クチガミミマデサケタヒト 1977年 神奈川県 ある老人が親類の家に行った帰りに坂を登っていると、きれいな女の人がかぶりをして後ろから登ってきたので、夜も遅いから気をつけなさいといって見送った。その後に男の人が来たので、この先に女の人がいると伝えた。すると、男はその人はこんな顔ではなかったかと振り向いた。その顔は、口が耳まで裂けていた。
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オニ 1976年 人を鬼に譬えるのは、武勇に長けた人、容姿は美しいが心が醜い女、心は醜くないが生まれながらに顔が赤く、目口が大きく、歯の出たような恐ろしい顔をした人と三通りの場合がある。本当の鬼もこのように形が定まったものではないのだろう。
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クチサケオンナ 1986年 東京都 整形手術が失敗して口が裂け、悩んでいる女がいた。その女はマスクをして、道を通る男の人に「私きれい」と尋ねる。ブスと言うとナイフでお腹を刺される。きれいと言うとマスクをはずして口の裂けた顔を見せる。男が逃げると追いかけ、男の口を裂いてしまう。
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キツネ 1990年 長野県 ある人がきつねに出会って、「騙す気か」と問うと、きつねは「騙す気はないけれど騙すところを見せてやるので見ていろ」と言った。その人はお寺の石灯籠を一生懸命手でこすって待っていた。そのうち手の皮がむけたが、化かされているので判らなかった。人に背中を叩かれて正気に返った。きつねは騙しておいてそのまま逃げたのである。
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ボロボロノフクヲキタオトコ 1986年 東京都 林間学校のとき、肝試しをしていた。橋の下に座って脅かされるのを待っていたら、誰かが背中を叩いた。けれども振り向いても誰もいない。また背中が叩かれるので振り向いたが誰もいない。怖くなって走って逃げて道に迷っていたら、ボロボロの服を着た男が前に見えた。けれどもそこまで行くと誰もいなかった。
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キツネ 1985年 山梨県 向こうに知っている人がいたので、ついて行ったら、山の方へ行ってしまった。その後一生懸命ついていったら、夜が明けてしまった。そして山から降りたら服がボロボロになってぼけた顔をしていた。
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タヌキ 1981年 和歌山県 ある姉妹が沢に薪拾いに行ったら、頬かむりをした人が「こっちへ来い」と呼んだ。姉が「狸だ」と気づいて、沢を降りて逃げた。
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アモコ 1963年 青森県 盆の晩、ある若者が人々を驚かそうと、化け物の格好をして踊りから帰ってくる村人たちを待っていた。ところが村人たちに本物の化け物と思われ「そら化け物がいる。アモコだ」と追いまわされ、散々な目にあったという。
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(チイサイニンゲン),イタチ 1964年 福島県 ある夕方、井戸ばたで仕事をしていたら、かたわらに60センチメートルほどの人間が突然でてきた。たとえようもない見ぐさい(見苦しい)顔であった。「ぽこ、ぽこ」と青赤い火が2,3メートルも立ち上がってぽっと消える。いたちのしわざだという。
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ヤマジョロ 1941年 徳島県 昔、二人の男性が山へお参りに行って帰るときに、きれいな女に出あった。近づいてみると、大女となり、馬鍬みたいな歯を見せながら笑い出した。驚いた二人のポケットから落ちてしまった包丁を見たら逃げたという。また、ヤマジョロにあった人が病気になって死んだという話もある。
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イタチ,コッテンボウズ 1976年 新潟県 高谷というところでコッテンボウズにあった人がいる。コッテンボウズは背の高い坊主である。コッテンボウズはその人に「俺を見たといったら、おまえの命をとるぞ」と言った。その人はしゃべってしまい、若死にした。コッテンボウズはイタチの化けたので、人の肩に上がって大きく見せている。
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キツネ,(ツキモノ) 1989年 岐阜県 キツネが人に憑くことがあるという。憑かれた人は目がつり上がり、戯言を言った。尋ねたことには答えるものの、つじつまの合わないことを答えたという。
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キツネツキ 1987年 岡山県 人ぎつねは、いたち位の大きさで鼻が黒い。猟師のお爺さんがいたちの代わりに人ぎつねを取って売りにいって帰ってくると、お婆さんがこたつへもぐりこんで首だけ出し、お爺さんが売った値段をあてる。人ぎつねはよくつくようなことをいったので、これはきつねがついたと思い、犬がいるぞ、というと、犬は怖くないと言うので、鉄砲で打つぞというと鉄砲は怖いという。それから奥に入って布団に入って寝ると、ひょっと目を覚まして、なんでもないような顔をしてお婆さんは起きてきた。そして、今さっきのことを話しても知らないといったという。
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キツネ 1935年 熊本県 魚売りが坊さんに会った。狐が出そうな所だったので、連れになって歩いた。ふと坊さんの顔を見ると、顔が長く伸びた。魚売りは魚笊を投げ出して逃げ、百姓家に駆け込んだ。その人にあったことを話すと、その人の顔が坊さんの顔よりさらに長くなった。魚売りは生きた心地がしなくなり、その家を逃げ出した。
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クチサケオンナ 1990年 福岡県 口裂け女。マスクをしていて見える部分は美人。マスクをとると口が耳まで裂け、真っ赤な唇をしている。足が異常に速く、突然凶暴になる。「私きれい」と尋ね、「きれい」と答えるとマスクをとり「これでもきれい」といって襲ってくる。
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ケンムン 1977年 鹿児島県 ある人が夜釣りをしながらケンムンの悪口を言っていた。するとその人は夜通しケンムンにつねられた。その夜はまんじりともできず、ほうほうの態で家に逃げ帰ったという。
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ハンニャ 1922年 大阪府 明治初年頃、ある若者が大阪である宿屋に泊まった。陰気な部屋に通されたので変えてくれと頼んだが他は一杯とのことだった。牛満頃になると首筋からゾクゾクしたかと思うと誰かが身体の上に乗ってきた。重くて身動きできなかったが、乗って来た者の顔を見ると般若のようで、曲がった角が生えて目がつり上がり、口が耳まで裂けて青い顔をしていた。冷たく生臭い息を吹きかけられ、一晩苦しんだ。女中の翌朝言うには実は色々怪異のあった部屋という。その後他の所に泊っても例の般若が現れるようになった。
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ヘンゲ 1938年 福島県 5、60年前日が暮れて山小屋にいると、ホーイと声をかけられたので、ホーイと答えた。すると馬鹿でかい声でホーイと返ってきたので、これはヘンゲだと思い、6人で出来る限りの大声を張り上げたが、今度はさらに物凄い声で怒鳴られたので、皆顔色を失って屋内に逃げ入った。また、小屋を揺さぶられたこともあった。
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スゴロクダニ 1930年 岐阜県 昔、飛騨船津の者が2人で谷を極めようとしてあるいていたとき、いつのまにか1人の男の顔が鬼のように恐ろしい形相になっていた。しかし、それを見た男の顔も鬼のようになっていた。二人は谷の奥に住む鬼が人間が入ってくるのを喜ばないのでこういうことが起こるのだろうと考えたが、実際は谷の日射によって人の顔を恐ろしく見えたのだろうとのことである。
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クチサケオンナ 1990年 宮城県 女。髪が長くコートを着て、大きなマスクをつけている。きれいかと問い、否定するとどこまでも追いかけてくる。ポマードと言うと逃げる。整形に失敗して異常な性格になった。
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