ヘビ,イケノヌシ 1970年 鳥取県 摩尼山の近くのお種ヶ池には弁天様を祀る。長者の娘のお種が下男と仲良くなり、池の中洲から毎日さと柿を取って来て男に食べさせたので、男がいぶかしがると、お種は池に身を投げた。家人が鐘太鼓で池の周りを探すと、お種が蛇になって現れた。男もその池に身を投げた。お種の髪の毛は先が三股になっていて、裂いたら血が出たという。それは蛇の気のある女だったのだ。お種が池にはドジョウがたくさんいた。兵隊に行く人の祈願にそのドジョウをあげると、必ず生きて帰ったという。
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テング 1932年 香川県 宝永の頃、讃州高松の隣村中の村で、三吉という男が天狗に使われていた。三吉が病を患い長くはないので天狗に暇乞いをすると、天狗が3年寿命を延ばす秘薬の調合を教えた。その薬を服用すると、八日目に臍から蝶が飛んで出た。病が全治したので、天狗の為に社を建て、高戸の神と祀った。三吉の娘のお菊は、その薬で多くの人を助け、神職に秘術を伝えたという。
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ベンザイテン,ヘビ 1935年 昔、ある弁才天の神官の家にひとりの娘がいた。近所の百姓が多忙の時期には娘の手を借りることもあった。ある時百姓が養蚕のために手が不足したのでその娘を頼みにいくと、神官の家に出産があり手がいるので娘を借りることができなかった。しかし百姓が家に帰るとその娘が来ており、都合がついたという。それから娘は毎日その百姓の手伝いをした。仕事に区切りがついたので、娘を返すため神官の家まで送ると、娘はお参りをさせてくださいと言って神社に入ったきり帰ってこない。神官の家を訪れると娘はちゃんといて、手伝いには行っていないという。そこで百姓と神官が弁才天の前まで行くとその娘そっくりの頭を持った蛇がいた。神官が礼を述べると蛇は姿を消した。
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センジュデラカンノン 1956年 宮城県 陸奥の小田の里に間(はさま)さいちようという無慈悲な富者があった。召使いの美女が亡き父母の弔いに千手寺へ詣でたため叱られ、一夜のうちに手桶で百代の田に水を入れよと申し渡される。女は泣く泣く水を汲む。夜になると千手観音の二十八部衆の中の童女が里の女に化身して手伝い、夜明け前に水が満ちる。さいちようが驚いて仔細を聞くと御仏の力と答えるので、千手寺の朽ち木の桜に花を咲かせよと命ずる。千手観音が現れて見事に花を咲かせ、孝女を救う。
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リュウ 1967年 茨城県 龍が美女となって夜に出てきた。若侍が笛を持って現れ、2人は語り合っていた。翌日この若侍は水面に死体となっていた。里人はこれを葬ってやり、1体の祠を建てた。これが弁天様となっている。
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テング 1981年 神奈川県 山の神をお祀りしてある山に天狗の住処といわれた大松があった。ある日美しい娘が行方不明になり天狗の仕業だということになった。松のところにさがしに行くと娘が座りこんでいて、話をきくと、やはり天狗にさらわれたということであった。
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〔テルヒノマエ〕 1978年 広島県 元禄の頃、宮景盛の娘の照日の前が悲恋の果てに入水して竜神になって昇天した。ひでりの時ここで雨乞いをして弁天社から小蛇が出て游行すると雨が降る。照日姫は供養されると元の姿を現し、歌をうたって消えた。
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ウマ,カイコ 1932年 昔、ある所にたいへんな長者がおり、その家にひめこという美しい娘がいた。その家の馬がひめこに恋をした。親は馬を殺し、皮をはいで外に干した。数日たったある日、突然雨が降り国運とともに観音様が現れ、ひめこを馬の皮で包み連れ去ってしまった。のちにひめこは蚕になって地上にもどり、ひめこ蚕と言われるようになった。
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テング 1982年 群馬県 天狗が迦葉山に寺の小僧に化けて住み込んだ。ある年の十五夜の晩、その小僧がいい事をして見せると言ってススキの葉の上を飛び、白い馬に乗って行ってしまった。以来迦葉山では天狗を祀る。
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ダイジャ 1939年 福井県 およねという女が、夜道に迷って池にはまり大蛇となった。その後は、化けて男の元に通っていた。成仏を願って、報恩講には川からやってきて参っていた。およねの墓を見つけて供養すると、報恩講には雨が降らなくなった。
