キタク 1979年 詩人である稲研巌の戯作「鬼宅」は、「番町皿屋敷」をモチーフに、主人が大切にしていた10枚の皿の1枚を、その家の妻が盗んで古井戸に投げ入れ、紛失の罪を若い下女に着せる。下女は進退窮まって井戸の釣瓶縄で縊死する。それ以来井戸水は涸れ、夜な夜な皿の枚数を数える声が聞こえると描く。
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ジョチュウ,サラカゾエノコエ 1982年 宮城県 皿屋敷の女中が、家宝の皿を一枚割り井戸に埋められた。以後中から皿数えの声とすすり泣きが聞こえる。
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ユウコン 1974年 東京都 江戸番町で昔ある人の家に家宝の皿があった。もしそれを割ったら命に代えるという家訓があった。あるとき侍女が割ってしまったので殺して井戸に捨てた。するとその幽魂が現われ祟りをなした。この話しを模して播州皿屋敷の物語が創られた。
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ジョチュウノレイ 1982年 山形県 叶野岡右衛門の女中竹が家宝の皿を割り井戸に投身。以後井戸から皿数えの声がする。後に竹の墓に皿を埋め皿塚とした。
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サラヤシキ 1919年 高知県 皿を割った女中を主人が折檻したことに耐えられなくなった女中が、瀧に身投げをして死んだ。その亡霊が毎晩皿を数えて泣きながら出てくるので、皿をそろえて女中の墓に供えることにした。
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キュウマイムシロ 1956年 宮城県 亘理伊達家に仕えた侍の家に嫁いびりの姑があって、ある日莚10枚を渡して嫁に麦を干すように命じ、10枚のうち1枚を隠す。嫁が夕方にいくら数えても9枚しかないので申し訳なさに井戸に身投げして死ぬ。夜、嫁の亡霊が現れて井戸のそばに莚を並べて数え、10枚目にわっと泣く声がする。この屋敷を九枚莚と呼び、曇った夜には莚を敷いた場所がぼんやり見えるという。
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イド,オンナノナキゴエ 1968年 佐賀県 ある家の女中が10個揃いの茶碗を1つ割ってしまい、叱られて裏山の井戸に身を投げた。雨の降る夜にはその井戸から女の泣き声が聞こえるという。
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オタキトイウオンナ 1982年 高知県 お滝という女に振られた怨みで、藩士青山鉄五郎は皿紛失の罪を被せる。女は滝に身を投げ皿を数える。播州の巡礼がこの話を聞き、自国のこととしたのが浄瑠璃の「皿屋敷」である。
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サラヤシキ 1956年 宮城県 4代藩主綱村公の時代のこと。川内の御城二の丸下から北へ数丁,広瀬川近くに棲む大身侍が,大事にしていた錦手の皿を下婢が割ったことに怒って手打にし,死体を庭の古井戸に投げ込んだ。それからは夜になると古井戸の中から皿を数える声が聞こえ,九枚目までいくとあぁといって泣く。古井戸の中から青い火が燃え上がるのを見た者もある。また井戸のそばの松ノ木の上に大法師が腰を掛けていることもあった。
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ジョチュウ,ボウレイ 1982年 島根県 松江藩の家中の女中が皿を割って手討ちになり井戸から皿数えの声が聞こえる。その声が九つまで数えたときある僧が「十」と付けると、亡霊は消えた。
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クマイムシロ 1956年 宮城県 昔ここにある武士の屋敷があり,そこの姑が嫁を憎みいつも意地悪をしていた。ある夏,嫁に麦を搗かせて十枚の筵に乾させ,密かに一枚を隠して嫁に罪を着せ,筵一枚分の麦を盗んで他に売ったに違いないと日夜責め立てたので,嫁は口惜しさに井戸に身を投げた。その後毎夜のように幽霊となって現れ,一枚,二枚,三枚・・・九枚と凄惨な声で数えたので次第にその辺りを通る人はいなくなり,その武士の家も病死や発狂人を出して絶家してしまった。その後明治末頃まで,雨が降ってもその屋敷後の地面の筵九枚分の跡だけは濡れないと言って子供達が見物にいったものである。
