(リンシタイケン) 1965年 宮崎県 皆で名前を呼ぶと息を吹き返すことがある。死人の出た家の軒下は三途の川になるといわれ、屋根に登って名を呼ぶと、「三途の川を渡りかけたが、あんまり呼ばれるので戻って来た」と、息を吹き返すという。
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(リンシタイケン) 1989年 静岡県 死にかけたとき、向こう岸の花の咲いたきれいな所から手を振って招くので三途の川を渡ろうとすると、後ろから家族や親戚に呼ばれて渡れなかった。そうしたら気がついた。お題目が聞こえたともいう。
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タマシイ 1964年 青森県 死人の魂は恐山に行く。恐山の三途の川を渡ってしまえば死ぬ。引き返せれば生き返る。
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(ゾクシン) 1980年 岐阜県 葬送に関する俗信。三途の川を渡るときに、名前を呼ばれたので戻った人がいるという。猫が死体をまたぐと生き返るので、死体に近寄らせないという、など。
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イキカエッタシニン 1983年 香川県 ある家に死人が出て、棺桶に入れて役場まで行くと、棺の中から声がして死人が生き返った。どこか遠いところを先へ歩いて行くと、後ろから名前を呼ばれるので戻って来たのだという。しかしその人はその10日ほどあと再び息を引き取った。
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(ゾクシン),ネコ 1936年 栃木県 死人の上に猫が上るとその死人が生き返るという。
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(デキシ) 1984年 愛媛県 川で溺死しかかった者を生き返らせるには、カラカサの骨で火を焚き温めると息を吹き返す。
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ネコ(ゾクシン) 1975年 静岡県 葬式の時に猫を出しておくと、死人が生き返ることがある。
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(リンシタイケン) 1964年 福島県 話者の祖父が三十三歳の時に死にかけた時の話。おとぎの国のような赤や青の光のするきれいなところを歩いていた。途中何度も名前を呼ばれたので、あちこち隠れながら三途の川を渡った。川幅は広いが浅かった。その向うの死出の山も丘みたいなものだった。向うは一面の平野で花畑、その向こうにすばらしい鉄の門と御殿があって、赤鬼と青鬼が立っていた。通してくれと頼んだら、「お前はここに来るのは早すぎる、帰れ帰れ」と怒られ、金棒を振り下ろされた、と思ったら息を吹き返した。
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ネコ,(ゾクシン) 1939年 和歌山県 猫が死人の上を3度飛び越えると死人が立って騒ぐ。死人のあるときには猫を家に入れない。
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ヒバシラ,ムジナ 1982年 東京都 若い人が娘の所へ遊びに行った帰りに、急に明るくなって火柱があがった。幾晩か様子を見ていると、ムジナが上を向いてふうーっと息をしていた。その息が火柱になったらしい。
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ゴビョウノハシ 1929年 和歌山県 高野山には、業の深い人は渡ることができない御廟の橋がある。無事渡れるか心配になった太閤が、人知れず渡ってみると、障りがないことがわかったので、翌日大勢の前で威張って渡って見せた。
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オニ 1975年 広島県 備後国帝釈山の谷川に鬼橋という名の橋がある。神代の昔帝釈天が眷属の鬼に一晩でかけさせたといわれている。昔はこの橋を渡れたら浄土に、渡れなかったら地獄へ行くと言われていたが今は渡る人もいない。
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シニン 2000年 大阪府 一里ばかり郡を隔てて男のもとに通う女がいた。ある夜西河原の宮の森にさしかかると、いつもの一つ橋が流されて向こう岸に渡れない。女は行き倒れの屍骸を橋代わりにして渡ろうとする。するとその死人は女の裾をくわえて離さない。女は引き剥がして渡ったが、いぶかしがり戻ってわざと裾を死人の口に入れて、死人の胸板を踏んだ。すると先ほどのようにくわえた。足を上げると口が開いた。死人に心はなく、踏むと口を閉じ、離すと口をあけるのであった。そのことを男に話すと、男は肝をつぶし女を遠ざけてしまった。
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ネコバシ 1938年 京都府 橋を渡ると誰かの呼ぶ声がし、その声が聞こえると必ず川にはまる。
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ソウヅカノバアサマ,ハギノバアサマ 1996年 香川県 三途の川にはソウヅカノバアサマがいる。岩黒島ではハギノバアサマと呼んでいる。この婆さまは死者が三途の川を渡るとき、死者の死装束をはぎとる。だから着物や晒しの切れ端を1枚余分に入れておかなければならない。
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ボウレイ,フネヲヨブコエ 1937年 秋田県 保呂羽山権現の別当の家の火事の後、焼死した人の霊魂が大森船場で「ほーい、ほーい」「ほーほー」と船を呼ぶ声となった。船頭が船を渡してやると声はやむという。
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ウス,ツボ 1980年 和歌山県 急死した時、壺や臼に頭を入れて死人の名を呼ぶと、生き返る。
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キツネ 1990年 福島県 蕎麦畑で蕎麦を刈っていると、人が来て「うー深けー、うー深けー」と畑を漕いで行く。狐に騙されて、畑を川と思わされていた。
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クダ,(ツキモノ) 1989年 長野県 クダに憑かれると、親戚へ移っていくことがあり、きつねに化かされたときと同じようになる。橋の下などでクダがぐーぐーと鳴いているという。治すときは、親類などが集まってお経をあげたり、大声で怒鳴ったりして追い出したという。
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キツネ 1982年 三重県 昔山を買いに来た人がいて、夜遅くなってしまった。川の向こう岸へ行くのに浅く見えたので、川を渡ろうとした。少し行くと水が胸のところまで来てどうしても渡りきれないので、川の中をあっちこっち引っ張りまわされてとうとう一夜明かした。きっとキツネにだまされたのだということである。
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