ダイジャ 1932年 福岡県 本村の山に昔大蛇がいた。ある猟師が鉄砲で仕留めたが、蛇は死ぬとき「お前の命もあと一年だ」と言い残した。翌年猟師が近くに来た時蛇を仕留めた場所へ行ったところ、白骨となって残っていた。何かのはずみで骨で足を突いたが、それが原因になって猟師は死んだ。
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ダイジャ 1955年 神奈川県 昔、ある人が畑を耕していると、土の中の丸い穴から大きな蛇が出て来た。地面にさしたフズキグワに着物を掛けたまま逃げ出した。蛇はそれを人間と思って呑んでしまった。そのため、蛇は死んでしまい、ある家でその骨を秘蔵していたという。
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ダイジャ 1974年 昔から出羽国のきり山の城は、大蛇が巻き付いて守護しているといわれている。ある場所の大きな岩の割れ目に、黄色で石畳のような鱗が生えた蛇がすきまなくとぐろをまいており、首と尾は誰も見た事がないという。
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ダイジャ,ハト,ツツジ,カミノイカリ 1916年 東京都 新島の白鳩を大蛇が追いかけた。差地山の躑躅で目を突いて飛べなくなった白鳩を大蛇は殺して三宅島に逃げようとした。しかし新島の大三皇子と母神が大蛇を退治し、骨は八丈島に、胴は三宅島に、屍は新島にそれぞれ分けた。そのため新島の蛇は人に食いつかず、三宅島には蛇が住まず、差地山の躑躅は花が咲かなくなったという。
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ダイジャ 1939年 新潟県 山人が大蛇を捕えて切った。保存していたが、娘が見つけて食べてしまった。すると、娘は喉が乾いたので、川の水を飲んでいると、水に映った自分の姿が大蛇になっていたので、山野を荒し歩いた。
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ヘビ 1989年 長野県 どんどん大きくなる蛇を打ち殺した人が三ヶ月ほどしてその場所に行くと殺した蛇は骨だけになっていた。その人が骨を蹴り飛ばすと骨が足に刺さり、蛇の毒が体に回って帰宅後まもなく死んでしまったという。
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ヘビ 1930年 京都府 70年程前、男が仏谷山に牛を放して草を苅っていたら、大きな蛇が牛をたたいたので、牛が暴れた。男は牛をしばりつけていた縄に鎌を投げつけて切り、牛とともに逃げて帰った。その後しばらく男も牛も寝ついた。蛇には耳があったという。
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ダイジャ 1984年 長野県 大蛇に飲み込まれた男がいる。大蛇の腹の中で熱い物、胃液だろう、がかけられたが、刀を抜いて何とか這い出た。家族が行ってみると、大蛇は腹を裂かれ、男は介抱されて元気になったが、全身の毛が一本もなくなった。
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イヌガミサマ 1984年 長野県 夜になり猟師は野宿した。愛犬が激しく鳴き、不思議に思ったが何もない。それでもうるさく鳴くので、愛犬の首を切り落とすと、その頭と共に大蛇が落ちてきた。犬が大蛇に噛みついていたのだ。危ないところを助かった猟師は犬の首を持ち帰って供養した。
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ダイジャ 1955年 山梨県 明治十七年、道志村の村民五人が馬に乗っていると大きないびきが聞こえ、巨石の上を見ると鎌首をのし上げた大蛇がにらみ据えた。村民は逃げ帰ったが、四人はそのまま長患いし、一人は悶え死にしてしまった。
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ダイジャ 1970年 岡山県 鞍淵という淵で雨乞いをする。かつて、洪水のために出てきた隣村の池に住む大蛇が杉の枝に引っかかっていたので殺した。その骨を焼いて灰にして鞍淵に捨てたので、蛇気があるからだという。
