ゴウラ 1981年 和歌山県 話者の父が子どもの頃のこと。友だちと川に行ったらその子が「鯉がいる」と言って追いかけて行き、しばらくして死んで浮かんだ。肛門に穴が開いていた。ゴウラの仕業。
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ゴウラン 1981年 和歌山県 話者が小学生のときのこと。川で泳いでいた子どもが溺死して、尻からモヤモヤしたものが出ていたのでゴウランに尻こ玉を抜かれたということになり、皆でいぶり出してゴウランを殺した。大きな笠を被った、胴ばかりで足のないヌルヌルしたものだった。それを軒に下げていたら、大勢が見物に集まった。その家の隣のお婆さんが「ゴウランとは妙なものだ」と呟くようになって、しばらくしたら産気づき、ゴウランの子を産んだ。周りの人が、本人には知らせずにその子を殺してしまった。
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ゴウライ,(カッパ) 1977年 和歌山県 クヘ渕という場所がある。昔、九平という人がそこでゴウライに尻を抜かれたという。そこを九平渕という。
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ガワッポウ 1925年 大分県 ガワッポウに尻を抜かれて死んだ者は、溺死というかたちで、尻の穴が抜かれている。
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ゴドウ 1962年 徳島県 ごどうとは蛙の大きいもの。ある村でごどうがばあさんに化け、山に仕事に行っているおじいさんを呼びに行く。ある晩、家人が病気だと言われ、おじいさんは家に帰るが何事も起きていない。別の晩、再びおばあさんが呼びに来たのをおじいさんは怪しみ、力まかせに鎌を打ち込んだ。翌日血の跡を辿りつつ帰ると、家の床下で大きなごどうが内臓を吹き出して死んでいた。
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ガタロ 1991年 滋賀県 2人の若者がもぐりをやっていて、1人が大岩の先から深みに飛びこんだ。渕の底におかっぱ頭の上に皿があるガタロが一匹いて相撲を挑んできた。上で待っていたものがいくら待っても上がってこないのでもぐっていくと、河童が先の男の尻に吸いついてずるずると渕の奥へ引きずって行った。肛門から肝を抜いたのだ。
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トウジョウ 1976年 山口県 坊さんが宿を借りた。家人が外出中に家の隅の壷をふと見ると、トウジョウという蛇がうじゃうじゃととぐろをまいていた。坊さんが煮え湯を入れてトウジョウを殺すと、たいへんに感謝された。トウジョウは人に憑いて肛門から体の中に入り込み、体を食いぬく。
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ムジナ 1972年 千葉県 ある秋の夕暮れ、おやじさん2人の帰りが遅かった。途中で若いおっかさんに会い、むすびをもらって食べたと言う。そのままぼうっとしてしまい、家の玄関につっ立っていた。後日、その場所で大きなムジナが捕まった。そのムジナが化かしたので、おやじさんは馬糞を食べさせられたのだろう。
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ガラッパ,カッパ 1989年 鹿児島県 川で人が溺れて死ぬと、ガラッパにお尻を抜かれたという。カッパのことをガラッパという。
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オトラギツネ 1916年 愛知県 ある老人がおとら狐に取憑かれ、歯がないのに生魚を頭からバリバリと音を立てて食べた。
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ゲンベエブチ 1956年 宮城県 お盆の頃町内の若者達が鰻捕りの相談をしていると坊さんがやってきて「お盆中に殺生などやるものではない」と説教していった。源兵衛があの和尚は渕の主らしいといったので,仲間達は一層勢を得て毒揉みをした。すると大きな鰻が浮かび上がり,腹を裂いたら先刻の和尚に馳走した麦飯が出てきた。源兵衛はその祟りで死んでしまったので源兵衛渕と呼んだ。
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キツネ 1976年 和歌山県 つれた魚の腹を裂いていたら、狐がもらいにきて、断ったらその途端、体がふるえ出したので逃げ帰った。爺さんが狐にだまされ、同じ所ばかり回っていたという。
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ヒダルイザカ 1982年 東京都 ある家で、奉公人に食べ物を十分に与えないでこき使って死亡させた。その後、夜になると「ヒダルーイ。ヒダルーイ」という声が聞こえるようになり、ヒダルイ坂と呼ばれるようになった。
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ゴウラ 1981年 和歌山県 キュウリを食べてから川に入ると、ゴウラが尻を抜くという。
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ガオロ 1958年 岐阜県 子を抱いた女が田植えに使うオオアシ(泥田で使う大型の下駄)を買いに行く途中、渕を通りかかると水面にオオアシが浮いていた。拾いに渕におりたらそれはガオロが化けていたもので、女と子供は渕に引き込まれてしまった。
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タヌキ 1973年 鳥取県 吉川集落の奥山で、木挽きが大勢で小屋掛けして山仕事をしていたら、夜、小屋の上から女が覗いた。作州から来た木挽きが不審に思ってヨキを持って寝たら、次の夜、女が入ってきて1人1人顔を見ていく。一番奥に寝ていた作州の木挽きがヨキで斬りつけたら、跳んで逃げていった。仲間はみな、舌を抜かれて死んでいた。吉川の村人総出で血の跡をつけたらエナミ谷の岩穴に続いており、その穴をくすべたら、狸の毛の白くなったのが出てきた。その狸が人を殺していた。
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ガワイロ 1987年 岐阜県 夏、瓜または胡瓜を食って川に水浴びに行くと、ガワイロが出る。ガワイロは瓜が好きで、尻の穴から人の臓物を喰う。
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タラ 1982年 宮城県 夜、女のもとに体の冷たい男が通ってきて正体がわからないので、親爺が針に麻をつけて相手に刺しておくように言った。そのとおりにして翌朝糸を辿っていくと、馬で5駄もある大きな鱈が死んでいた。その浜をゴンダラと呼ぶ。
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タヌキ 1987年 岐阜県 夜中お爺さんを誰かが起こしに来る。外に出てみると誰もいない。狸の仕業だった。
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オイヌサマ 1974年 山梨県 猟師が山で鳥を撃っていたとき、オイヌさまが死人を掘り返したのを担いでチリチリチリと音を立てて行くのを見て、気づかれてのどを食いきられて殺された。オイヌさまは青目がギラギラ光り、牙が鋭い。墓を掘るときはオイヌさまに掘り返されないように深く掘らなくてはならない。
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