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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ボウコン
1929年 鹿児島県
昔、琉球の娘が、家が貧しくて沖永良部島に遊女として売られた。いよいよ娘がくみうばに乗せられて、永年住み慣れた琉球の土地を去ろうとする時、彼女の恋人が失望の余り海水に身を投げて死んだ。船が島を離れて走り出した時、恋人の亡魂が現れて船の進路を迷わせとうとう娘は船と共に海中深く沈んでしまった。

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ホトケ
1941年 不明
心中しようとした家族の息子を、通りかかった人が不憫に思い連れて帰って自分の娘と添わせるために育てた。するとその息子は他に女をこしらえてしまったので、娘は家を出た。母は娘を探し出し、どうか家に戻ってくれと頼んだ。そこへ娘の言い交わした男も一緒になってくれといいに来た。娘はどっちに行けばいいかわからず、橋から身を投げた。娘の体は二、三間流れたあと仏になって緋の衣を着た姿になり、わきへ上がっていった。
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ヨウマ
1929年 香川県
旅先で出会った上臈と恋に落ちた男は、故郷に連れて行こうとした。しかし嫉妬深い女房が怖くなり、上臈を島に置き去りにした。無人島に残された上臈は、あえない最後を遂げた。それからは女の怨霊がでて、この島に近づく舟で無事帰れたものはまれであった。
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ヘビ
1934年 東京都
難航した船が、海難よけに、船に乗っていた女をこの島に捨て、助けに行かなかった。女は狂い死に、その髪の毛が恨みで蛇となった。
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フナユウレイ,シュニョウバ
1933年 台湾
1700年ごろ、泉州と漳州を往復する船に阿斑という船員がいた。阿斑には娶尿婆という恋人がいて、船長に嘆願して同船させたが、他の船員の嫉妬などから悪く言われるようになり、ある月明かりの夜、娶尿婆は海に身を投げて死んでしまった。船の人々はその死を悼まず、あの女は魔物だったから、これで安心だと喜んだ。泉州からの帰路、娶尿婆の姿をした船幽霊に襲われて船は沈んだ。阿斑のその後は不明。娶尿婆の魂魄は海を迷い歩き、船を呪っているという。
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オンナノユウレイ
1931年 大阪府
明治以前の事、不縁となって実家に戻った娘が、煩悶した挙句入水自殺を遂げた。以来、夜暗くなると、身投げした浜から女の幽霊が出没するという。そればかりでなく、姑を呪う声まで聞こえるそうで、見物客や商店が出るほど盛況になったことがあるという。
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ウナギ,ヘビ,アオイヒ
1987年 和歌山県
400余年前、美しい乙女と若者が旅を続けていたが、ある夜若者が乙女の前から姿を消した。乙女は狂乱して探したが見つからず、滝に身を投げて死んでしまった。その後、滝壺に雌雄の白鰻が住んでいるのが見つかった。乙女が身ごもっていた赤ちゃんの化身だろう。丑の刻、青い火がゆれて赤ん坊の泣き声が聞こえたという。
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イニンビー
1975年 沖縄県
100年くらい前に美しい娘がいて、若者と恋に落ちた。それを島の若者たちに囃したてられた娘は、恥ずかしさと驚きから、崖から落ちて自殺した。それをみた恋人の若者も後を追って自殺した。浮かばれない二人の怨霊が遺念火の由来である。
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オニ
1931年 長野県
昔、美しい娘が鬼にさらわれた。15、6年たって娘の父親が岩屋で子供をつれた娘を見つけた。父親は娘とその子を連れて船で逃げようとしたが、鬼が海水を飲んだので引き戻されてつかまりそうになった。子供が鬼を笑わせたので、鬼は水を吐き出し、船は沖に出た。
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カガリビ
1989年 長野県
ある男性のところにおたまという女性が通っていたが、男に見放されて淵に身を投げた。以来、雨が降りそうな晩には淵の回りをかがり火が回って歩くという。
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オニ
1943年 鹿児島県
昔々、娘を3人持った寡婦がいた。大水で帰れなくなった母親を鬼が助けるかわりに、娘をくれと言ってきた。末娘が嫁に行くことになったが、鬼は急流に流されて娘は助かった。その後、娘はアジガナシの妻となって華やかな生活を送ったが、嫉妬した姉に殺され、鰻になった後、夫に食べられてしまった。
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リョウシノボウレイ
1982年 宮城県
