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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

サル
1975年
長州に芝居をしに下る船が難船し、どこともわからない、人家が見えない島へ漂着した。島の猿が船を見つけ、沢山磯辺に集まり何かを求めた。これは、この船が芝居の船だということがわかっていて、狂言でもを求めているのではないだろうかと、あるものが三番叟を舞った所、猿達は喜び、たこの干したものを投げ入れ礼をし、高い木に登り方向を教えるようなそぶりを見せた。猿の示した方向へ漕ぎ出すと、長門国に着いた。

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カッパ
1985年 熊本県
船の上で猿に芸を仕込んでいたところ猿が急に怯えだした。海面を見渡すと泡が立ち上っている所があった。先導が棹で突いて離したが、船の後からついてきた。
類似事例

コウシン
1963年 新潟県
漁に出たが悪風にあって流され、途方に暮れて一同は庚申さんに一心に立願した。すると烏が飛んで来てまたどこかへ飛んでいった。日が明けると、300石積の船が見え、助けてもらった。
類似事例

キツネ
1989年 宮城県
高帽をかぶった男が船に乗せてくれと言った。船に乗った男は浪花節を歌った。男が船から陸に上がったら狐になって跳ねていった。気がつくと船にあった鱧がなくなっていた。
類似事例

サルノヨメゴ
1956年 宮城県
昔、ある家に娘が3人いた。ある年の日照りに、どこの田にも水がなくて困っていると、1匹の猿が来て、「あんたの田に水をいれてやるから、娘を誰か1人くれ」というので父が承知すると、猿は忽ち水をためる。父が猿との約束を心配していると、末の娘が快諾して猿の嫁となる。2,3日後、猿と娘がお舅礼に来る途中、藤の木の前で、父にこの藤の花をとっていきたいと娘が言う。猿は木に登ってとろうとし、娘がもっと先というのにつられ、先まで行った。するとからまった藤のつるが木からはなれて猿は川の中に落ち、娘は無事家に帰ってきた。
類似事例

キツネ
1982年 宮城県
ある男が船を出して魚を取って戻ろうとしたが、櫓をこいでも船が廻って陸につかない。なんとか家の下まで来ると、出征して死んだ兄が山から「東京に連れて行ってやる」と呼ぶので山の椿の下まで行くと、今度は「ベルトで首を吊れ」と言われた。枝にベルトを掛けても高さが足りないので、もっと山の中に入った。桑の葉が揺れるのが映画を見ているように感じた。皆が探しに行くと、狐が落ちたらしく断崖で寒い寒いといっていた。その男は3日ほど前からおかしかったという。
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サル
1977年 福島県
ある老人に娘が3人あった。田んぼに水がないことを嘆いていると、猿が水を入れてくれ、代わりに娘をくれと言った。末娘が猿の所に嫁に行った。節供の里帰りの時、娘は猿に臼ごと餅を背負わせて、桜の枝を取ってくれとせがんだ。桜の木が折れ、猿は川に落ち、流されて死んだ。末娘は家に帰った。3番目の娘は最も頭が良く賢いものだという。
類似事例

