ワシ 2001年 但馬国の山里で鷲にさらわれた女児が何年か後に丹波国加佐郡で見つかり、実の親元に帰っていく。
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ヘビ 1929年 長崎県 娘が若者と結婚し身ごもったが、日に日に体が瘠せていった。老父は心配になり山伏に尋ねると、子供は湯の中で産み、夫には鷲の卵を与えるようにと告げられた。娘はたくさんの蛇を湯の中に産み落とし、全て死んだ。夫は鷲の卵を与えられると、大蛇となって木に登り、卵を取ろうとして鷲と対決になり、負けて岩に落ちて死んでしまった。
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キツネ 1978年 茨城県 昔、水戸海道若芝宿の原で、筑波郡栗山村のある人が原を通っていると、美しい女が現れた。怪しみながらも家に連れ帰り妻とし、子をもうけた。その子が12、3歳になった時、母親の正体が狐であることを見破ったところ、女は原に戻り行方がわからなくなった。今でもその女の子孫が近隣にいる。
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マンコウ,サイノカミ 1931年 岩手県 駒木のミゾロヶ池の山奥にナガシダというところにマンコウという美女がいた。この女を見初めた旅の馬喰と共同生活をしていたが、男が山で殺されたのを悲嘆して山を降りようとした。その途中の地獄山というところで産気づき、男の子を産み落としたが、産み落とすと同時に、大鷲にさらわれてしまった。女はミゾロヶ池のほとりに住み、後にサイノカミとなったといわれている。
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キツネ 1976年 岐阜県 美濃国である男が野の中にいた女を妻にした。やがて男の子を生んだ。ある時家の犬が子を生んだがその仔犬が女を喰おうとした。すると女は正体を現し野干になった。
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ヤマオンバ 1931年 長野県 信濃の山奥で鳥獣の肉を食ったり生血を吸ったりしているうちに山姥になった女が、金時という子供を産んだ。金時は時々夕方になると酒買いに里に下りてきた。親子は百余年の間あちこちの山に棲み暮らして長寿延命したという。
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(サルニナッタコ) 1974年 栃木県 下野国足尾宿の子が、5歳の時に行方不明になってしまった。10日ばかり後に庚申山という山に登ると、岩の上で多くの猿が遊んでいた。そのなかに子がいて、親が名を呼ぶとこちらにやってきた。見ると身体に毛が生えて猿になっていたという。
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オニ 1941年 秋田県 空の鬼が娘をさらい、娘は鬼の嫁になって子を産んだ。婆がソラ豆の梯子で娘に会いに行くが、鬼に見つかって追われた。娘の機転で難を逃れ、娘、婆、子の3人は家に逃げることが出来た。
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テング 1995年 静岡県 若夫婦が赤子を小屋に置いて畑仕事をしていたら、大鷲が赤子をさらって岩岳山に飛び去った。若夫婦は大鷲を追って山に行き、2度と戻ってこなかった。それから50年程して、乞食の老婆が小屋の近くで息絶えていた。村人は赤子と老婆の墓を並べて作った。赤子を持ち去った大鷲は、岩岳山の天狗の使い。
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ヤマイヌ 1935年 岐阜県 木こりが自分の双子の娘に与える乳を求め山犬に頼み将来の約束をする。山犬との約束を忘れ成長した娘を嫁に出すが、娘の傍らに夫にだけ見える山犬がついているために離縁される。
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サケ,ロウジン 1921年 岩手県 美しい娘が鷲にさらわれて淵に落とされたが、淵の中から老人が出てきて娘を家に送った。老人は娘に結婚を申し込み夫婦になった。この老人は実は鮭であったので、その子孫は今でも鮭を食べない。
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オトコ,ヘビムコ 1936年 岐阜県 娘の元に毎夜美しい男が忍んで来た。乳母は男を怪しみ糸をつけた針を男に付け、翌朝その跡を付けた。すると山奥に至り洞穴の中から娘を孕ましたが、菖蒲湯に浸かれば難を逃れる、と言う会話が聞こえてきた。その通りにすると娘は蛇の子を産み落とした。
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ヘビ 1956年 福島県 男がアサガ山で知り合った女と一緒になったが、女は蛇だった。女は赤子を産むと、これを舐めさせろと眼を抜いて渡し、池へ帰った。その玉が盗まれた。もう一つの眼も抜いたが、それも盗まれた。親子三人で死のう、ただ、盗んだ者は勘弁できない、と言って、池の栓を抜いてあたり一面を海にしてしまった。アサガ山の下辺りに、その村が見えるという。
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シカムスメ,シカヒメ 1931年 岩手県 昔、ある奥方が山奥で産をしたとき、鹿にその子を託して死んだ。鹿は赤子を角にくくりつけられたまま山を下り、老夫婦のところに赤子を連れて行った。その子は鹿娘(もしくは鹿姫)と名づけられた。成長した後、長者の家の火焚女になり、長者の息子と結婚したといわれている。この娘は雀がとまったまま梅の枝を折ったり、引き綿の上を新しい草履であるいたり、水の上を歩いたりできたという。
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テングサマ 1936年 岐阜県 子守女の息子が3歳の時、畑仕事の途中で行方不明になった。後に平湯峠で同村の者がその息子と出会った。その子が言うには天狗にさらわれ修行を積み、今ではどこでも好きなところに飛んでいけるようになったという。
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オンナ 1921年 岩手県 上閉伊郡上郷村に住んでいた美しい娘が急病で死んだ。その3年後、六角牛山という深山に狩りに行くと、女がいて、死んだようにみせかけられ、人ではない夫に連れてこられたのだという。狩人はこの話を他の人にすると、女の命も自分の命もなくなると言われた。
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オシラサマ 1956年 中国 晋 娘が父を思い、飼っていた馬に父を無事に連れて帰ったならば馬の嫁になると約束した。馬は父を連れ帰ったが、父は怒り馬を殺して皮を晒してしまう。皮は娘を捲いて桑の木の間に飛び去り、やがて蚕となった。
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イミ,チブク 2003年 山梨県 出産があって五日後、山に狩りに出て大怪我した人がいたといわれる。
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ヤマノカミサマ 1928年 鹿児島県 勝浦というところで、美しい娘が行方不明になった。娘の着ていたものはみつかったが、その姿を見つけることはできなかった。3年後、父親が山の中で娘とであった。そのとき娘は「山の神様と結婚して幸せに暮らしています。それで永久に村へ帰ることはできません」と言い、走り去ったといわれている。
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(ヒョウイ) 1975年 昔、2人の子を持つ夫が別の女のもとに通い、妬んだ本妻が1人の子を殺した後で自殺した。夫は後悔し、もう1人の子を親類の娘に託して育ててもらう。数日後その娘が夕暮れに道で本妻と出会う。本妻は「こやこや」と呼びとどめ、手厚い養育を感謝し、しばし身体を貸してほしいと言う。恐ろしくなった娘は逃げ帰ったが、その夜に具合が悪くなって寝込む。けれどもその子が泣く毎に抱き上げて、本当は出ないはずの乳をやる。また子をあやす時の声や面影は本妻そっくりだが、子が寝ている時は元の娘に戻るという。仏事をとり行い、子を乳母に育てさせると、娘の病もなくなった。
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