ヘビ 1981年 長野県 池田の沼の主の蛇は膳椀を貸してくれたが、ある人が返さなかったので、それから貸さなくなった。大雨で池が潰れたので、阿南町の深見の淵へ棲みついた。そのとき娘の姿で榎畑という家に寄り、送ってくれとお婆さんに頼んだ。淵に着くとお礼にと金の扇子をくれて、蛇になって淵に入った。
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ゼンザエモンイド 1985年 長野県 井戸があった。心がけのよい人が膳を借りに来ると、翌日には用意されていた。それをきちんと返さなくてはいけなかった。ある時強欲な人が借りて、返さなかったことがあり、以来井戸から膳が出てくることはなかった。
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ヘビ 1981年 長野県 池田(イケンタ)の沼に主の蛇がいた。膳椀を貸してくれたが、あるとき村の者が返さなかったので、娘の姿になって天竜川を下って阿南町まで行き、お寺の井戸に入ってそこを池にした。それが深見の淵。寺で鐘をつくと主が暴れるので、その寺は今でも鐘をつかず、代わりに太鼓を叩いている。
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ハクジャ 1988年 奈良県 ある女房が亭主に、帰ったら必ず外から声を掛けるよう頼んでいた。亭主が黙って家に入ると、女房はトグロをまいた大きな白蛇になっていた。正体を見られた女房は自分の目玉を舐めるようにと子どもに与えて池に消えた。やがて目玉がなくなると現れてもう一つも与えたが、盲目になって昼夜の区別がつかないので、朝夕鐘を鳴らしてほしいと頼んだ。そのために建てた寺が龍泉寺。
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ビジョ 1969年 新潟県 青柳池の蛇神は美女に化けて市中に出かけたり、寺の説教聴聞に出かけたりしていた。時に安塚の城主が見初めて縁をむすび、池に入水したまま帰らなかった。城主が片目だったので、それより池魚の目は片方に曇りを生ずるに至った。
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イケノヌシ,(ハタオリノオト),(ワンカシブチ) 1961年 長野県 筏ヶ池の主は女。雨が降ると機織りの音が聞こえる。この池に頼むとお膳を貸してくれたが、ある人が椀を一つ欠いて返してから貸してくれなくなった。
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イケノヌシノダイジャ 1984年 新潟県 談義所坊という寺におとわという女中がいた。わらび採りにいって、金北山のふもと近くまで登ってしまう。おとわはそこで月の障りのために汚した腰巻を洗うと、池の主の大蛇が立派な男に化けて出てきておとわを口説く。男は白い馬に乗って迎えに来、ついにおとわは男と山へ登る。おとわは池を通りかかった和尚に鏡と亀甲の帷子の袖を形見に残してそのまま池に飛び込む。この形見は談議所坊の宝物となっている。
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コウボウダイシ 1940年 新潟県 一杯の水を所望した弘法大師を邪険に扱ったある女房の顔が馬へと変わってしまった。驚いた亭主が許しを乞うと顔は元に戻ったが、以後、井戸には水が出なくなった。
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リュウジン 1982年 京都府 大旱魃の時、長者屋敷の竜神井戸にもし水を授けてくれたら娘を嫁に差し上げますと祈ったところ、田畑に水が満ち、娘は竜神に嫁に行った。娘は夜井戸に来て頼めば欲しいものは何でも出してあげようといい、ある年皿を借りて一枚割れたまま返すと井戸からすすり泣きが聞こえ以後願いは聞き入れられなくなった。
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カッパ 1927年 長野県 昔、井戸のような池があり、手紙を書いて浮かべると膳椀を貸してくれた。池から河童が田植えの手伝いにも来たが、あるとき、田植えの振舞のオセチにタデをまぜて食わせたところ、姿を見せなくなった。
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ヘビ 1970年 愛知県 いつも寺に来る蛇が死んでいたので、住職が葬ってあげた。すると、寺で受戒のあったとき、蛇が女になって和尚の弁当を持ってきたという。
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イケノヌシノダイジャ 1984年 新潟県 談義所坊という寺いたおとわという女中が月の障りの腰巻を池で洗ったことから、池の主の大蛇に口説かれる。形見を残してついに池に飛び込んで消えてしまう。その池にある浮島の井戸に樵夫が鉈を入れたところ、暴風雨になったり、池の水を田にかけたら稲が枯死してしまったともいう。
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ダイジャ 1941年 福井県 池に住む大蛇は昇天を試みたが失敗していた。大蛇は小魚に化け、水を取りに来た老婆に飲み込んでもらうと、老婆の姿は一変した。その姿を見て悲しくなった老婆は帰宅をあきらめ、今後池の水を枯渇させないと約束をして、池に飛び込んだ。大蛇はついに昇天できなかった。
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イケノヌシ 1939年 千葉県 長沼池には弁天様が祭ってあるが、池の主は蛇だという。池の主は他村から来た女性に化け、近くを通る村の馬車引きなどと道連れになる。そして池が汚れたとか祠の掃除の仕方が悪いとか、その池についての希望をさりげなく話す。話しかけられた者は村人にそれを告げ、村人は総出でその希望通りに祀るという。
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ワンカシブチ 1965年 宮崎県 観音崎の龍神に頼むと、椀や膳を滝の上から貸してくれた。ある時それを返さなかったので、貸してくれなくなった。
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ダイジャ 1936年 岐阜県 チンマという下女がいた。美しい娘で、チンマの煮る食べ物は味がよく主人に気に入られていたが、何かの事情で長者の家に居られなくなり付近の家に身を隠した。後にチンマの炊事していたところに蛙や蛇の骨が沢山見つかりそれで料理を煮出していたことがわかった。チンマと親しかった青年が池に行きもう一度人間となって会いたいと叫んだが、チンマは頭に六本の角のある大蛇となって現れた。青年は恐れしくなって逃げ帰り、それから池をチンマが池というようになった。
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ダイジャ 1939年 福井県 およねという女が、夜道に迷って池にはまり大蛇となった。その後は、化けて男の元に通っていた。成仏を願って、報恩講には川からやってきて参っていた。およねの墓を見つけて供養すると、報恩講には雨が降らなくなった。
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ヘビ 1968年 福井県 大滝(今立町)の財産家の娘が志津原に来て池はどこかと尋ねた。お爺さんが案内してやったら、娘は蛇になって池に入った。このことは人にいうなと言われたので黙っていると、毎日家に魚やご馳走が届けられた。不審に思った村人にきつく尋ねられて事の次第を明かしたら、魚は届けられなくなった。今でもお爺さんの家は祟りを恐れて池に近づかず、財産家の家は池にお参りをしているという。
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ヘビ 1985年 山形県 目の良く見えない坊主が山の中で道に迷い、山中の洞の中で泊った。退屈なので持っていた三味か琵琶かを弾いていると、若い娘がやってきた。聞かせてくれと言う。一通り語り終わり、娘に正体を尋ねると蛇だという。子分の蛇もいて、食べ物がないので洪水を起こして村を全滅させて村人を食うつもりという。村に下りてから村人にそれを告げ、村人は対策を講じて蛇は死んだという。坊主は告げ終わると死んでしまったので、それを祀った。
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コサブロウイケ,ダイジャ 1942年 昔小三郎という男がいわなという魚を食べたら水が飲みたくてたまらなくなり、泉で水を飲むと足から大蛇になった。泉のあった野原は見る見る池になり、小三郎はその主の大蛇になった。親がきて「小三郎よ」と呼ぶと、大蛇の姿であらわれたので、「もとの姿になってくれ」と頼むともとの小三郎となって池の真ん中に現れた。
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