タヌキ 1979年 岐阜県 炭焼きをしていたときのこと。夜、窯をきれいにしての帰り、後ろでボンボン音がする。立ち止まると音も止まり、歩き出すと音がする。道路に出て荷を降ろしたら、大きな人が目の前にいて、見ているとさらに大きくなり、被さってきた。狸の仕業。
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タヌキ 1981年 和歌山県 炭焼き小屋に泊まっていると、狸が女に化けて笑っていた。翌晩は男と女に化けた狸たちが来て、芝居をした。それに見とれていたら、炭窯がだめになってしまった。
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タヌキ 1974年 愛媛県 みよという所の炭焼きが、祭りの晩に山奥へ炭焼きに行った。薄暗くなったころに餅を取りに家に戻り、餅を小屋の中に吊り下げて寝た。夜中に目を覚まし外へ出ると、女の声がした。その声について5分ほど歩くと声が消え、小屋から離れた場所にいた。狸に化かされたと思って引き返すと、狸に餅を全部取られていたという。
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キツネ 1974年 栃木県 山奥で炭焼きをしている人が、狐が縁の下で「夜が明けるよ、夜が明けるよ」と言うのを聞いた。
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タヌキ 1985年 高知県 炭焼き小屋では夜に木を倒す音が聞こえる。途切れ途切れに聞こえるこの音は、狸の仕業である。
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タヌキ 1981年 和歌山県 1940年ごろのこと、市之谷で2人の男が炭焼きをしていた。1人が用事で泊まれなかったとき、狸が太鼓を鳴らした。もう1人の小屋を見回ってみると、いないはずの男が寝ていた。実は用事が済んで泊まりに来ていたのだったが、狸が化けたものだと思って口論になった。やがて誤解は解けたが、みっともないので村の人には黙っていたが、いつしか知れることとなった。「狸が言いふらしたんだろう」ということになった。
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タヌキ 1935年 愛知県 狸を捕りに行ったら日が暮れたので山小屋に泊まった。すると太鼓の音と豆売の唄の節が聞こえてきた。そのまま寝てしまい、翌朝小屋から出ると、一面に狸の足跡があった。太鼓の音は狸の仕業と知って大笑いした。
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タヌキ 1975年 高知県 炭焼きをしていると夜更けに木馬を挽く音やカスガイを打ち抜き炭木を落とすような音がする。朝になって見ると何事もない。狸のいたずらだという。
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タヌキ 1932年 高知県 炭焼をしていた話者が夜竃をしていた所、自分の娘が呼びに来た。怪しんで火縄銃を差し付けたら、逃げて行った。また別の日、隣の男が来て「お前の女房が病気だから帰ってくれ」という。怪しんだ紺蔵が男を竃の前で待たせて観察していると、男は居眠りを始め、耳も口もすっかり狸の相を現してしまった。そこで燃える炭を叩き付けると狸は逃げ、翌朝、焼け爛れた大狸が谷川に浮いていた。
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キツネ 1981年 和歌山県 炭焼きの人が山で、瓦を割るようなカキーンという高い音が向かいの山からしてくるので不思議に思っていってみると、こんどは自分がもといた山からその音がしてきた。狐の仕業。
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タヌキ 1991年 愛媛県 炭焼きがお宮祭りの帰り、酒に酔って炭焼き釜へ寄ったら狸に引かれて、田んぼに入って稲を踏んで回ったりわけのわからないことを言ったりして、気づいたら夜明けになっていた。
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タヌキ 1937年 大阪府 酒造場の桶納屋で、狸が腹鼓を打つ音を聞いた。近くなったり、遠くなったりして、月夜の晩や雨夜の晩も度々聞こえるため、大変評判になった。
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タヌキ 1981年 和歌山県 話者の祖父が材木を山から降ろすときに狸の巣を壊したら、夜に炭焼きをしているときにドンドロドンドロドスンと材木を運ぶ音を出させた。狸は人糞を好むというのでそれを餌に罠を掛けていたら、狸の爪と皮がついていた。その夜も材木の音がした。
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タヌキ 1991年 愛媛県 話者が山で木を切っていると大きな音がする。誰か松でも切っているのかと見に行くが、なにもない。炭焼きのために泊まり込んでいると、山の中から「おーい、おーい」と呼ぶ。返事をしても誰もいない。そこで罠を仕掛けると、次の日狸がかかっていた。
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タヌキ 1981年 和歌山県 炭焼きさんが仏谷で仕事をしていたら、前の山でからかさのようなものが揺れて「ホーイホーイ」と言っていたので、行ってみると消えていた。狸の仕業。
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(タヌキ) 1977年 和歌山県 岩の瀬を通ろうとすると、狸が餅を投げてきたが、嘘だった。炭焼きする人がはいとこに行くと、木を放ってきたが、音だけであった。かま出しをしていると、えぶりつかみに来たという。姿は見えないけれど、引っ張られる気がしたという。
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タヌキ 1998年 京都府 ある秋の夜、炭焼きのかまどから白い煙がもくもくと上がっていたので、口からのぞこうとすると、上から頭を押さえつけられた。狸がついたということで、腰のキセルを抜いて煙草を詰め、残り火で火をつけて吸ったら狸は退いたという。
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タヌキ 1929年 長崎県 田中に父子二人が住んでいた。父が病気で死んでしまうと息子は他村に働きに出かけ、その間は彼の友人が合宿をしていた。ある晩一人の若者が用たしに起きてみると死んだはずの家主の親爺が生前やっていたように腹を出し燃える圍櫨裏に大きな腹を出して温めていた。それは森に棲む大きな古狸の仕業だった。
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タヌキ 1994年 京都府 番に炭焼き小屋で窯焚きをしていたら、鋸で木を伐る音がした。狸が化かしに来ているに違いないと思い、矢庭に燃えた木をつかんで音のするほうへ投げつけると、炎の明かりの中に、黒いものが逃げていくのが見えた。
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アシノナガイヒト 1992年 鹿児島県 炭焼き小屋で寝ていたら、人の話し声が聞こえた。そっと見ると、足の長い人が大勢、膝をかかえながら火にあたっていた。怖くなって寝ていると、いつの間にかいなくなった。
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