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ヌレヤクシ 1956年 宮城県 槻木では昔、日照りの時、村人が鰌沼に集り、村の娘1人を竜神の人身御供とし、水責めにして雨乞いをした。およしという美しい娘に恋慕した勘作という若者が、恋がかなわぬ憂さ晴らしにある年およしを人身御供にすすめる。およしが沼へ行くと、旅僧が来合わせて不心得をさとし、竜神も喜ぶまいと、代わりに薬師像を与えて去る。突然大雨が降り村は生き返る。薬師堂を建ててまつり、およしはかたわらに庵を結んで一生薬師に仕えた。
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イナリミョウジンノケシン 1967年 福島県 尼子橋は雨が降ると水があふれ通行できず、人々は難渋していた。岩城則道の妻徳尼はこれを見て心を痛めていたが、ある時、尼の庵の前で白髪の老人が嘆息していたので庵に招きいれた。話をすると老人は架橋の意思があるというので、援助を約束した。老人は感激し、30日ばかりで橋を完成させた。渡り初めも済み、老人は再びお目にかかる事は無いと立ち去り、薬王寺台辺りで見る間に姿が消えた。不思議に思い老人がいなくなった辺りを探させると、穴があり、式に供えた餅があった。稲荷明神の化身かとこれをあつく祀り、尼子稲荷明神と呼んで橋の守護神とした。
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ヒケシベンテン 1996年 愛知県 慶長5年、鳥羽の九鬼軍が略奪目的で岩屋寺本堂に火を放った。そのとき、白馬に乗った天女が現れ、南門に近い「弁天の井」から水をすくい、本堂の棟に水を投げた。すると火が消え、本堂は元のままになった。九鬼軍は恐れをなして何も取らずに逃げ出したという。天女は藤島の弁天様だった。
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テング,オカンババア,ヤマウバ 1933年 長野県 ある日、おかんという若い娘が天狗にさらわれてしまった。村中で探したが見つからなかった。50年後、車山に山婆が現れた。山婆は実は50年後のおかんの姿だった。
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ダイジャ,ナハハチロウ 1982年 群馬県 みどろが池の大蛇が毎年暴れて洪水を出すので人身御供に娘を出していた。小幡氏の娘、梅津姫が人身御供になったとき、公家の若様が通りかかり、二人で池の岩屋に行った。若君が問い掛けると大蛇は「私は那波八郎という者で、榛名の郡司の若者だったが、兄弟に図られた恨みで蛇になったのだ」と言ったので、2人でお経を唱えると、蛇は成仏して那波大明神になった。若君は姫と結ばれ、2人は白倉神社に祀られた。
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キツネ 1933年 鳥取県 おこん狐という狐がよく人を化かした。ある男が川の中で網泥を一生懸命かぶっている狐をみつけたが、その狐が立派な女に化けて馬に乗せてくれという。馬に乗せて連れて帰り、火であぶったので、狐は正体を現した。人を化かさず、ここにすまないことを約束して許してやった。数年後、伊賀の山辺で娘に化けたおこん狐に会った人があるという。
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ダイジャ 1986年 埼玉県 昔、じいさんと娘がいた。その娘は不思議な力を持っていた。ある年日照りが続いたので村人が娘に雨を降らせて欲しいと頼みに行くと娘は「七日七晩は決してお堂に入らないように。」と言ってお堂に入った。一人の若者がお堂を覗いてしまった。するとそこには頭が二つの大蛇がおり、若者の顔を見ると天に駆け昇ってしまった。すると空から大雨が降りだし、三日三晩降り続いた。村人は娘を竜神様として沼のほとりに両頭庵というお堂を建ててお祀りした。
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ベンテンサマ,ジャタイ 1965年 高知県 弁天島の弁天様と姫の井の高平神社は夫婦。弁天様が蛇体に現じて高平神社に通うという。
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ヤシャガイケ,ダイジャ 2002年 滋賀県,岐阜県,福井県 越前の北の方に伝わる話。美濃国安八太夫の娘お里が身につけていた針の鉄分のため大蛇は病気になったのでお里は実家へ返される。これを聞いた越前の長者は越前側に水を流してもらいたいため娘を後妻として夜叉ケ池に嫁入りさせた。これを知ったお里は怒って夜叉ケ池で大喧嘩が起こったが、長者は男を雇ってお里を弓で射殺してしまった。
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ヘビ,カニ 1976年 京都府 昔、綺田に美しい女がいた。ある時、村人が蟹を食べようと沢山取っていたのを、女は魚と交換して助けてやった。次の日、女の父が蛇が蟇を呑んでいるところを見つけ、蟇を逃がしたら娘をやると言った。蛇はすぐに蟇を放して去った。その夜、どこからか男が現れ、昼の約束の通り来たという。まだ娘に話していないというと去った。娘はそのことを聞いて仏前で読経をはじめた。蛇が現れ閨に入った。村人が戸を開いて中を見ると、女は無事で、蛇が数万の蟹に挟まれて死んでいた。村人はその所に寺を建立し蟹満寺と号した。
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