ヤマノカミ 1933年 岩手県 山の神様がお出にならないとお産ができぬという信仰がある。そこで妊婦が産室に入ったら夫か家族の男が山の神を迎えに行く。馬の自然に歩む方角へ従い行き、馬が急に止まって身震いして嘶き声を出すと神様が馬の背にお乗りになられたことになるので、今度は馬の口をとって家にお連れして、山の神様がお出になった由を告げる。即ちお産があるのである。
類似事例 |
|
ウブヤ 1956年 京都府 川近くの水田の中に立てられた産屋でお産をした。陣痛が始まると夫が先導して妊婦を産屋に移した。その時、橋を渡らずに梯子と板などで仮橋をかけて渡った。大昔、川から流れ着いた材木を大原明神のお告げとして産屋を立てたのが始まりだという。ここで出産すると大原明神の加護があるという。
類似事例 |
|
チャヤムスメ,ダイジャ 1913年 富山県 茶屋の娘が両親に産む姿を見ないようにと言って、家に入った。両親が約束を破って覗くと、12匹の小蛇を産んでいた。娘の言うには橋の下に住む大蛇が夫であるという。娘は小蛇を抱いて水中に姿を隠したといわれる。その茶屋は今もあり、小蛇の掛図が伝わっている。
類似事例 |
|
ダイジャ 1940年 福島県 竹田川の川端で出会った美女と城主がいた。2人は夫婦となり、妻は出産を迎えた。産室に入るなという妻が気になって、覗いてみると大蛇が子供を抱えている姿があった。見られた妻は恥ずかしがって子供を莚に包んで逃げていった。逃げる途中に休み、莚の跡が付いた場所を「莚橋」、この蛇が棲んだとされる場所を「蛇池」と呼ぶ。
類似事例 |
|
ヘビムコイリ 2001年 鹿児島県 娘の所にきれいな男がやって来る。どんなに戸締りをしても入ってくる。ある時後を追ってみると,男は小さな蛇だった。娘は蛇の子を産んだという。
類似事例 |
|
オコンサマ,アンザンキガン 1944年 長崎県 安産祈願の際、ナリヤヒ寺(原文ママ)のオコン様に詣る。オコン様は京都の人で殿様の妾になってきた。他の女性達から妬まれ、子を産む時、産婆までが女達と一緒になって腹帯を締めて殺してしまった。オコン様の霊が自分に詣って祈れば産を軽くするといったことにより、安産を祈る人が参拝するようになった。
類似事例 |
|
オオカミ 1984年 福井県 昔は、お産があるごとに産小屋を建て、そこで分娩していたが、あるときオオカミがきて小屋を襲って母子ともに犠牲になったために、以降形ばかりの産小屋を建てて入るまねをするのだという。このような風習は昭和20年代まで続けられていた。
類似事例 |
|
ヘビ 1973年 岩手県 ある嫁が田の草取りをしていたら蛇につきまとわれた。うるさく思ったがかまわず働き、昼寝をして帰った。一週間位したら下腹が痛くなったので医者に見てもらったら、蛇の子をゴチャゴチャ産んだ。
類似事例 |
|
ダイジャ 1938年 栃木県 若い呉服商人が若い女が峠にひとりで立っているのに出会い、道連れとして旅をし、やがて夫婦になった。子供が生まれたが、男が様子が変なのを疑って覗くと、大蛇が授乳していた。気付いた女は眼球を取り出し、子供が泣いたらしゃぶらせるように言って姿を消した。噂が広まり、眼球が役人に取り上げられたので男が峠へ行くと、大蛇がもう一方の眼球を渡した。
類似事例 |
|
ダイジャ 1932年 岐阜県 昔、ある青年が嫁ケ淵で会った娘と結婚した。嫁は懐妊したが、夫に出産を見ないように頼んだ。しかし夫はひそかに見ると、大蛇が子に乳を与えていた。大蛇は嫁ケ淵の主だった。
類似事例 |
|
ヘビ 1974年 愛媛県 予州宇和郡藤田村で、ある女の所に夜な夜な夫が帰ってきて、後に懐妊した。女は病気になり、その側に蛇が来て女を守るようにいた。女は蛇の子のようなものを1斗ほど生んで死んだ。病中に女が下女に語ることには、「夫ではなく蛇であった。自分は生きながら畜生道に落ちた」と泣いたそうだ。
類似事例 |
|
ヘビムスコ 1981年 鳥取県 爺さんと婆さんは子供がいなかったが、川のへりで小蛇に出会い、自分の子になってくれと言うと寄ってきたので家で育てた。しかし大きくなりすぎたため出て行ってくれと頼んだ。すると、蛇は育ててくれたお礼にとほうしの玉を置いていった。それをなめていれば腹がすかないものであったという。
類似事例 |
|
オイソガモリ 1975年 高知県 大百姓の家の女中お磯が、作男の子供を身ごもった。主人はお磯を家へ追い返した。お磯は途中の桧の下で産気づき、子を産み落としたが、山犬に襲われて死んだ。それ以降主人の家では不幸が続き、桧のそばに祠をたてた。今ではお産の神様となっている。
類似事例 |
|
ダイジャ 1924年 奈良県 太郎路村にオカメという美しい女房がいた。この女房は毎晩、亀山の池を往来していた。あるとき1人の子供を産んで去っていった。夫が赤ん坊と共に池に行って名前を呼ぶと、授乳するために妻が現れた。数日後、女房は来るなと言ったが夫が行くと、女房ではなく大蛇が現れた。夫は追いかけられて、帰宅後亡くなった。
類似事例 |
|
ヘビ 1975年 岩手県 神社で男に化けた蛇が毎晩女に会っていた。女は妊娠したがなかなか子供が生まれなかった。産気づいてたらいの中に湯を入れておくと、突然「シー」という不気味な音がして、中をのぞくと蛇がいっぱいいた。
類似事例 |
|
オトコ,ヘビムコ 1936年 岐阜県 娘の元に毎夜美しい男が忍んで来た。乳母は男を怪しみ糸をつけた針を男に付け、翌朝その跡を付けた。すると山奥に至り洞穴の中から娘を孕ましたが、菖蒲湯に浸かれば難を逃れる、と言う会話が聞こえてきた。その通りにすると娘は蛇の子を産み落とした。
類似事例 |
|
ダイジャ 1931年 長野県 昔、大蛇が住んでいて、毎年ひとりの娘をやらなければならなかった。ある年に、武者修業者が訪れ、大蛇を退治してくれた。村の人々は後の祟りを恐れてお宮を建てた。
類似事例 |
|
(アンザンノマモリ),ダンリンコウゴウ 1983年 京都府 梅宮社の砂を、安産を祈って産女の襟帯に含むと、出産が必ず安らかになる。その謂れは、嵯峨天皇の后・檀林皇后が、太子がないことを憂い当社に祈誓したところ、神感があって懐妊し、当社の砂を御座の下に敷いて太子を無事産んだことに由来するという。
類似事例 |
|
ヘビ 1972年 千葉県 蛇は魔物といい、女に子を産ませる。菖蒲湯に入ると子は降りる。タライに張って跨ぐだけでもいいという。
類似事例 |
|
ヤマノカミ 1935年 岩手県 妊婦が産気付いても一向に生まれないとき、山の口に向かって馬を引いていく。山の神をお迎えする為で、途中で馬が身震いするか、耳を震わせると、神が乗られたと解釈して、馬首を帰す。帰ると赤ん坊が生まれるという。
類似事例 |
|