ナキツマ 1976年 広島県 備中笠岡の北4里ばかりに荏原という村がある。そこである人が熱病を病んだところ、毎夜亡妻が現れ看病した。これは亡妻が現れたために熱病を病んだのだろう。
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レイ 1976年 山形県 羽州米沢の町田弥五四郎という人は、とても信心深く、毎日寺に通い、帰りに住職と話をするのが習慣だった。病床にあっても、その習慣は変わらなかった。しばらくして、彼が昨日死んだという知らせが寺に届いた。住職は彼が昨日も寺に来ていたので不思議に思ったが、常に寝込んでいたと聞いて、彼が霊になって来ていたことを知った。
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カモコノスイジンノタタリ 1984年 新潟県 昔、加茂村に武右衛門という者がおり、物好きで新奇なことを好んで、新田作りなどをした。ある年のことムラの者と連れ立ち、相川からの帰り道すがら長江川の近くまで来ると、釜屋村に住むという見なれぬ女と道連れとなる。武右衛門はやがてその女に手を引かれて水の上を浮かれたような調子で歩き続けてやがて見えなくなる。翌朝、湖水をくまなくさがしてみると、死体が現れてきたので、村人たちは加茂湖の水神の祟りであろうとおそれおののいた。
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カガミトタビビト 1956年 宮城県 家を離れて旅を続ける1人の旅人がいた。のどが渇いたので沢にいって水を飲もうとしたら、道端の笹のかげに小さな鏡が落ちていたので懐に入れておいた。いつの間にか日が暮れたのでそこで野宿していると、夜更けに「与右衛門さん、与右衛門さん」と自分の名を呼ぶ者がいる。「誰だ」と聞くと、「おはまでござりす」と言い、見ると磐城に残してきた妻だった。「あなたが旅に出てから泣き続け、子の与助も春にホオソ(疱瘡)で死んで張り合いもなくなり、あなたを追ってきました」と涙ながらに言う。旅人は悲しくなったが、ふと懐で触れたさっきの鏡を出すと女の腕が写り、それは毛むくじゃらだった。火を焚いて化けの皮をはがそうとすると女は火を嫌がり、饅頭をすすめた。旅人が半分に割いて女にすすめると女は腹を痛がり泣き出した。旅人はまだ馬鹿にする気かと棒で女をたたきつけようとすると狐は正体をあらわして逃げていった。いつの間にか明け方となり、旅人は「おはまやー、与助やー」と叫び、鏡を見ると、宵の明星がピカピカと輝いていた。
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ユウコン,ヨウカイ,ボウレイ 1974年 慶長年中のこと、ある人の妻が看病の甲斐なく死んでしまった。以来夫恋しさに現われるようになった。彼の友人たちが、彼の寝床へ女が入っていくのを見たが、寝床に入ると女はいなかった。翌日問いただすと、ある人は妻が現れることを語り、10日後に死んだ。
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レイケン,キズイ,ゼンチョウジ 1977年 東京都 備後福山の城主の奥方が口中の痛みの為に死んだ時、今後口中の悩みのあるものは私に祈願すれば治してやるといった。霊験があらたかであるので、その墓の土を取り寄せ江戸の芝、瓦町5丁目の善長寺にも石塔を建てた。
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ユウレイ 1974年 栃木県 下野那須野の内下蛙田村で、不孝であった継子を恨んで死んだ女の霊が毎夜現れ、その継子を悩ませた。継子が妻子を捨て湯殿場の行人になり母の菩提を弔うと幽霊は現れなくなった。
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ダイシノトク,チマキ 1975年 大阪府 河内国錦部郡天見村で弘法大師が立ち寄った家の老婆が、ちまきを差し上げた。すると大師がお礼に祈祷をし、ちまきは後の世までも病を祓うものだという歌を詠んだ。それ以降、その家で、大師に言われた通り身を清めてちまきを作り、旅人にすすめると、これを所持する者は病にかからず、病気の者は回復したという。
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ヒノタマ,レイ 1977年 千葉県 上総国望陀郡青柳村で、正徳初年の頃、ある男が妻を失い後妻を貰ったところ、後妻は大変嫉妬深い女で先妻を忌み嫌った。ある時男の知り合いが寺で先妻の亡霊と会った。先妻は毎夜後妻の生霊が来て戦っているので助けて欲しいと語った。男が夜助太刀すると後妻は死んだ。
