バケモノ 2000年 山形県 昔々、旅人が化け物寺と噂される寺に泊まった。天井のほうでがさがさ音がして目が覚めると、生臭いにおいがする。見ると、天井の穴から三味線のつながった白い糸が降りてきた。三味線を弾こうと思って触ると、体がくっついて離れなくなった。その後、和尚がやってきて化け物を退治した。天井裏からは化物に食われた人の骨が出てきた。化物は5升鍋の蓋ほどの大きさで、毛むくじゃらで、3尺ほどの大きさであったという。
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バケモノ 1978年 和歌山県 昔、六地蔵の下に小判などの秘宝があり、他の土地からきた人が、その小判を掘り返して盗んだために、そこには化け物が出るという話である。
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コエ,カナガメ 1953年 福島県 夏井川の川岸のある竹藪に、夜になると化物が出るという。「おっかねえ」というようなうめき声が聞こえるので近寄るものがいなかったが、勇敢な若者が確かめると、声は水際から聞こえる。翌朝行ってみると、今にも川に落ちそうに傾いている金瓶があり、中に大判小判がつまっていた。若者は大金持ちになって幸福に暮らした。
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バケモノ,ミ,フロシキ,タイコ 1941年 秋田県 旅人が荒れ果てた寺に泊まると、化物が3匹出てきた。椽板を剥ぐと、古い蓑と風呂敷と古い太鼓が出てきた。
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ツバキノツチ 1938年 新潟県 化物が出る寺に僧が泊まっていると、大坊主が出てきた。僧が、化物は大蟹や大鯉や椿の槌などが化けたものだろうと言い当て、最後に地獄に行けと言うと、それ以来、化物が寺に出る事は無かった。
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バケモノ,フルデコ,フルミノ,フルガサ,フルツヅミ,シャクシ 2000年 山形県 「あんじょ寺」と呼ばれる寺には化け物が出るという噂だった。そこへ旅人がきて泊まったが、夜12時も過ぎた頃、台所の囲炉裏を焚いて話をする声が聞こえた。古蓑、古太鼓、古傘、古鼓の化け物であった。見つかりそうになった旅人は杓子の化け物のふりをしてやりすごした。よく朝みると、古道具があちこちに放ってあった。
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ヨウカイ 1932年 埼玉県 妖怪が出るという廃寺に旅僧が泊まっていた。すると次々と化け物がやってきた。旅僧はやってくる化け物の名前を判じて退治した。
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テン 1941年 新潟県 寺へ泊まった或尼僧は美しい反物に誘惑され、一反失敬して夜明け前に逃げ去ろうとしたけれども、どうしたことか出口がわからずもがく間に夜が明けて発見された。
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オオバンコバンノバケモノ 1976年 山口県 つぶれた酒屋にお化けが出た。度胸のある男が行くと化物が出て、自分は大判小判の化け物だと名乗り、酒屋の後を継いでくれと頼んだ。男は酒屋をやって成功した。
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ナキヤミヤシキ 1956年 宮城県 長健寺という寺の門前で、夜に「おぶさりたい、おぶさりたい」という泣き声がする。ある人がおぶってやろう、と背負って家に帰り、背からおろしたら小判が入った箱だったという。
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アモコ 1963年 青森県 盆の晩、ある若者が人々を驚かそうと、化け物の格好をして踊りから帰ってくる村人たちを待っていた。ところが村人たちに本物の化け物と思われ「そら化け物がいる。アモコだ」と追いまわされ、散々な目にあったという。
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オオニュウドウ,ゲタ 1941年 秋田県 ある山寺は化物寺といわれ、住職がいつかなかった。そこへある坊主がやってきて、現われた大入道を湯をかけて退治した。正体は床下に捨てられた、朴の木と栗の木の下駄だった。
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オオキナオバケ 1966年 香川県 庄屋の有馬衛門三郎が夜に村内を見回っていると、山道で大きな化物と出会った。腰の刀に手をかけると鍔の鶏の彫り物が鳴いたので、お化けは朝が来たのかと思って退散した。
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カッパノヒデンセッコツヤク 1956年 岩手県 旧仙台領江刺郡の北上川畔二子町城下に住んでいた小田島大炊之助という侍の家で,夜厠に女中衆が入ると怪物が出て悪戯をする。主人が夜上厠してみても何事も起こらないので,女装して屈んでいるとやがて冷やりとしたこわばったものが触ってくる。大炊之助がそれを捉え,隠し持った短刀で斬り離すと怪物は叫び声を上げて逃げ去った。よく見るとそれは水掻きのある痩せた腕であった。それから三日目の夜,夢現の中で化生の者が大炊之助の枕上に現れた。跳ね起きて脇差を構えると,化生の者は平伏して「この河の鎧が渕に棲む河童だが,向後悪戯はせぬゆえ腕を返して賜れ」という。切り離した腕を返しても仕様があるまいというと,それには秘薬があるからというので,秘薬の処方と引き換えに腕を返した。河童は妙薬を取り出し,見事に腕を継ぎ合わせてみせた後,その処方を伝授し,帰っていった。手負いの者の治療に大変もてはやされたが,代替わりの後はさほどでもなくなった。
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バケモノ 1976年 秋田県 住職を化物が食ってしまう寺があった。片目の坊主がある日やって来て寺に住むことを申し出た。坊主は寺の化物と問答のかけ合いをして勝ち、化物を退治した。化物の正体はむじなであった。
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オオボウズ,コボウズ 1932年 静岡県 ある宿屋の下の部屋は陰気で、壁に大坊主と小坊主の姿をした雨じみがあった。夜が更けると、閉めたはずの表の格子戸の開く音がして、手で砂を払う音とともに、大坊主小坊主が抜け出てきた。それは上の部屋にも上がってきて、寝ていた男に手を引っ張るぞと囁き、ずるずると床の間へ引っ張っていった。
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ヒトツメノバケモノ 1973年 富山県 村の若い衆がチョーズ場で一つ目の化物を見た。追いかけてきて、夜が明けると消えた。
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マクラコゾウ 1969年 香川県 ある晩、大窪寺の寺務所で寝ていたら、ふと目が覚めた。小さい子供が足の上に来て立っていた。叫ぼうとしても叫べなかった。この化物をマクラコゾウと呼んでいる。
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オオニュウドウノバケモノ 1955年 青森県 貧乏な父子がいた。爺が泊まった先の妹娘が嫁に来たいとせがみ、とうとう嫁入りしてくる。ある日の留守番中、化け物の大入道が3人出てくる。饅頭をやると食べ、帰っていった。翌日も来て嫁に「我々は甕に入った金の精だ。掘ってくれ」と告げ、それで長者になった。
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バケモノ 1960年 福島県 山の上から「ぶっつありてい!!」と叫ぶものがあるという話を聞いたものが、それを捕まえに行った。暗い影のようなものが背中にぶつかった。毛がふさふさしていて四本脚の化け物で、箱に詰めて湯を入れ、翌朝開けると金がいっぱい入っていた。
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