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サラヤシキ 1956年 宮城県 仙台城二之丸裏門通と中坂通の十字路西南角の屋敷。二代藩主忠宗のとき、家宝の皿10枚のうち1枚を割った女中が手討ちにあい、井戸に投げ込まれる。夜な夜な皿を数えて泣く声がし、侍の家に変事が起こって死に絶え、屋敷は荒れ果てる。大年寺二世の月耕禅師が四代綱村に願って隠居屋敷としてから、怪はやむ。
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サラヤシキ,ボウコン 1975年 正保年中、武家の下女が井戸に皿を落としたため殺されて以来、毎夜その霊が井戸端で皿を数える話はよく知られているが、その井戸は江戸牛込御門、雲州松江、また播州にもある。どれが本物だろう。
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ヘビ 1974年 東京都 江戸の久右衛門町である家が窃盗にあい、容疑者として同家の下女とその密夫が捕らえられ、下女は獄死した。死体の取引を同家の妻が拒否したので、死体は寺に送られた。その頃妻は病気になっていたが、彼女のもとへ夜になると蛇が現れるようになりついに死んだ。死体を沐浴させている時、首をみると蛇が巻き付いているのが見えた。
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オキクノユウレイ 1991年 高知県 お菊が庄屋の家へより、大事な宝の皿を割って責められ、滝に身を投げて死んで、幽霊になって出て皿を数えて泣く。それで、そのお菊の滝に祀られている。青年の人たちが「播州皿屋敷」という題で芝居をやったこともある。
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ユウレイ 1936年 兵庫県 土木工事師の妾が本妻を苦しめていると、本妻が恨んで井戸の上で自殺して井戸へ落ちた。借家人が井戸を見ると女の首がおぼろげにういているのが見えたという。
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サラヤシキ 1956年 宮城県 芦沢某という侍の家の女中が誤って家宝の皿一枚を割り、折檻されて手討ちにあう。毎夜ふけに女中の亡霊が台所へ入ってきて皿を洗って数え、9枚目のあと叫び声をあげて飛び出す。そこで手討ちにした刀を埋めて塚を築いた。頭に皿をのせた石地蔵を立てたので地蔵森という。
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オキク 1991年 高知県 お菊という女子が10枚あるお皿を1枚割っておしょうさんに叱られて、滝に来て舌を食って死んだ。お菊の滝にはお地蔵様がたっている。明治よりもまだ向こうの昔の話である。
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サカサヤツハシノイケ 1956年 宮城県 元禄の頃(1688~1704),清水小路の連坊小路寄りに浅間某と言う大身の侍の屋敷があり,八ツ橋の池と言う小沼があった。浅間某はこの池の辺の離れ家に綾目という愛妾を住まわせ,彼女を大変愛していた。しかし本妻撫子は嫉みから情夫大橋某と共謀して綾目を殺害,池の泥深く埋めた上,主人には綾目が不義を犯し出奔したと讒訴した。その秋,浅間某が歌舞妓五月女を宴席に侍らせた。五月女が化粧をしていると鏡に自分ではなく姉綾目女の顔が映る。他人に見せても五月女の顔に違いないと言うので不思議に思っていると,その夜の夢に綾目女の霊が現れ,自分は殺されて池の底に埋められている,怨念を果たしてほしい,と話して消えた。この話を聞いた主人が池の底を浚わせたところ,愛妾の遺骸が出てきた。五月女が再び鏡に向かうと,杜鵑が一羽そこからとび出して西の方に飛び去った。また,池の水がそこに通ずる小溝を逆に西の方に流れるようになったので,これを逆川(サカサ)と呼ぶようになった。
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キク,サラヤシキ 1977年 東京都 江戸番長に皿屋敷の話がある。殺した女の名を菊という。
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