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ヘビ 1974年 愛媛県 予州宇和郡藤田村で、ある女の所に夜な夜な夫が帰ってきて、後に懐妊した。女は病気になり、その側に蛇が来て女を守るようにいた。女は蛇の子のようなものを1斗ほど生んで死んだ。病中に女が下女に語ることには、「夫ではなく蛇であった。自分は生きながら畜生道に落ちた」と泣いたそうだ。
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ゴシキノハナ,リュウトウ 1974年 千葉県 上総国福津にじゃじゃ庄右衛門という大悪党がいたが、ある時一心不乱の念仏者となった。ある時病気になり、死を知った彼は色んな人に暇乞いに歩き、眠るように往生した。それから七日間にわたり虚空に五色の花が降り、夜は竜燈があがったという。
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キツネ 1975年 岡山県 備中足守の医者の杏庵が言うには、狐が憑いた者を数回治療したという。ある時婦人に狐が憑き、縛り付けると瘻のようであった。鍼で衝き殺そうとすると狐は屈服し去っていった。
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チイサナウツクシイオボウサン 1975年 愛知県 ある人が病気になった。同じように病人のいる前の家から小さな美しいお坊さんが出てきて、縁の下に入るのを、夢うつつで見ていた。翌日、前の人が見舞いに来て「俺は治ったがお前は死ぬ」と言ったが、逆にその人は死んでしまった。
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ハチメンダイオウ,オニ 1990年 長野県 有明山のふもとに住んでいた弥左衛門は薬草を採りに行って、そのまま八面大王という鬼にさらわれた。妻は1人で幼い息子の弥助を育て、弥助はやがて立派に成長した。ある年、弥助は大きな山鳥を助けてやった。それから3日、美しい娘と知り合った弥助は、その娘を嫁にした。春になると、また八面大王が暴れるようになり、坂上田村麻呂がそれを征伐しにきた。
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キレイナオンナ,バケモノ 1939年 長崎県 不意の事故で父を亡くした親孝行な男が、きれいな女を嫁にもらった。嫁が求めた家は毎夜化物が出る家であったが、夜が明けてみると、嫁は居なくなり、家の中には金が沢山落ちていた。
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オンリョウ,アクリョウ 1974年 茨城県 常州松原村である百姓の妻が死に際して、夫に、後妻を迎えないように嘆願した。その後夫が後妻を迎えるとその夜から亡妻の怨霊が現れ夫の首に抱きつき顔をのぞきこむようになった。祐天上人の教えに従って大勢で念仏を唱え成仏させられた。
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(ゾクシン),コウボウサン,(サワリ) 1935年 滋賀県 海津村にいた彌右衛門という按摩の名人は、晴眼者だが、旅の僧から按摩術を授けてもらった。本人は、あの僧は弘法さんだったろうといっていた。患者の腹に手を当てて、「これは宅地内の木をなぶったからだ。元通りにして詫びないと、揉んでも治らない」などと判じることがたびたびあった。民間薬のこともよく知っていたという。
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(ユウレイ) 1980年 ある人の妻が死んだ翌日の夜、枕辺の障子が開いて、亡き妻が入ってきた。夫は恐ろしく思ったが、妻は着物が欲しいといったので、不憫に思って与えた。こういった事が毎夜続いたので夫はやせ衰えた。それを友人が見て、妻の居所を暴こうと追跡すると、実は妻に仕えていた女だったという。
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シンメイサマ 1941年 福島県 某氏宅にしんめい様がある。あるお婆さんが、若い頃に身持ちが悪く、中年になってから大怪我をして郡山に湯治に出かけ、そこのしんめい様を信心するようになると怪我が治った。それ以来しんめい様を守して歩くようになったという。
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ボウコン 1974年 東京都 江戸久保町で死んだ乳母の回向が疎かだったので、後に迎えられた乳母が病気になった。祐天の教えで念仏を大勢で唱えると少し良くなった。尋ねると死んだ乳母が憑いていて、自分の供養がおろそかにされていると語った。供養を熱心にしたら乳母の病気は治った。
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