キノセイ,ケンムン 1977年 鹿児島県 昔、二組の夫婦がいた。一方の夫婦の男が、もう一方の女に惚れていた。その男は、惚れていた女の夫を海で殺し、女に自分の妻になるように頼んだ。女は男に一抱えできる木を抱えたら結婚すると約束した。男が木を見つけ抱えると、女は亡き夫の恨みを晴らすために男の掌に釘を打ち込んで殺した。その死霊が木の精(ケンムン)になったという。
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ケンムン,ケンムン 1981年 鹿児島県 ケンムンはもともとは人間だった。皆津に住む美人の妻に横恋慕したある男が夫を殺し、妻を自分のものにしようとしたが、妻はそれに気付いていて、男を木に打ちつけて殺した。その男の死霊がケンムン(木の精)になったと言われている。
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ケンムン 1974年 鹿児島県 昔、ある漁夫が釣りに出かけ、とった魚の目玉を取られた。ケンムンの仕業だと悪口を言うとケンムンが沢山出て来たので、集会所に逃げた。漁夫はセーロ(蒸し器)の中に入って隠れていると、間もなくケンムンがやってきて、あたりのものを手当たり次第に壊した。しかし、セーロには近寄らず、帰りがけに敷居を枕にして寝ていた人を殺して出ていった。
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ケンムン 1969年 鹿児島県 ある男が12月頃の晩に潮干狩りに行く。木を枕に海岸で寝ていると、その木はケンムンの枕木だったのでケンムンの声がして来た。「今晩生まれる子が女の子であれば、他部落に嫁入りするように。その時大雨が降るが木の下に隠れるように。その時石垣もろとも木が倒れ娘は命を失う。運命だ。」男が家に帰ると女の子が生まれていた.。成長し嫁入りすることになったが予言どおり大雨になった。父はついていくといって聞かず、雨宿りさせなかったので無事に嫁入りは終わり、その子は百才まで生きた。それで田舎ではケンムンの死の予言を祓う。
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キジムン 1969年 沖縄県 ある男がキジムンと友達になり、一緒に漁をして豊かになったが、働きすぎで疲れて仕方がないので、キジムンの棲むウスクの木に釘を打ち込み、キジムンを棲めなくした。
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エンコ 1965年 高知県 ある男が隣村の女に通い、女の親がそれを許さずに、家に閉じ込めた。娘はひそかに男に通って一緒になったが、男が漁に出ている間にエンコが男に化けて女と契り、女はエンコの子を産んだ。エンコの子はタライをかぶせて殺してしまった。
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ケンムン 1977年 鹿児島県 ある人が夜釣りをしながらケンムンの悪口を言っていた。するとその人は夜通しケンムンにつねられた。その夜はまんじりともできず、ほうほうの態で家に逃げ帰ったという。
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ヨウマ,キジムナー 1969年 沖縄県 鮫殿という男が妖魔と友達になり漁をしたが、やがて妖魔を恐れて、住処の桑樹を焼いて追い払った。数年後、友人に木を焼いたことをもらすと、友人は妖魔に変じ、小刀で指の間を刺して男を殺した。
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ケンモン,ネブザワ 1976年 鹿児島県 昔ネブザワとユネザワという漁師がいた。ネブザワはユネザワを殺し、ユネザワの妻に言い寄った。妻はネブザワの手を山の木に釘で打ちつけた。神はネブザワを半分人間半分けだもののケンモンにした。だからケンモンはネブザワという言葉を嫌う。
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ノロ,ノロイ 1966年 沖縄県 昔、根神殿内に美しい神女がいた。村の男たちの憧れの的であったが、神女であるために手出しができなかった。しかし神女は日本からきた若き医者と結婚してしまう。嫉妬した男たちは医者を殺し、遺骸を辱めた。すると島は災害に見舞われ、災難が続いた。これは医者の呪いであるとされ、遺骸は丁寧に葬られた。
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ケンムン 1977年 鹿児島県 浜でケンムンが魚を釣っていた。魚を釣ろうと何時間もがんばっていた。それを見ていた人は怖くなり、浜道は通らずに山道を通って村に帰った。
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カニ 1941年 秋田県 ある日、爺様が子供たちから蟹を助けた。それから沢へ行くと美しい女がいて、仲良く話をするようになったが、婆様の嫉妬で、その女は蟹に戻った後、殺されて、鋏は屋根に、甲羅は畑に捨てられた。
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テナシムスメ 2001年 青森県 昔、ある大金持ちのところに美しい一人娘がいたが、ここに心がけの悪い後妻が来て、家来に娘を殺すように命じた。家来は殺すに忍びなく、娘の両手を切ることとした。後に娘に子が出来た。この子供を背負ったまま娘が水を飲もうとしたとき、背中の子供が川へ落ちそうになった。その子を捕まえようと娘が精一杯両腕を伸ばすと、力の入った拍子に両の手が出てきた。
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ケンムン 1987年 鹿児島県 ある女の人が山に入った時ケンムンに惑わされ妊娠した。生れた赤子はケンムンの子だった。その家は村一番の分限者だったが、子供が死ぬと落ちぶれた。
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キジムン 1969年 沖縄県 ある男がキジムンと友達になったが、妻が嫌がって、キジムンの棲むウスクの木を焼いて追い払った。数年後、キジムンの転居した木を訪ねて、うっかり木を焼いたことをもらしてしまい、男はキジムンに眼を潰された。
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ケンムン 1985年 鹿児島県 山羊を牧場の小屋につないでおくとケンムンが猿のように悪戯する。ケンムンに狂わされた男が頭に3寸釘を突き刺したりした。ケンムンを罵り、雑言を飛ばした為であるといわれる。
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ケンムン 1977年 鹿児島県 女が機を廻していたら、ケンムンが天から降りてきた。女は恐れをなして逃げた。翌日、ケンムンがまたやってきた。女はすでに逃げていた。歌を歌っていたら、女の夫帰ってきて船を浜に揚げようとしていたのでケンムンは邪魔をした。ケンムンは夫と一緒に家に戻った。妻は夫を誘い、家を捨てて遠くへ逃げた。ケンムンはその家を焼いて天に昇ったという。
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キジムナー 1992年 沖縄県 上の裏のウスクの木に住むキジムナーと友達になって毎晩魚を取りに行っていたが、うるさくなったので木を嫁に焼かせた。後日、崇元寺の木に移ったキジムナーを尋ねた男は目に火をつけられた。それ以来、目の悪い子孫が続く。
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オシドリ,ユメ 2002年 栃木県 下野の国の阿曽沼に鷹を使う者がいた。ある時鷹狩りをして、鴛の雄を取って帰った。その夜の夢に品の良い女が現れて、怨み深い様子で泣いて、「なぜ私の夫を殺したのか」という。「そんなことはしていない」というと、「確かに今日召し取った」といい、歌を詠じて飛び立つのを見ると鴛の雌であった。驚いて朝見れば、昨日の雄と嘴をあわせて雌が死んでいた。男はそれを見て発心して出家した。
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ヨウマ 1929年 香川県 旅先で出会った上臈と恋に落ちた男は、故郷に連れて行こうとした。しかし嫉妬深い女房が怖くなり、上臈を島に置き去りにした。無人島に残された上臈は、あえない最後を遂げた。それからは女の怨霊がでて、この島に近づく舟で無事帰れたものはまれであった。
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