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ダイジャ 1940年 新潟県 死んだ馬を埋めたりする所で、蛇はそれらを食べて大きくなったのではないだろうか。蕨取りに出かけた人が驚いたので、消防団がこの大蛇を捕まえようとしたが、結局無理だった。
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ダイジャガオコシタオオミズ 1987年 長野県 ある日,二人の猟師が本沢にやってきた。岸の茂みに大蛇がおり,恐ろしくなった若い猟師は年上の猟師の制止にもかかわらず鉄砲で大蛇の頭を撃った。大蛇は死なず,淵に飛び込んで見えなくなった。覗き込んでみたが影も形もなく,やがて淵の中からもうもうと霧が立ち昇り,真っ黒な雲が空を覆った。その日から3日間大豪雨となり,近辺の村に大きな被害が出た。5日目になってようやく晴れた。村人の中に,蛇が流れ下っていくのを見たものがおり,きっと赤沼の池の主が池と一緒に流れ下ったものだと言い合った。
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ダイジャ 1934年 大阪府 犬と共に猟に行くが獲物が獲れない。山奥に入ったところで大鹿に出会ったが、犬が吠えやまないので、獲物が逃げることを恐れた猟師が犬の首を切った。首は飛んでいき、大蛇の喉に噛み付いた。命を救われた猟師は、この犬を懇ろに祀った。
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ダイジャ 1974年 京都府 安永の頃、竹野郡の百姓がソバの畑を荒らした大蛇を殺した。それ以来家中に小蛇があらわれるようになり、百姓は六部姿で廻国の旅に出て、供養塔をたてたが、次の代まで不幸が続き、大蛇の死汁が流れた川の水は三年ばかり牛馬さえ口をつけなかった。
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ダイジャ 1961年 静岡県 昔、大蛇が長者が原の方から天城山の池へ通っていた。その当時、尾張の針屋が刀をさしてきた。大蛇がその人を呑もうとすると刀が自然にぬけて大蛇にむかい、針屋は呑まれなかった。それを見ていた人が刀をすりかえたので、その次には呑まれてしまった。針屋の娘が大蛇を退治しに来て、小杉原のアネガクボとイモウトガクボというところで、大蛇を射た。最後の矢が大蛇の目に当たり、蛇は転げて岩にはさまった。その岩はジャガバサミという。また、大蛇の歯と使った矢を伏倉のナカインキョが蔵している。
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ダイジャ,ヌマノヌシ 1967年 茨城県 沼の付近で大蛇が現れ若者1人を丸のみにした。満腹で動けない大蛇の腹を別の若者が斬って救い出したが、救い出された若者は帰ってから死んだ。村人が斬った場所に行くと、大蛇はおらず、逃げていった所の草が倒れていた。大蛇は恐らく沼の主だったのだろう。
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キツネ 1987年 長野県 昔,長門町(現長和市)と丸子町の境,鳥羽山に尻尾の先が白い狐が棲んでおり,よく人を化かした。あるとき,仙石原の方から子供達が大勢やってくると,犬たちが揃って吠え始めた。するとその中の一人が今やってきた道をまっしぐらに駆け出し,四つんばいになって山の中へ走りこんでいった。村人が一晩中探したがその子は見つからず,翌朝,村から10数メートルも離れた隣村の山中で発見された。子供は疲れていたが元気で,着物には白と茶色の狐の毛がびっしりつき,地面には生物の血が転々と落ちていた。狐の毛も沢山散っていた。以後件の狐を見たものはいない。
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ヘビ 1937年 愛知県 草を刈っていた男が、草のそよぐ音に驚いて振り向くと、大きな兎を追ってきた蛇が鎌首をもたげていた。兎は一口に呑まれてしまった。あまりの恐ろしさに逃げ帰り、幾日も寝たという。
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ダイジャ 1941年 奈良県 猟師は、喧しい愛犬の鳴き声で獲物を取り逃がした。怒った猟師が愛犬の首を切り落とすと、その首が、今にも猟師に噛み付こうとしていた大蛇に食い付いた。悔恨の念に苛まれた猟師は、出家して愛犬の霊を弔った。
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