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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ネコ
1983年 東京都
湯島円満寺前の煎餅屋に、夜な夜な大きな猫がやって来て食物を喰らうので、亭主が猫を捕まえて酷く殺し、妻に命じて猫を捨てさせた。その妻が帰ってくると、あっと叫んで夫の顔を引っ掻き、色々と猫の動作をまねる。もてあました亭主は近所の人々を集めてようやく縛り上げた。するとニャアニャアワウワウと泣き叫び、物を食う時も器の中に顔を入れて、魚を好んで食べたという。

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ネコ
1940年 青森県
ある夜、寸分違わぬ亭主2人を目の前にした妻がいた。どちらが本物か格闘になり、ひとりの亭主が打ちのめされた上、柱に縛り付けられた。それだけではどちらが本物か判断できなかったが、翌朝、猫が柱に縛り付けられているのを見て、家で飼っていた三毛猫が亭主に化けたのだと気付いた。
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ネコアシイシ
1956年 宮城県
昔,この地に大芝居の巡業がやってきたので,金持ちの呉服屋が老母一人を留守番に残して芝居見物に出かけた。老母が一人で芝居のことを色々想像していると,その家の古猫が「おばあさん,お芝居をして見せようか。その代わり,人に告げたら生きていられなくなるよ」と言う。老母が承知すると,猫は後肢で立って巧みに忠臣蔵を演じて見せた。さて,老婆は家人の話に釣り込まれて猫の見せてくれた芝居の筋を語ってしまう。それは家人が見たものと同じであった。わけを尋ねられた老母が,トラ子(飼い猫の名)が見せてくれたことを告げたので,家人が気味悪がって明日飼い猫を殺すことになった。ところが,翌朝になると老母が床の中で死んでおり,傍らにいた老猫は一足跳びに7,8間も跳ねのいて逃げ去った。その時の足跡が石の上に残り,「猫足石」といわれている。
類似事例

キツネ
1956年 宮城県
ある家の亭主が夜遅く帰ると,妻が途中まで迎えにきていた。赤飯を炊いたというので赤飯の嫌いな亭主は怒って妻と言い争い,買ってきた魚の包を妻に投げつけた。ところが家に帰ると女房はどこにも出かけず在宅していたという。気がつくと手土産は皆狐に取り上げられていた。
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ヤマネコ
1955年 高知県
婆が仕事に行って山小屋で泊まった晩、家の猫が茶の間で踊った。爺は気味が悪いから殺してしまった。あくる日、山小屋へ行ってみると、婆が猫に食われて死んでいた。
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バケネコ
1970年 福島県
化猫の話だが、石川街道のごさんしょ峠の上にはお助け小屋があった。そこに爺様と婆様が住んでいて、猫に人を殺させて金品を奪っていた。ある日須賀川の薬屋が泊まったが、薬屋は鴨で猫を手なずけた。猫が薬屋を殺していないと知った爺様が煙管で猫の頭を叩いた。すると猫は爺様と婆様の喉笛に噛み付いて殺してしまった。猫は薬屋に金をやって姿を消した。それで薬屋は須賀川一の金持ちになったので猫を祀っている。
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オネコサマ
1983年 東京都
浅草に貧しい家族がおり、野菜を売って生計を立てていたが、老父が病となりよけい貧しくなったので、亭主は飼っていた猫に何とかできないかと愚痴を漏らした。すると猫は昼に姿を見せなくなった。ただ数日して、夢で猫の置物を買えと言われて、その家に来た人が次々と訪れ、忽ち貧乏から脱したという。人々はその猫の置物をお猫さまと名前を付けて、あつく敬ったという。
類似事例

ネコ
1987年 岐阜県
昔、寺で飼われていた猫が遺体を越えてこの死体をくれといったため、お坊さんが数珠で頭を叩いた。それから家に帰ると猫が頭を割られていたという。
類似事例

ヤマネコ
1933年 熊本県
冬の寒い夕暮れに山道にかかると、燈が見えるのでそれを頼りに行くと人家があった。その家の囲炉裏の傍には男がいて、榾を焚いていた。男が寝ていると夜中に老婆が出てきて、男の様子を伺った。この老婆が男に食いつこうとしたとき、脇差で切りつけると、老婆は老山猫の正体を現し、裏山に逃げた。飼い主の老婆を食い殺してそれに化けていたという。
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ネコ
1931年 福島県
穴沢善右衛門が小屋に泊ったとき、姥に化けた巨猫がやってきたが、正体を見破りこれを斬った。次の日、善右衛門の妻が噛み裂かれて木にかけられていた。そばにいた樵夫がいたが、それは斬った猫の夫で、復讐のために善右衛門の妻を殺したのだとい、善右衛門の妻の死骸を咥えて去っていた。善右衛門は郎党を引き連れて山狩りを行い、洞穴の中で怪猫を見つけてこれを殺したといわれている。
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ニワトリヅカ
1956年 宮城県
和尚は寺の鶏が毎晩宵トキを告げるのをきらって、鶏を殺して寺の後ろの広瀬川に捨てる。その夜、和尚の夢枕に鶏が現れ、「飼猫が毒殺を企てているから注意するように」と告げる。あくる朝、和尚の膳の上を飼猫が飛んで椀の中に毒を落としたが、危機を免れる。この忠義な鶏の墓が山門の内側にある。
類似事例

