マツ 1976年 千葉県 下総国海上郡飯岡浦の玉崎大明神の社の後ろに松の木と楠の木がある。松の梢が社を覆って屋根が壊れる事が度々あったので、宝暦の頃に神官が松を伐ろうとしたが、日が暮れたので伐りかけのまま置いておいたところ、伐った松が一夜の内に楠に取り付き枝葉を茂らせていたという。
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ヤナギノセイ 1932年 山梨県 善光寺の本堂を建てるため、数百年を経ても朽ちない古柳が伐られることに決まった。その夜、隣里の農家の娘に2年通っていた男が、自分が実は古柳の精であり明日伐られることを告げて消えた。翌日伐られた柳は数千人でも動かせず、娘が昨夜の男の頼み通り今様を歌うと動いて難なく善光寺に至った。
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タイボクノマツ 1975年 千葉県 下総国庄佐郡飯岡村の、手古(てこ)大明神という社の近くの松の大木を切り倒した。翌日みてみると、切り倒した松は楠の幹に接ぎ木したように付いていた。
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ダンジュ 1933年 広島県 光明坊という寺の境内に法然が植えた檀樹の老樹があった。この木の陰で作物が不出来になるので、百姓が枝を伐りにいったが、昨夜まで地面近く覆っていた老樹の枝が、はるか上方へ向き直っていた。
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ホウイントミカタノマツ 1956年 宮城県 法印の墓印として植えられた松がぐんぐん成長して根回り18尺,枝10間四方の巨木となり,「三方の松」として霊木視されていた。昭和29(1954)年同部落で毘沙門堂の修理に際し,その資金に当てるため土地の所有者小島某が三方の松を材木商に三万円で売り渡した。材木商は地元では頼めず他町村から雇い入れ,上斧入れの前には僧に回向を頼み,部落民に供養の振舞もした。祠堂のためだから祟りもあるまいと思っていたが,伐採から一年足らずのうちに樵二人と所有者小島某が相次いで亡くなってしまった。部落民は因縁の恐ろしさを囁き合ったという。
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マツ,タタリ 1915年 岡山県 阿弥陀堂の跡と称するところに古い松があった。かつて森侯がこの松を移そうとしたら祟りがあった。その松は寛政6年に枯れたが、株は長いあいだ朽ちず、雨が降るように祈ると効験があったという。
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オニ 1933年 鹿児島県 加計呂麻島で正月の門松に松を立てるのは、昔松の木に兎を繋いでおいてところ、鬼が来てその松を根こそぎ引き抜き持って行ってしまったので、松の根の跡を辿って行って兎を取り返した。それ以来鬼は松を見ると恐れて近付かないという口碑から始ったという。
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マツ 1922年 福岡県 永享11年、神殿に松の木が傾きかかって造営の邪魔になるので、伐り倒してしまおうということになったが、不思議にもその松は一夜にして元の長さに伸びた。
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テング 1933年 長野県 松の木の真東に向いている枝は天狗の止まり木であるという。伐るには斧で切れば天狗が逃げていくから祟りがないそうである。
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チョウヨ,マツ 1974年 大阪府 大坂の谷町筋八丁目にある願生寺の超誉は、名だたる念仏の導師であった。この寺は元々草庵だったが、その修造の始めに根のない松を2本境内に植え、もしこの寺が繁栄するならば、この松は大きく茂るだろうといった。実際繁茂して大木となったが、寺も仏殿や方丈、庫裡もある寺院となった。
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イッポンマツ,(ゾクシン) 2002年 福島県 昔、安倍清明が東奥に下向したとき、この地に来て松を植え、当所を祭って人家の焼失がない事を祈った。これは希有なことである。この松を鎌田の一本松という。
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セイメイノマツ,(ゾクシン) 2002年 福島県 昔、安倍晴明が東奥に下向したとき、ここに松を植えて火難を除く祈願をしたという。これを晴明の松といい、明治時代に切り倒されたが、直径は9尺を超えていたという。
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ウエノヤマノマツ 1968年 愛媛県 上の山の松は笠松といい、昔、人骨が出たことがあった。誰かが入定したのだろうといわれている。この松を切ったら祟りがあり、切った本人だけでなく親類中が死んだという。また、その家では口の曲がった子が生まれるという。
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ジャタイノマツ 1967年 福島県 海岸に蛇体の松と呼ばれる二股の老木がある。昔、慶長の頃、与吉という百姓がおり、お松という娘があった。ある時、殿様が与吉の家で休んだ際に、お松を侍女にすると城へ連れ帰った。ところがお松は家に帰りたがって言うことを聞かないので、小船に乗せて竜神の淵に捨ててしまった。お松は海岸に泳ぎ着いたが、力尽きて女面蛇体の死体となって海岸に打ち上げられた。親たちはこれを見て悲しみ、娘の名にちなんで松を植えた。この松が大きくなったものが蛇体の松である。この松は霊験があるという。
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リュウトウ 1989年 富山県 弥勒山安居寺の仁王門正面に龍燈の松があり、昔から龍燈がよく現れた。
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マガリマツ,タタリ 1929年 東京都 鎌倉街道の傍らに円形塚が今尚残っている。昔この塚の上には幹の曲がりくねった一本の古松がはえていた。この松を切ると大病におかされると、村人は信じていた。だがとうとうある日老人が、多くの人々が止めるのも聞かず松を買い取り切り倒した。その後老人は病にかかりこの世を去った。松はないが、曲がり松という漠然とした地名は残った。
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テングノマツ 1969年 埼玉県 山の上に天狗の松と呼ばれる巨木があり、それは部落からよく眺められる尾根筋に生育している。この松を切ったり傷を付けたりすると祟りがあると言われ、部落では大切に扱われている。
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(ヤシキガミ),(タタリ) 1989年 長野県 家の勝手の部屋に祀っていたところ、病人が出たり不幸があったりした。松本のお天狗様に見てもらうと、木が2・3本ある現在の位置に移せと言われたので、その通りにして祠を作ると、病人などの祟りが止んだという。
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(ハクハツロウジン),(シンレイ) 1982年 京都府 享保11年7月27日、北野社前筋下立売上る町に白髪の老人が現れて、往古よりこの町の東側にある神木の松の大木が明日折れると、町に触れて廻った。近所の者は老人を狂人だろうと思っていたが、翌28日辰の後刻、松が折れて倒れた。近所の人たちは昨日の老人は白太夫の社の神霊だったのだろうと、諸人が群集した。
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タタリ 1929年 東京都 昔、松があった。この松を切るものは病になったり死ぬといわれていた。ある老人が松を切ったところ、病気になり死んだ。
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