タヌキ 1992年 奈良県 夜になると、名前を呼んで戸を叩く音がする。けれども戸を開けてみると誰もいない。いっぺん脅かしてやれと思い、戸の所で待っていて、戸を叩いた時にパッと戸を開けたら狸がいた。狸は前足で戸を叩くのではなく、逆立ちして後ろ足で叩いていたという。
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タヌキ 1992年 奈良県 夜中、お寺に「こんばんは、こんばんは」と言って戸を叩く者がいた。けれども戸を開けると誰もいない。寝間に戻ると、また戸を叩く音がした。このようにして狸に騙されることがしばしばあったという。
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ムジナ 1933年 長野県 ある宵の口に「名主の廻状が来た」といって戸をたたく音がした。戸を開けてみるが誰もいない。同じように毎晩続けてだまされた。四晩目に待ち伏せをして戸をたたくと同時に戸を開けたら、古狢がいた。
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タヌキ 1992年 奈良県 昔、小さい家に若い男が1人で住んでいた。そこに、毎晩、名前を呼んで訪ねて来る人がいた。けれども戸を開けると誰もいない。ある時戸の隙間から見たら、狸が後ろ足で戸を叩いていた。そこで「こらっ」と言って開けたら逃げた。それからは来なくなった。
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キツネ 1979年 岐阜県 玄関の戸を叩く音がしたので開けたら誰もおらず、狐が他の畦を跳んで逃げて行くのが見えた。
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トヲタタクオト 1986年 東京都 林間学校の2日目の夜、みんなで遅くまで起きていた。すると、誰かが部屋の戸を叩いた。戸を開けても誰もいなかった。
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トヲタタクオト 1977年 秋田県 夜、戸を叩く音が聞こえたが、誰もいなかった。
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タマシイ 1966年 三重県 死んだ魂が帰ってきたときに帰れるように寺の本堂の戸を開けておく。入れないと戸をたたく。
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ムジナ 1976年 東京都 夜更けに名前を呼ぶ声がするので戸を開けると誰もいない。毎晩それが続くので、戸口で待ち構えて声がしたとたんに開けるとムジナが驚いて逃げた。ムジナが人間の言葉を話すときは息切れしているように発音するという。
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ユメ 1928年 愛知県 ある女が20歳のときの話(20年前)である。姉の病気が重くなり見舞に行こうと思っていた晩のこと、誰かが戸を叩くので声を掛けると、それは患っているはずの姉であった。中に招き入れたが、姉は黙って土間に立っているだけであった。そのとき、戸を激しく叩く音が聞こえたが、気づくと自分は床に寝ていた。しかし、まだ戸が叩かれているので戸を開けると、飛脚が姉の訃報を知らせにきたのだった。
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ホトホト 1931年 鳥取県 節分の晩、神が家にきたときは、最初に咳払いに似た声づくろいで戸をほとほと叩く。これはここに神がいるという知らせで、戸を叩かずに声をかけることもあるのだという。
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ムジナ 1933年 長野県 山の中の木小屋で寝泊りして、毎日木を伐って働いていた。ある夜明け方、大きな声が聞こえてきたが戸を開けても誰もいなかった。狢の仕業だった。
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タマシイ 1982年 新潟県 人のタマシイは生死の間をさまよう間に、まずは寺へ行って来るものと信じられているところが多いが、本堂の戸、庫裏の戸を開けたり叩く音が聞こえるという。ツゲが来たのは、それからしばらく後のことであった
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タマシイ 1982年 新潟県 人のタマシイは生死の間をさまよう間に、まずは寺へ行って来るものと信じられているところが多いが、本堂の戸、庫裏の戸を開けたり叩く音が聞こえるという。ツゲが来たのは、それからしばらく後のことであった
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(ゾクシン) 1961年 鳥取県 人が死ぬ前には寺の本堂の戸を叩く音がする。
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トシガミサン 2001年 香川県 真鈴では元旦に起きてすぐ座敷の戸を開けると、年神さんが入ってくるという。
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アマビト 1956年 人が死ぬ前にその魂が歩くといい、時には戸を開けるような音をさせるといわれる。その霊をアマビトという。
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シニン 1933年 熊本県 死亡者が生ずると選ばれた「タヨリツケ」両人が、知らすべき家に二人連れ立って出かけて「何処より来ました、何某が何で死にました」と注進する。その際は特に夜などは先方が戸を開けるまで待つ。こちらから開けると、戸の向こうにその死人が立っていると信じられている。
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キツネ 1972年 千葉県 狐がニワトリを取りにくるので、台所にニワトリを集めておいた。それでも狐がニワトリを一匹咥えて逃げていくので、追いかけようと玄関の戸を開けたつもりが、化かされていて押入れの戸を開けていた。
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ムジナ 1960年 神奈川県 昔、毎晩のように、ムジナが「イササン、イササン」と呼んで、猟師をしていた隣の家の戸をたたいた。今晩こそ退治しようと戸を開けて、滅茶苦茶に叩いたが、翌朝見ると、大笊(ざる)が無漸にも壊れていたという。
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シノヨチョウ(ゾクシン) 1976年 宮城県 真夜中に戸がガタンと鳴ったり、何かが倒れたような音や戸が閉まる音が聞こえると人が死ぬ。
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