コウシン
1963年 新潟県
1隻の船が台風で流され、人々のうち1人の庚申信者だけはどこかの砂浜に打ち上げられた。鳥が落とした団子をしゃぶっていると疲れと空腹が治り、生命が助かって無事に家に帰ることができた。
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キツネ,タヌキ,ダンクロウ,サンキチ
1935年 新潟県
団九郎狐は、佐渡に住むたちの悪い古狸の三吉を憎んでいた。あるとき信濃川のほとりで団九郎は三吉と出会う。団九郎は三吉をおだてて酒屋の小僧や大入道に化けるなどさせる。団九郎はお礼に自分の芸も見せるといい、次の日に街道に来るようにいう。三吉が約束の場所で待っていると大名行列がやってくる。三吉は感心して行列の前に飛び出るが、それは本物の大名行列で、捕らえられて食べられてしまう。
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サンノウノミカミ,シンタク
1973年 滋賀県
ある時の天皇が、唐崎の浜に行幸したときに、沖から2艘の漁船が棹を差してきた。天皇はそれを近づけて尋ねると、2人の翁がいた。翁は神変奇特を現して歌を詠んだ。そのときには船はどこにも見えなくなった。これは神託で、山王の御神であったという。
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サルノヨメ
1960年 秋田県
日照り続きに悩む百姓は、庚申の日に末娘を猿の所へ嫁に行かせた。すると、その家だけは沢山米が獲れた。実家帰りの際、お人好しの猿は嫁の言うままに臼を背負っていき、川に落ちて死んだ。それは秋の庚申の日だった。
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キツネ,オトヒメ
1971年 福島県
Aという人の亭主が平潟港から魚をつけて通った。橋のとこから山を通って塙へ抜けるのが街道だったが、そこに狐が出て、必ず馬鹿にされた。それで、「川下の乙姫へ、一本やるよお」といって、鰹を投げた。そうすれば絶対、馬鹿にされなかった。それを聴いた者がいて、白い手拭いをかぶって女のようなしたくをして、その鰹をしめた。
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タケベラタロウ
1956年 宮城県
昔、巡礼の和尚さんがある村に入ると、1人の娘を真ん中にして家内中泣いている家があった。毎年秋の稔りのとき、向こうの山の神様に若い娘を人身御供として供えねば、田も畠も荒らされる、今年はこの家の番だという。和尚さんがその山の社に隠れていると、夜になって大勢の者がやってくる音がして「あのことこのこと聞かせんな。竹箆太郎に聞かせんな。近江の国の長浜の、竹箆太郎に聞かせんな。」と歌う。和尚さんは近江の国へ捜しに行くと、竹箆太郎とは小牛のようなブチ犬だった。和尚さんは竹箆太郎を連れて帰ってきて娘の身代りに長持の中へ入り、やってきた者たちと対決した。翌朝村人たちが行ってみると多くの猿が死んでおり、針金のような毛をした一番大きな猿が竹箆太郎にのどを深く噛み切られて死んでいた。それからはみんな安心して暮らすことが出来た。
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フナユウレイ、モウレンブネ
1956年 宮城県
黄昏時になると,沖の方からホーイホーイとこちらに呼びかける声が聞こえ,灯がちらちらと見える。やがて「桶貸してけれ」と無気味な声が聞こえてくると,漁師達は「もうれん船だ。亡霊船だ。」と囁き合って逃げ支度に入る。静かだった海がうねり始め,霧が立ちこめてくる。「桶貸してくれ」という声がなおも追いかけてきて,海霧の向こうにうっすらと船の形が見える。とても逃げ切れないと思ったら,アカ桶の底を抜いて投げてやる。そうしないと海水を掛けられて船が沈むか,暗礁に乗り上げて難破する,と今でも漁村の老人は信じている。
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ユメノオツゲ
1960年 大分県
昔一隻の船が大風である港に流れつき、一同は途方に暮れていた。すると、明日鷹が飛んできて帆柱にとまるのでその鷹についていけば日本に帰れるという夢のお告げがあり、果たしてその通りになり日本に帰り着いた。
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キツネ
1989年 静岡県
喜右衛門という漁師が夜道を歩いていたら、2,3人の若い衆に「芝居を教えてほしい」と言われ、御殿のようなところに案内された。5日ほど忠臣蔵などを教え、御馳走になった。彼らは狐で、ご馳走は祝言のあった家から盗まれたものだった。
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マダラギツネ,オニビ
1974年 福井県
夜、越前国細呂木から三国への帰り道で、鬼火を照らした狐が踊っていた。それを見た男が近付くと狐は若衆に化けた。男は狐を連れ茶屋に行き飲み食いした後、男は逃げた。狐も茶屋の主人に追いまわされたが逃げのびた。
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タヌキ
2000年 岐阜県
三河の国から興行に来た漫才師が岩の陰から現われたお大人らしき人に舞を頼まれた。喜んで岩の上で舞うと、たくさんの小判をくれたが、村につくと木の葉っぱだった。ここには大きくて恐ろしい狸がいるといわれるようになった。
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オキクギツネ
1989年 愛知県
長兵衛とお菊狐という夫婦の狐がいて、漁師や魚屋から魚をまきあげていた。お菊狐を捕えようと待っていた喜左衛門という頓智の利いた男のところにきれいな娘が魚を買いに来たが、それを見抜いた男は逆に狐をだまして捕まえた。その後、仏壇の阿弥陀に化けた狐をさらにだまし、最後は千石船に乗せて連れて行った。
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ヘソノゲイトウ
1956年 宮城県
昔、正直爺さんがいた。お庚神さまの日、何処の家でも餅をついてお休みだったが、爺さんはもち米もないので、畠にいって働いていると天気が悪くなってきた。「お庚神さまの罰かな」と帰ろうとすると3匹の猿をつれたお庚神さまが現れた。爺さんが驚いて帰ろうとすると「爺は感心なやつだ。薬をやるから毎朝1服ずつ飲め。3日たつと爺にきっといい宝が授かる」と言って薬を授けた。お庚神さまの言うとおりにするとヘソがだんだん大きくなってきてかゆいのでこすると「ピーッピッ、ピーッピッ、ピーッピッ、ヒョロヒョロ、ヒャラリーコ、ヒャラリーコ」と面白く鳴った。みんなが聞きに来ていろいろ贈り物をするので爺さんは裕福になり、お殿様にも聞かせて宝物をもらった。慾深爺さんが真似をして失敗し、牢屋に入れられる。
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シンエモンイナリ
1956年 宮城県
天明年中(1781~1788)、石巻の親船が江戸から帰航の間際に、松島の新右衛門という者が便乗させてもらった。順風満帆わずか3日で松島湾の寒風沢に入港、家は離島だというので小舟で送ると、島に着いてすぐ姿を消した。島中探したが、そんな人はいないという。不審に思いながら嶋をあとにすると、島の方から狐の欣々という声がしたという。再び江戸に行っての帰り、5隻で鹿島洋にかかったところ、大時化に遭って4隻沈み、この親船だけが助かった。これも新右衛門殿のおかげだろうと、雄島に稲荷の祠を建てて祀った。
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