テング 1993年 福井県 大きな岩石があり、ここの天狗がいると恐れられていた。ある日この近くで三左衛門という人が炭を焼き始めた。天狗が現れ「ここはわしの庭だから、すぐ帰れ。笛を吹き、太鼓が鳴ったら下山しろ」という。無視していると数日後に天狗が現れ「もう一度合図するので、帰れ」という。風が強くなり、雨も降り出したので下山した。あまりの大嵐となり、三左衛門の家は倒れた。
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テング 1968年 群馬県 角落大権現には天狗が住む。行者が宮を建てろと言ったので建てた。大門の木を総代の人が勝手に切ったところ、その人は奥山で炭焼きをしているときに、崖から転落死してしまった。村人は天狗山の木を勝手に切ったから投げられたのだ、と言った。
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テング 1978年 岐阜県 橋の架け替えのため、下ヶ流の向山の大檜と大杉を伐ったら、名主の夢枕に天狗が立ち、よくも住処を無くしたな、罰として村を丸焼けにしてやる、と言った。はたしてその晩火事が出て、村の大部分が焼けてしまった。明治10年1月18日の大火のこと。
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ホウイントミカタノマツ 1956年 宮城県 法印の墓印として植えられた松がぐんぐん成長して根回り18尺,枝10間四方の巨木となり,「三方の松」として霊木視されていた。昭和29(1954)年同部落で毘沙門堂の修理に際し,その資金に当てるため土地の所有者小島某が三方の松を材木商に三万円で売り渡した。材木商は地元では頼めず他町村から雇い入れ,上斧入れの前には僧に回向を頼み,部落民に供養の振舞もした。祠堂のためだから祟りもあるまいと思っていたが,伐採から一年足らずのうちに樵二人と所有者小島某が相次いで亡くなってしまった。部落民は因縁の恐ろしさを囁き合ったという。
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テング 1969年 埼玉県 精神異常者の男が枯れた天狗の松を切り割って薪にしていたが、天狗の仕返しがあったとは聞かない。しかし、男は天狗を恐れなかったが亡くなり、家も潰れて屋敷跡だけが残っている。
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テング 1978年 広島県 佐助という者が風畝山の天狗松を伐ろうとしたら天狗が邪魔をしたので伐ることが出来なかった。また、山中の桂の大木を伐ったり、山樵が藤蔓を伐って火にたくことは祟られるので忌んだ。
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テング 1975年 山形県 明治の初めに荒沢の杉を狩川村の佐吉が買い取った。斧を打ちこむと血のように真っ赤な液体が流れ出たり、搬出人にケガが出るなど事故が続いた。3年後に佐吉は出羽3山参りに出かけた。古峰ヶ原の山伏宿で風呂に入っていると、寺男が風呂の火を見に来て「佐吉、しばらくだな」という。その男は荒沢の天狗であった。目は光り、鼻は飛び出していた。佐吉は恐ろしさのあまり気を失ってしまった。後で同行のものが言うには、佐吉は風呂の縁にしがみついて「許してけれ」とどなっていたという。
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テング 1999年 宮崎県 岩見田の古墳の麓に天狗杉があった、天狗はこの木から飛び立って、正手の天狗杉、大久保の天狗杉に宿ったりしていた。正手の天狗杉は落雷で枯れ、岩見田の天狗杉は宅地造成で刈られた。
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ゴズテンノウシャノタタリ 1985年 愛媛県 牛頭天王社が三島神社に合祀されたあと、その社地が売りに出された。買い主がすぐに畑にしたら、山から石が転げ落ちたり、死人が出たりした。天王社の祟りとされ、耕作することを止めた。
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イヌ 1975年 愛知県 犬頭社の話。天正年中、領主宇津左衛門五郎忠茂がある時猟をしに山へ入った。木の下で急に眠気を催したところ、飼い犬が裾をくわえ眠る事を邪魔した。腹を立てた宇津は、犬の首を刎ねたところ、その頭は木の上の蛇に噛み付いた。宇津は犬の忠を感じ、上下和田村に犬頭犬尾を埋めて祭った。
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テング 1956年 茨城県 御岩神社の3本杉は3ツ又の巨木で、昔から天狗が棲むと言われていた。1枝1葉でも持ち帰って燃やすならば、たちどころに気違いになると信じられている。
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テング 1952年 三重県 以前天狗がすんでいた楠の巨木がある。元は近くに八天狗社があり、土仏山にも天狗の松と言われる三叉に別れた巨松があった。
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テング,ヤマオトコ,マツ 1914年 静岡県 下川根村の南方にある官林に天狗が住むという松があった。林を伐採したとき、その松を最後まで残しておいたがついに斬り倒した。その夜、小屋に寝ていた若者が眼を覚ましてみると、小屋の入口に大きな男が立っていた。
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テング 1972年 石川県 昭和33年のこと、家の者がよく病気になるので占ってもらったら、天狗の松を切った祟りだった。根株が家の入り口にあり、出入りする度に踏むからだった。そこで小祠を建てて天狗を祀った。
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テング,カミカクシ 1964年 福島県 以前は、七つ森の峠越しでは天狗様のお怒りにあって神隠しに遭うというので、生臭や女気を断って一週間の行をした。明治の頃、ある人が信じずに山仕事に米を背負って出かけて、行方不明になった。山探しをすると20尺(6m)もある木の上に、米を背負ったまま引っかかって死んでいた。
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テングモリ 1937年 京都府 昔から天狗森と呼ばれ、天狗が止まる木なので特にきれいにし、決して伐らなかった。10本ほどの古木があった。しかし、官有林となり村が買収して伐っても何も起こらなかった。
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テング 1976年 和歌山県 日光神社に泊まっていた時、木を伐る音がした。そして、急に木の倒れる大音響がした。それで噂の通り天狗のいることを知ったという。
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モリキ,タタリ 1984年 長野県 森に稲荷があり、その森の所有者が半分の土地を売って開墾した。その材木を使って蚕室を作ったが、上手くいかず売り払ってしまった。それを買った人も火事にあった。これらは社樹の祟りだろうと言われた。
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テング 1981年 和歌山県 天狗松を買って家を建てた人が行方不明になった。10日ほどして戻ってくると、「神様ににぎやかなところに連れて行かれ、木の葉の餅を食べた」と言った。天狗に連れて行かれたのだろう。
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タヌキ,テング 1985年 香川県 杣尾、寺峰あたりに寺を建てようとキヅクリを始めたが、キヅクリの音がうるさいと追い払った者がいた。それから音はぴたりとやみ、その夜のうちに木材は消えてしまった。木材を運んだのは天狗だとも狸だともいう。
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