イヨウナオト,テング 1938年 福島県 一昨年魚釣りに山に入ったとき、風も無いのにブーンと異様な音がして巨木が皆なびいた。天狗様がお通りになったのであろうということであった。
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テング 1993年 福井県 大きな岩石があり、ここの天狗がいると恐れられていた。ある日この近くで三左衛門という人が炭を焼き始めた。天狗が現れ「ここはわしの庭だから、すぐ帰れ。笛を吹き、太鼓が鳴ったら下山しろ」という。無視していると数日後に天狗が現れ「もう一度合図するので、帰れ」という。風が強くなり、雨も降り出したので下山した。あまりの大嵐となり、三左衛門の家は倒れた。
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デンゴサマ,テンゴハン,テング 1977年 富山県 テンゴサマ(テンゴハン・天狗)は、一本松や一本杉にいることが多かった。神社の森にある巨木にいることもあり、多くの人に信じられていた。
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テング 1995年 長野県 三河峠で真っ暗になって困っていたら、白髪の爺さんが現れて肩へ乗るよう言い、言う通りにすると直ちに家に到着していた。それは天狗様だったという。
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テング 1995年 滋賀県 昔、高い木には天狗がいると伝えられ、夜、歩いていると天狗に引っ張られたという。
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テング 1932年 愛知県 夜、男が峠で一服していると、鼻の高い、髪も髭も真っ白な老人が、羽の団扇をあおりながら段々と近づいて来た。天狗だと思い内心恐怖を覚えた男ではあったが、態度には出さず、冷静に対応した。すると、その度胸を買われて目のない魚をもらった。
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テング 1940年 岩手県 山から天狗が通ってくる酒屋があった。姿は見えないが、通いに来たときには必ず大風が吹き、なにやらただならぬ空気が流れる。酒屋の主人は天狗が通い来てもべつに商売に支障はなく、かえって火の用心がよくなったとさえ言っている。
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テング 1990年 岐阜県 夜遅く峠を歩くと天狗が出て人を追っかけたり、いたずらしたり、目に見えなくても、近くに天狗が現れると、髪の毛が逆立ったり、顔に怪我をしたりする。ある時若者たちが天狗を懲らしめようと松の木に腰掛けていた天狗を縛り上げた。すると貴船神社へ仕返しに現れ、池へ臼を投げ入れた。その臼は他の池から浮かび上がってきたという。
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テング 1927年 岐阜県 カスミ網を張って置いたところ、大風が吹いて血の垂れる足のようなものがかかった。驚いていってみると、何も掛かってなかった。天狗が通ったのだろうと語り合ったという。
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テングサマ 1938年 福島県 天狗様の祠にある木の切り株に登って「天狗天狗さらわばさらえ」と大声を張り上げた帰り道、グイグイ後ろに引かれた。振り返ると鎌が1、2間先に落ちていたので拾った。家に帰るとまた鎌が無くなっていた。数日して、木の上数間のところに鎌がかかっていた。天狗の仕業であるという。
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テング 1977年 鹿児島県 昭和50年に80歳の人がした話である。山で他の木と違って見事に成長した木には天狗が宿る。こうした神木に斧を打ち込むと斧が跳ね返される。それにも気付かずに木を切ると災いはまぬかれない。
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ヒ 1947年 山梨県 ヤナ場を組んで魚を採っていると、山から灯をつけて降りてくるものがある。灯は水に入るとますます大きくなりヤナ場に流れてきた。天狗かと思って怖くなって祈った。大入道がヤナ場に入ってきてびっくりしたが、天狗ではなかった。
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テング 1980年 和歌山県 大きな松の木に天狗が出たという。天狗松と呼ばれる。星山橋の近くにも天狗がいたという所がある。
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テング 1932年 山口県 東郷峠を夜半に越えていて苔むしたところへ来ると気が遠くなり、木がつくと下の田に落ちていた。天狗に投げられたのだと言う。
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テングサマ 1995年 島根県 横道のある猟師は、山で山伏が振る鈴と金の常箸を拾って以来、天狗さまを尊び、毎日山に行った。山ン婆が飯を炊くので山へ行ってはならない2月9日も、猟師は天狗山に行った。大きな猿のような爺を打つと下へ落ちていったが、それは天狗さまだった。その後、大雪の晩に、猟師は行方がわからなくなり、天狗山の奥深くで、大怪我をして見つかった。
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テング 1936年 岐阜県 夕暮れに履物をおろすと天狗にさらわれると言われているのを無視しておろしたところ、門口に立っていたほっそりした男について来いといわれた。ついては行ったが面白くなかったので休んでいると男は帰れといい姿を消した。1時間ほどの事だったが、5日間も行方不明扱いになっていた。
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テング 1976年 和歌山県 日光神社に泊まっていた時、木を伐る音がした。そして、急に木の倒れる大音響がした。それで噂の通り天狗のいることを知ったという。
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テング 1976年 和歌山県 杉の木などが風もないのになびくのを天狗の風になるという。一の枝の東に向いたものは、天狗松という。昔、天狗にさらわれた男が、この松に引っ掛かっていたという。
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テング 1986年 愛媛県 用の山の山の神の祠の左に大きな石がある。その石を足なし天狗の足休めの岩というが、杣が山で木を切っていると、何かが頭を何度もフンバッタ(踏んだ)ので、ナゾッタ(払いのけた)。まだフンバルので、あつかましいと、斧を頭上で振ったところ、天狗の足を切ってしまった。天狗は人の心はだいたい読めるが、杣は無心でやったので、天狗にも分からなかったのである。それ以来足なし天狗と祀りしている。天狗は風の神様だという。
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テング,ヒノタマ 1956年 群馬県 川にも天狗がいる。川で漁をしている男がいて、ある日、ばかに魚がとれる日があった。男が薄気味悪くなって来た時、ゴロゴロッと石の落ちる音がして火の玉が転げてきた。それと同時に網が急に重くなり持ち上げられなくなった。男は「天狗が出た」と叫んで逃げ帰り、2,3日寝込んだという。
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