テング 1972年 石川県 天狗にさらわれた子供が一度帰宅した。天狗は餅を蒸す香りが嫌いなので、家人は餅を蒸し始めた。けれども蒸しあがらないうちに、天狗の使いである鳶が来て、子供を連れ去っていった。
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カミカクシ,テング,トブコ 1926年 静岡県 男の子が天狗にさらわれた。町内の人々が探したが、10日目に戻ってきた。その後も度々連れて行かれた。
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テング 1981年 和歌山県 天狗松を買って家を建てた人が行方不明になった。10日ほどして戻ってくると、「神様ににぎやかなところに連れて行かれ、木の葉の餅を食べた」と言った。
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テング 1929年 岩手県 陸中一戸の家に天狗が通ってくるという噂があった。一つの部屋に供えていた菓子の量が減っていくので、天狗が食べているのだということになった。しかし天狗の姿を見た者はおらず、三日に一度の割合で現れているといわれていた。
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テング 1937年 福井県 ある男が薪を拾いに行ったまま数日間帰らないことがあり、家族が帰してもらいに行くと戻ってきた。天狗に好かれたこの男は年に数回このようなことがあり、毎回帰ってくると、行ってきた土地の話を詳細に話してくれた。
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(ゼンヲカシテクレルバショ),テング 1978年 石川県 貧しいものが法事をしたくてもできないときに明神壁に行くと膳を貸してくれた。「どうぞお願いします」と言って帰ると、家に膳があった。ある時、ある家が借り、そこから一組もう一件が借りて一組足らなくなったときから貸してくれなくなった。天狗が金持ちの家からこっそり借りていたが、それ以来見張りが厳しくなったからだという。
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テング 1958年 岐阜県 天狗は子供が非常に好きで、子供が山に遊びに行くとだまして連れてゆき、一緒に遊ぶ。村の衆が笛太鼓で迎えに行くと返す。
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テング 1956年 茨城県 幼い頃、炭焼きの父のところへ遊びに行って泊まった。夕方、父が「天狗が遊びに来ることになっている」と言われ、9時頃になると赤い顔で鼻が突き出た大天狗が山小屋の入口から入ってきた。
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テング 1922年 岩手県 炭焼きをしていた子供が、大檜のところで白髪の老人に連れ去られ、岩屋に住むようになった。食べたことも無いようなおいしいものが出てきたりしたが、両親が祈願をこめた八幡神社のお告げには天狗も逆らえず、子供を返した。
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テング 1932年 熊本県 肥後の龍峯山の天狗に隠れ蓑と隠れ笠を借りた彦一は町で飲み食いして返さなかった。天狗は怒って彦一が嫌いといった金と餅を彦一の家に投げ付けた。彦一が大喜びで天狗が嫌いと言ったフルイをかぶって出て行くと、天狗は二度と現われなかった。
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テング 1931年 長野県 子供が天狗に連れられてどこかに行ってしまった。村中で幾日も探したが見つからず、仕方なく諦めた。翌年その子の家の庭に子供からの置手紙があったという。
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テング 1970年 滋賀県 ある人が晩に竹の棒をつかんで「誰か来おった」と叫んで駆け出して行き、そのまま見つからなくなった。父親が跡を追っても姿が見えず、玄関には草履が揃えて脱いであった。村中の人が天狗に向かって返せと叫びながら提灯を持って探したが、見つからなかった。一週間たっても帰らないので、親類が天狗の好物のうどんを屋根の上にお供えしたら、うどんは食べられていて、男はいなくなった場所にその時刻に帰ってきた。天狗がごきげんを直したのだろうと言われた。
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オテングサマ 1968年 群馬県 十日夜には餅を搗いて、八幡様・十二様・道陸神・お天狗様の祠に供えて廻る。お天狗様に供える餅は細長いので「お天狗様の帯」という。これを祠の上に掛け、細かく切った百八つの餅というものと、箕に入れた大根と菊の花を供える。水沢では餅は持って帰って食べる。三ノ倉では「天狗のサワ餅」といい、供えたままにして置くか、すでに祠にかかっている餅と交換して帰る。「天狗様のオミゴク」という。
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テング 1989年 静岡県 国清寺の和尚が子どものころ、夜おしっこにでたら天狗にさらわれて愛鷹山に連れて行かれた。いろいろ変わったものを食えといわれたが、結局寺の屋根に戻された。
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テング,ヤマノカミ 1957年 島根県 仕事を手伝ってくれた天狗に「肴」と禁句を使ってしまい逃げられた。山の神にとりなしを頼んだが、山の神にもうっかり「餅」と禁詞を使い、その男は山にいられなくなってしまった。
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テングサマ 1929年 新潟県 山には天狗様がいて、ふもとの村があらされて困るので、占女の神口を聞いてみると、それは天狗様のたたりだといわれた。毎年お酒を天狗に供えなさいと告げられたので、その通りにした。その酒は翌年の10月八日までに天狗が全て飲んでなくなっているという。
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テング 1995年 愛知県 天狗は神楽の楽を好む。花祭りのときに高嶺に現れたので、提灯を灯してお迎えした。
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キツネ 1938年 福井県 前からきた娘に牡丹餅をもらって食べると、それは馬糞であった。翌日、やって来た母親を馬に乗せて縛り付けると、正体を現したのは狐であった。吊るされた狐が命乞いをするので、尻に焼印を押して放した。以来、狐が出なくなった。
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グヒンサマ 1929年 岩手県 陸中の一戸にある家に現れる天狗を、家族は丁寧にもてなした。天狗が来るようになってから、風もないのに唐箕のように大きなものが立ち上がったり、棟が二つに割れるような音がした。また、鶏が何か入ってきた気配を感じて飛び退くようなこともあった。主人は狗賓さまが来たといって奥へ立った。
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テング 1937年 福井県 天狗にさらわれた人は村の中にいるが、それは夜の12時までである。去年は子供が1人さらわれた。
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