イド,オンナノナキゴエ 1968年 佐賀県 ある家の女中が10個揃いの茶碗を1つ割ってしまい、叱られて裏山の井戸に身を投げた。雨の降る夜にはその井戸から女の泣き声が聞こえるという。
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フルイド 1965年 愛媛県 昔庄屋の庭にあった古井戸で、女中が入水自殺をした。数年前まで古井戸はあったが、田にするために潰した。古井戸の付近は、何度石積みをしてもすぐに崩れるという。
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テング 1972年 石川県 女土工が昼食の湯茶に使う水を汲みに谷川に下りたがいつまでたっても帰ってこなかった。同僚が下りていったら、頭を粉砕されて死んでいた。天狗の剣にかかったに違いないと当時噂された。
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イケ,コエ 1936年 岐阜県 姑が嫁に、今日中に田の苗を植えろと命じたがそれを果たせず嫁は田で自殺した。それから何時からか田に水が湧き池になった。天候の変わり目には嫁の泣く声が聞こえるという。
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オト,ロウバ,ユメ 1985年 愛媛県 筆者の友人がある製材工場内の借家に移り住んで暫くして、夜中に井戸に水滴が落ちる音で目覚めるようになった。そしてある夜、老婆の白い髪に火がついて惨死する夢を見た。妻も同じ夢を見ていた。その家は戦争中に空襲で焼かれた老婆が火だるまになって井戸に飛び込んだ所の上に立てられたものだった。
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キモンヘムカッテトンダクビ 1977年 神奈川県 昔、ある大工が柱を3本ほど短く切ってしまって困っていたところ、その妻がクシガタ(枡形)をつけることを提案した。それでうまくはいったのだが、大工は自分より賢い妻を置いておくわけにはいかないとして、彼女の首を切ってしまった。その首は、即座に鬼門へ飛んでいったという。
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シラガ,ユウレイ 1953年 宮崎県 山里の豪家に住む当主は夫婦とも養子で、勝気な妻は気弱な夫ばかりか、養家の老母を虐待し、老母は先祖の墓前で首を吊って自殺した。以来家の中に白髪の幽霊が出て妻は発狂して死んだ。
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シニン 1954年 兵庫県 ある嫁が間男し、首を吊って死んだ。隠坊が焼こうとすると、死者が棺桶から出て声を出さずに崖石を登っていく。何度止めても登っていくので、ついに石油をかけて焼いてしまった。
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スッポン 1933年 大阪府 主が鼈(すっぽん)を料理しようとしたところ、出刃包丁を井戸の中に落とした。包丁と引き換えに助命する旨鼈に告げると、鼈は包丁を探し当てて出て来た。しかし、主人は違約し、鼈の首を刎ねた。すると、その首は主の咽喉笛に噛み付き、主は絶命した。
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オンナノコノカオ 1986年 東京都 テストでカンニングをして答案用紙を取り上げられた女の子が井戸に身を投げて自殺した。それから、その井戸を覗くと水面に死んだ女の子の顔が映り、「テスト返せ」と呼ぶ。同じクラスの女の子が自分の家の井戸の水を汲もうとした時も、水面に女の子の顔が映り、「テスト返せ」と叫んだ。
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ザトウ 1979年 蘭亭という号の人物は、彼の家に奉仕していた座頭を大変嫌い、何とかして追い出そうとする。そこで座頭に無実の罪を着せて出入りを禁じさせたのだが、それに怒った座頭が井戸に入って自殺する。その死んだ翌日から蘭亭は目を病み、ついに失明した。座頭のせいか。
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カナワノイ,ウシノトキマイリ 1933年 京都府 鉄輪という嫉妬深い女が神に祈って丑の刻参りをして気疲れ、井戸の前で死んだ。ゆえにこの井戸を鉄輪井という。この場所を婚礼の行列は通らない。
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ユウレイ 1933年 神奈川県 ひとりの遊女に職人が夢中になった。職人の女房は遊女を恨んで自殺した。それから、毎夜、遊女が寝ている部屋の障子に髪の毛をサラサラあてるものがあった。男も気味悪がり、発心して札所巡りに出たが、宿で必ず「お二人様」と呼ばれた。ついに龍本寺に入り、一生を終わったという。
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ボウレイ,ウラミ 1972年 茨城県 昔、50歳ぐらいの侍は、正室と側室を持っていた。お互いに仲良くなかったが、ある時、正室が井戸に落ちて死んでしまった。100年も過ぎた頃、この付近で50歳位の男が次々と死んでいった。これは正室の恨みであろう。
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イド 1979年 岩手県 池田家に1人の美しい娘がいたが、とある事情により屋敷内の井戸に飛び込んで死に、その頃から同家の没落が始まったという。その後池田家の地は北日本相互銀行の用地となり、同行建設の折に井戸も無くなった。それ以降同行の行員で病弱になるものが少なくないという。遠野地方では井戸を埋めることは不吉の徴とされる。
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キジョ 1933年 大阪府 貧しい夫婦の女房が奉公へ出ることになった。浮気をせぬよう夫と約束するが破られてしまう。遣り切れない女房は夫と女の咽喉笛を噛み切って殺した。奉公先には血だらけの口をした女房の遺体が残され、生霊が窓から飛ぶのを見た者もいたという。
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ヤナセノオキチ 1975年 高知県 郷士の家の若い下男と女中が相愛の仲になったが、主人は女中を、奥方は下男を好いていたので、叱られた下男は自殺した。女中は下男を殺した罪で死罪とされた。それ以降その家では不思議なことや不幸が続き、祠を建てたが一家は他国に移った。
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〔タキブチノヌシ〕,ヒ,シロイコロモヲキタオンナ 1957年 愛知県 滝渕という古い渕を工事のために埋めてしまったら、その責任者の家の井戸の石垣から火が出たり、スズミから火が出るなどの怪異がおこり、家が焼け、結局絶家してしまった。滝渕の主の祟り。この井戸からは夜になると釣瓶を手繰る音がし、白い衣を着た女が水を汲んで居る所などが見かけられた。
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(トブナマクビ) 1939年 新潟県 昔、ある城主が城を築く大工を募集した時、妻の勧めで怠け者の大工が応募した。大工は妻の知恵で試験に合格し、城を作ることになったが、大黒柱を切り違えた。これも妻の知恵で乗り切ったが、大工はその秘密を知る妻を口封じのため殺した。妻の首は北へ向かって飛び去り、早晩立ち返って城を崩し、雷のように叫んで影を失ったという。この祟りを恐れて、弓矢を北方へ向けて供えるという。
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ヘビ 1974年 埼玉県 武州板橋から1里ほどいった処の西戸田村に、2人の娘を持つ寡婦がいた。その姉の方も不孝者で、母に食事を与えなかった。姉の夫が隠れて食物を与えたが姉に見つかり、食物を奪い取って蹴散らした。それもあって母が病気にかかり、泣く泣く寝屋から出て井戸に身を投げた。姉の夫は驚いてハシゴを降ろそうとたところに姉がやってきて、姉は誤って井戸に落ちた。すると母は半身が蛇となって姉に巻き付いたが、夫の志が忘れがたく、やさしさを気にかけて許すと言って姉を放し、母は死んだという。姉もしばらくして死んだ。
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