漁師が難破して覚悟を決め、供養の金を胴巻に巻いたまま浜に打ち上げられた。見つけた人は金だけとって死体を海に打ち捨てた。金を取った人は金持ちになり、子どももできて幸せだったが、子どもがいなくなってしまった。回国様に聞くと恐山にいるという。行って寺の和尚に相談すると、「その子を呼んでやるがわしの衣の陰から出るな、決してすがるな」という。やがて子どもが来て和尚に「自分は漁師の亡霊の生まれ変わりだ」と言った。金を取った人が泣き崩れ、気がつくとそこは寺ではなく衣杉の下にうずくまっていた。その人は家には帰らなかった。
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ウミナリ
1933年 台湾
1850年ごろ、大安に寄港した船に若者が雇い入れられた。土地の人々は沖遠く船出することを嫌忌しており、若者を止めたが、若者は船に乗り込んだ。若者は海に出ると日増しに恐怖に襲われ、得体の知れない病気に罹り、ついに死んでしまった。その後、若者の望みどおり死体は大安に帰された。若者を待っていた恋人の女は若者の死をしって狂気となり、海に身を投げた。その波紋が沖に広がっていったとき、沖から恐ろしい海鳴が聞こえてくるようになったという。
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カンテメ,ボウレイ
1928年 鹿児島県
カンテメという美しいヒザ(奴隷)の娘が、名柄を訪れた岩加那と恋に落ちた。カンテメに心惹かれていた主人は言い寄るが、カンテメはこれを拒否しつづけた。主人はカンテメを監禁した上、最後にはその純潔を奪ってしまい、悲観したカンテメは自殺した。それをしらない岩加那は夜道でカンテメと出会って喜んだが、夜明けにその姿は木立の影に消えた。岩加那が出会ったカンテメは亡霊であった。
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ツシロヒメ
1971年 鹿児島県
数百年の昔、敵の軍勢に囲まれた津城から逃れ長瀬まで逃れた姫が海に身を投げた。毎年その時期になると姫の霊魂が白鷺になってドンドロの松の木に来るといわれる。明治中期に硫黄鉱山の仕事をしていた谷山出身の男が人知れずこの姫のもとに通っていた男がいたが、財宝を掘り当てこの男は姿を消した。また二十六年前、長瀬では姫の宝物が光を放っており、これを探しに行った男二人がどこからともなく現れた姫や侍女の乗った舟にさらわれ地球上から消えた。姫のいる幸の国に行ったものか。
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ヒノタマ,ヒトダマ
1990年 香川県
漁に出ていたら、東の方から人魂が飛んできて、高見の島には着かず途中で落ちた。嫁に行っている娘に何かあったのかと思ったが、高見から大阪に行っているよその人が死んだのだった。
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ナキゴエ,ミナゲノオト,ボウレイ
1929年 高知県
長濱町の長者の愛娘は誰もが惹かれる気立てのいい女性だった。ある日山伏が娘を好きになり、執拗に結婚を申し込んだ。断ると暴力を振るい乳母と逃げる娘を福浦まで追いつめた。二人は池に身を投げて死に、山伏も後を追った。それから池では夜に三回続いて人の飛び込む音がし、女の泣き叫ぶ声もする怪事が起きた。
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セイショウナゴン,イガイ
1934年 徳島県
昔、清少納言が何かの罪のために流された時、漂着した海岸で着物や財物を剥ぎ取られて辱められたので、彼女は女陰を切り取って海に捨てて自殺した。そのために人びとは癘病になった。女陰は貽貝になったという。
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キヨヒメ,ヘビ
1981年 和歌山県
安珍という山伏が那智へ行く途中、真砂の庄に泊まったら、そこの娘の清姫に見初められた。安珍が座っていると清姫の髪が外から障子に当たるので安珍は怖くなり、日高川を船で渡って逃げた。清姫は追ってきて日高川を蛇になって渡った。安珍は道成寺に逃げ込んで釣鐘の下に隠してもらったが、草鞋の紐が出てしまった。紐を中に引き込もうとしたが、草鞋の先の結び目が邪魔になって隠し切れずに、見つかった。清姫は鐘を7巻半巻いて溶かしてしまった。溶け残った清姫の死骸は蛇だった。そのようないわれで、草鞋の紐の先は結ばないという。
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ヘビ
1981年 和歌山県
娘のところに男が通い、その娘は蛇の子を産んで、女郎淵に身を投げて死んだ。
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ダイジャ
1929年 高知県
昔甲浦に淡路屋という豪商があった。大坂の遊郭でひとりの女と馴染みになり、葛島に遊女を連れ出して迎えにくるから待っていてくれと言って別れた。帰宅すると妻は薄々感ずいていて油断ならず、なかなか迎えに行くことができなかった。待ちあぐねて悲嘆のあまり女は池に身を投げて死に、怨霊から大蛇と化した。
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