ホウキガミサマ 1982年 東京都 お産の時には箒神様が手伝ってくれるので、妊婦は箒を跨いではいけないといわれた。
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サンビノタタリ 1990年 山形県 お産は嫁ぎ先の座敷や納戸で産婆さんに来てもらって産んだ。お産が始まったら産火がたたるので、家族全員が山に行ったり山仕事をしたりしてはいけなかった。
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ウブメ,オンメサマ 1970年 神奈川県 天文元年のある日、大巧寺の日棟上人が滑川の橋を渡ると、難産で死んだ女が、川を渡れない上、子供が乳房に吸い付いて泣くので苦しい、と言って助けを求めた。上人が経をあげると女は姿を消したが、数日後に現れて、塔を建ててお産に苦しむ人を救ってほしいと言ってお金を手渡した。上人は女を産女霊神(おんめさま、おんめ様)として寺に祭った。
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ヤマノカミ 1933年 岩手県 山の神様がお出にならないとお産ができぬという信仰がある。そこで妊婦が産室に入ったら夫か家族の男が山の神を迎えに行く。馬の自然に歩む方角へ従い行き、馬が急に止まって身震いして嘶き声を出すと神様が馬の背にお乗りになられたことになるので、今度は馬の口をとって家にお連れして、山の神様がお出になった由を告げる。即ちお産があるのである。
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ホウキガミ 1944年 長崎県 産のときには、箒神様が真先にくる。それで、女性は普段箒を踏んだり、跨いだりするものではないという。
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ウブヤ 1956年 宮城県 久我という旧家では先祖代々屋内でお産をすると難産となり、庭の隅に産屋を設けて以来安産になったという。これは、武列天皇の重臣だった久我某が罪を犯し栗駒山麓に配せられた時、天皇の御影を屋内に安置したことから、産の穢れを避けるため屋外で出産することになったという伝承に由来する。
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カリヤスミョウジン 1956年 宮城県 もと赤沼大明神といって沼のほとりに祀られた水神。昔、身に錦をまとい、宝冠を頂いた気高い1人の女行者が村に来て、一夜の宿りを乞うたが、見慣れぬ高貴な姿の上、出産間近い身重な様子を見て宿を貸す者がない。女が軒の下でもいいからと頼むと、年老いた夫婦が哀れに思って世話をしてやり、経塚で子を産んだ。この子は神であった。刈安草を敷いて生まれたので刈安明神という。このあたりは刈安草が多く、これを染料としたものは、他所のものと比べ甚だ佳品である。
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(アンザンノマモリ),ダンリンコウゴウ 1983年 京都府 梅宮社の砂を、安産を祈って産女の襟帯に含むと、出産が必ず安らかになる。その謂れは、嵯峨天皇の后・檀林皇后が、太子がないことを憂い当社に祈誓したところ、神感があって懐妊し、当社の砂を御座の下に敷いて太子を無事産んだことに由来するという。
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ヘビ 1976年 山形県 小国にはオオミヤサマを信じる者が入る産屋があり、産婦が入ると蛇が産屋にまき付いて、安産を見守ってくれる。
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ナニカ 1982年 京都府 産屋が出来上がると、産婦がいなくても火を焚き、絶やすことはなかった。「何かが誘ったらイカンので」どんどん火を焚く、とのことである。
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(ゾクシン) 1999年 長野県 産婦が、産屋で川の流れと逆の方向に寝ると、難産する。
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サクラ,アトザンザクラ 1956年 宮城県 九門長者の娘阿区玉御前が坂上田村麻呂を生んだとき、後産を埋めたのがここであるといわれる。安産の信仰を集めた。
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(ゾクシン) 1975年 愛媛県 出産の時に、夫が家にいると難産するとかお産が長引くという。箒を立てて産むと、安産するという。また、「一のひもとく、二のひもとく、三のひもとく、アブラオンケンソワカ」と唱えたり、ローソクで灯明をあかして「それがくいるまでに産ませてください」と言って祈ると安産できるという。産湯を日向に捨てるとトックリができるので、日向には捨てないという。
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(ナンザンノトキノゾクシン) 1967年 福島県 難産のときは産婦に俵を抱かせたり、屋根の上に五升だるを持ち上げてたたいたりした。
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ヤマンカミサマ,ジゾウサマ 1933年 熊本県 昔、子のない夫婦が地蔵様に祈ったら、嫁が妊娠した。婿が仕事で山に入ったとき、山ン神様が「今度生まれる子は14歳のときに河難がある」と話しているのを聞いた。生まれて14歳になった子が魚釣りに行ったとき川に落ちたが、どこからか坊様が来て助けてくれた。その坊様は地蔵様が変じたものだった。
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オイソガモリ 1975年 高知県 大百姓の家の女中お磯が、作男の子供を身ごもった。主人はお磯を家へ追い返した。お磯は途中の桧の下で産気づき、子を産み落としたが、山犬に襲われて死んだ。それ以降主人の家では不幸が続き、桧のそばに祠をたてた。今ではお産の神様となっている。
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オロシコミョウジン 1978年 広島県 明神が出雲の神の集会へ行く途中で産気付き、ここで出産した。
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ホウキノカミサマ 1957年 岐阜県 妊婦が掃除のとき箒の毛を1本燃やしてしまった。それで箒の神様が火傷をして怒り、難産になった。そこで箒にお明しをあげてお祀りをするとすぐに子が生まれた。
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キツネ,(オンガエシ) 1956年 宮城県 明治中期,この土地に名医がおり,夜中に難産の往診を頼まれた。山の手の沢の奥に別荘風の邸宅があり産室に通された。手当てをし双生児を取り上げた時点で,名医には産婦が異類の者だとわかっていたが,最後まで手当てをしてやった。そこへ年老いた両親が出てきて厚くお礼を述べ,名医は御馳走と包み金を貰って帰宅した。包みの中は本物の小判であった。翌日,前夜の場所と思しいところに人をやったが,そこは人里からやや離れた沢の奥で家などはなく,ただ岩の横穴が一つあっただけであった。部落で尋ねると,その辺りにそういう家は一軒もなく,また昨夜部落で婚礼振舞があった際膳部が一人分なくなったということであった。
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キツネ,シジュウダイノオトコ 1959年 宮城県 お産婆さんが夜寝ようとしていたら、提灯を持った40代の男が迎えに来て立派な家に連れて行かれた。難産だったが無事に済ませると大変喜ばれお礼を貰って帰った。翌朝障子の外に魚が積まれていた。お礼は木の葉になっていた。その家に良いことが続いた。
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