた。そのときの火打石の音を聞いて、山姥が「ばうばう風が吹くそうな、大分暖かいな」といったという。
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キツネビ 1955年 岡山県 ある秋の晩、魚をザックに入れたおばさん二人が帰る途中で狐の火を見た。狐の火は青みを帯びて後光が差さない。いくつにも別れたと思うとまた集まる。一人は油揚げを右手に持ち、取られてたまるかと警戒して歩き、部落に着くと火は消えた。
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キツネビ 1984年 山梨県 洞山や米倉山に狐火が出た。狐が骨をくわえて歩く、そのリンが燃える。あるとき、山道で青火が燃えているのを見たが、近寄ったら骨だった。
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フナユウレイ 1983年 愛媛県 宮野の芳坊という青年が釣りに行った夜、数千という火の列が現れた。怪火は一団の大火となって千石船のヘサキにとまり、その船が漁船に接近した瞬間、大船は消えて大怪火も数千の怪火となって退いた。
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フネユウレイ,カイカ 1985年 愛媛県 芳坊という青年が太刀魚釣りに行った夜、数千もの火が横列をなして近づいてきた。怪火は合して一団の大火となり千石船のヘサキにとまった。その舟が漁舟に接近した瞬間、千石船は消失して大怪火ももとの横列に戻った。
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キツネビ 1983年 東京都 おふくろさんが炭を背負って人家の方を見ると火が燃えていた。当たらせてもらおうと行ってみると、火が見えない。マガメに行ってよく見ようと思ったとき、狐が消えたということである。これも狐火である。
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キツネッピ 1952年 山梨県 夏の夜、杣口から塩山山の左裾に火が見えた。火はいくつにも分かれて走り回り、点滅しながら山裾から山腹を美しく飛び走った末、再び一つになって消えた。塩山山の人も杣口に火が見えたという。狐の嫁入りだという。
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キツネビ 1980年 秋田県 沖田面の山に点々と火が点くのは狐火で、狐の仕業。
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キツネビ 1957年 長野県 狐火が向かいに見える時には狐はこちらに居ると言われる。天竜川を距てて向かい合っている川路村、龍江村で見える狐火について言えば、川路村では龍江村に、龍江村では川路村に灯っている。昔から狐火の出る場所は比較的決まっているが、多くの場合、見る人と狐火との間には川があり、その向こうの丘の上に狐火が現れるようである。
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キツネ 1971年 岐阜県 祭りと弓引きの日に、明智から一人で夜道を行く人が、道で何かがチカッと光ったのでタバコだと思い、一服して火を借りようとしたらそれは狐の眼だった。びっくりして帰ってきたという。蛍の光がピカッと来るような、後光が差したような光だという。
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キツネ 1975年 山口県 田耕のミタケには狐がいた。人を川の方へ引っ張っていき、荷物をとったり、火事の幻を見せたりした。
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タムラマロショウグン 1960年 岩手県 昔、田村磨将軍が石を投げたところ、石から火が出て野を焼き、「ナツヤケ」という土地になった。また、将軍は懲らしめた女鬼を荷物運びに使っていた。鬼が「もう人を獲らない」という証文に、岩手山の岩に手で手判を押したので、今でも赤い岩がある。
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キツネ 1975年 宮城県 夜水引きに行って焚き火をしていると、むこうにきれいな女が座っていて尻を出して気をひいていた。狐に違いないと思い、杖で女の頭を叩いた。狐が二匹、肩車をして女に化けていたのであった。二匹とも一目散に逃げた。
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タヌキノヒ 1984年 香川県 夜がふけてから真向かいの山に火が見えて、傍の家の障子の桟がありありと見えることがある。きれいな娘が味噌桶をかかえており、その着物の縞目まではっきり見える。これは狸の火だという。
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