キ 1933年 神奈川県 ある先山がひとりで朝から晩までかかって大木を伐り倒した。伐り倒したあと、近所の家を一軒ずつ廻って、報告をし、一巡したあとそのまま呼吸をきって死んでしまった。
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テングノキタオシ 1964年 福島県 深い山の方角から、はじめ「ぱかっ、ぱかっ」と音がして、やがて「わり、わり、わり」と木の裂ける音がした。地面に倒れる音はしなかった。石神の奥や野手上山できくことがあった。から木倒しとも言った。
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キ 1922年 和歌山県 東の谷の大ヂャという所に樹齢数千年の欅があり、これを切り倒したところ夜中に怪僧が現れ、作業に関わったものを捻り殺した。この欅は大神様の立て木、神の遊び木であったのだろうということである。
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イワダケマル,クビ,カミナリ 1971年 栃木県 刎ねられた岩嶽丸の首が飛翔して大木にぶつかり、下の池に落ちて死んだという。また、朴の木にぶつかり、朴の木が倒れたともいう。
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ヤマノカミ 1967年 大分県 山の神の遊木を切り倒した時、木がねじれて倒れたり斧の柄が抜けたり天候が急に悪くなったりした。
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イワダケマル,クビ,オンリョウ 1971年 栃木県 刎ねられた岩嶽丸の首が飛翔し、岩嶽丸を裏切った大蔵の家の裏にある古木に止まったという。
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ヤマノカミサマノキ 1982年 群馬県 山の神様の木を切ったら、山から下ろすときにその木に挟まれて、足を潰してしまった。
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テング 1959年 長野県 高い石段を登ると、小さな祠がある。大きな木を切り倒したとき、その音が北の山々に届いたほどである。社の左に杉と檜の抱き合わせの木があり、これを切った時には、赤い着物の天狗が木の股から現れたという。
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ヤマノカミサマノキ 1995年 群馬県 山の神様の木をきった樵は木にはねられて死んだ。
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マジンノバケギ 1975年 高知県 持畑の中の大木を切り倒そうとした男が、突然腹痛に襲われ死んだ。弟が兄の後を切り始め、木屑を焚火で燃やした。すると夢枕に白髪の老人が立ち、魔神の化木と名乗り、二度と切れものをもって近づくなと告げる。朝起きると弟の右腕が肩からなくなっていた。
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ヤマノカミサマ 1977年 青森県 夫が山に木を伐りに行って昼になっても帰らないので妻が心配して見に行くと、美しい女の人が、木の上で作業をする夫を支えている。妻が声をかけたら女は消え、夫は木から落ちて死んでしまった。女は山の神だった。
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ビジョ,ダイジャ 1937年 愛知県 穴瀧という瀑布があり、近くに大蛇の遊木と言われた大欅があった。ある時、ある男が大欅を切り倒そうとした。すると美女が現れて名残惜しそうに立っていた。男はそのまま仕事を続けていたが、ふと大蛇の化身ではないかと思いついた。急に戦慄を覚え家に逃げ帰ったが、病床に臥してそのまま死んでしまった。
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フドウサマノスギノキ 1987年 山形県 昔、不動様の杉の木を切ってしまったら、オナカマに降りた神様が「残念だ」といい、伐った人は怪我をして買った人は病になり、木も川を流して運ぶ最中に嵐で酒田まで流された。御神木だった。
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ホウイントミカタノマツ 1956年 宮城県 法印の墓印として植えられた松がぐんぐん成長して根回り18尺,枝10間四方の巨木となり,「三方の松」として霊木視されていた。昭和29(1954)年同部落で毘沙門堂の修理に際し,その資金に当てるため土地の所有者小島某が三方の松を材木商に三万円で売り渡した。材木商は地元では頼めず他町村から雇い入れ,上斧入れの前には僧に回向を頼み,部落民に供養の振舞もした。祠堂のためだから祟りもあるまいと思っていたが,伐採から一年足らずのうちに樵二人と所有者小島某が相次いで亡くなってしまった。部落民は因縁の恐ろしさを囁き合ったという。
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ヤマノカミサマ 1977年 青森県 夫が山に木を伐りに行って帰らないので妻が心配して見に行くと、美しい女の人が、木の上で作業をする夫を支えている。妻が声をかけたら女は消え、夫は木から落ちて死んでしまった。女は山の神だった。
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ダイジャ 1983年 岐阜県 天皇が落ち延びてきた先で大蛇に襲われた。天皇の情勢が険しくなったとき大蛇のいた木が爆発し、大蛇が飛び散った。そして天皇は助かった。
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シロザル 1992年 宮崎県 ある男が、諸塚と椎葉の間の槙の大木を切り出そうとしたが、容易に倒れなかった。それは市山大明神の神木だからだと知り、京都滝口大明神の印入りの斧を用いて倒した。そのとき、槙の大木から白猿の夫婦が飛び出し、悲しそうな顔をして去った。男は木を川に流して美々津まで行ったが、猿もついてきた。その夜、槙は不審火で全焼してしまった。白猿の夫婦は市山大明神のお使いだった。
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ドビン 1974年 京都府 屋敷を広げるため洞窟を切り崩すと、穴の前に立っていた古い大榎にどびんがさがった。手をのべてつかもうとするとすっと消えた。榎の下に石地蔵尊を建てると、以降どびんはさがらなかった。
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フルソマ 1915年 高知県 深山で「いくぞーいくぞー」という声が山に鳴り渡ると、やがて木の折れる音がして、すぐ近くに大木の倒れる音がする。けれどもそのほうに行ってみると何も無い。これを古杣と言い、むかし伐木の際に木に打たれて死んだ者の仕業だと言われている。
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レイボク 1975年 山形県 聖天宮の杉の大木を伐りだそうとすると斧の切り口から血が噴出した。続けると真中からぽっきり折れたので根元のほうで大きな船を作って川を下した。すると船は突然向きを変え川を上り始め、やがて静かに沈んだ。旱魃の時はこの舟を棹でつつくと雨が降る。
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