ネコ
1937年 石川県
ある夏、毎晩竿にかけた手拭がぬれているので不思議に思っていると、その家の老婆が猫がかぶって踊りに行くのを発見した。次の朝、老婆が何気なくそれを話題にすると、猫が喉を食いやぶって老婆を殺した。
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ヤマネコ
1929年 宮城県
長渡の饅頭屋岩淵は、若い頃漁師をしていた。ある大漁の日、二十貫もある鮪は送りかねて浜小屋に残した。夜中にその鮪一匹が盗み取られ小屋の前に大きな獣の足跡が残っていた。さては山猫の仕業かと、襲来を待ちぶせていると大きな山猫が眼を輝かせて枕もとに座っていた。その時組み合って左手に怪我をした。
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ネコ
1973年 岩手県
京津畑集落のある家で、お婆さんが一人で留守番をしていたら猫がやって来て義太夫を語り、このことは人に漏らすなと口止めして出て行った。あまりにも面白いのでつい人に話してしまったら、猫が怒ってお婆さんを食い殺した。
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〔フクネコヅカ〕
1986年 埼玉県
昔、桶屋職人が猫を飼っていた。ある夜、その猫が猫踊りをしていたのを見て追い出した。猫はその後、和泉屋という料理屋に拾われた。そして街道を通る旅人に手招きをするようになった。これが評判になり、店も繁盛した。この猫は福猫と呼ばれ、死んでから塚に祀られた。
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ネコマタ
1975年 長野県
ある寺に他の猫を食い殺すねこまたのような猫がいた。田舎から出てきた野菜商がこの猫をもらい受けて帰った。二,三日すると、家に住む悪鼠を猫が退治してくれたと礼を述べに来た。
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ネコマタ
1968年 岡山県
掌善寺、ごま屋、きさ屋に猫又がおり、この3匹の猫がごま屋の爺の葬式で屍体をとって喰う相談をしていた。それをゲンコウ和尚が聞きつけた。火葬場に行く途中で雷鳴がとどろき人々はとんで逃げた。黒雲の中には3匹の猫がいて死体をとろうとしていた。その時和尚が数珠で掌善寺の猫をたたいたのでこの猫は片目がつぶれ、その後死んだという。
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ネコ
1983年 東京都
浅草に貧しい家族がおり、野菜を売って生計を立てていたが、老父が病となりよけい貧しくなったので、亭主は飼っていた猫に何とかできないかと愚痴を漏らした。すると猫は昼に姿を見せなくなった。不思議に思った亭主が老父に聞くと、老父は猫が毎夜自分の側に来て、痛いと思う箇所に乗ってくれており、そのおかげでとてもよく眠れるという。実際老父は回復に向かった。
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ネコ
1941年 秋田県
大きな古猫が女に流行唄を聞かせ、そのことを口止めした。夫が帰宅し、誰が唄っていたと問われ、女は猫のほうを指差そうとしたが、それより早くネコに喉の噛み付かれて死んだ。
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カイビョウコタババ
1987年 長野県
昔,ある六部が根津村の長命寺大日堂にお篭りしていると,子猫が沢山集まってきてうるさく鳴く。よく聞くと「国分寺の小太ばば来なけりゃ踊りにゃならん」といっており,大きい怪猫が嵐と共に入ってきて子猫達と共に踊り狂った。六部が仕込杖で怪猫を刺すと,血を滴らせて逃げていった。次の日,「小太ばば」が門前の小太郎の家の老婆であることを知り,訪ねてみると,老婆は昨日足を痛めて寝ているという。六部がお薬師様に祈願して法力を身につけ小太郎の家に乗り込むと,老婆は怪猫の本性を現して尾野山に逃げ込んだ。家を探すと,縁の下から老女の白骨が現れた。小太郎は薬師様に願をかけ,六部の助けで尾野山に飛びつけて怪猫を仕留めた。今も国分寺の裏に六部の石塔があり,小太郎屋敷という地名も残っている。
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ネコ
1975年 静岡県
遠江国蓁原郡御前崎の西林院の僧が猫を助けた所、その猫が寺にいついた。ある時寺男が縁側で昼寝をしていて、猫も隣で庭を眺めていたところ、隣の家の猫がやってきて寺の猫を伊勢参りに誘った。しかし寺の猫は、住職に危険が迫っているからと断った。夢現で聞いていた寺男は不思議に思ったが、その夜、天井裏で大きな音がした。4、5日前から逗留している旅僧の雲水はその音にも起きてこなかった。翌朝天井裏を見ると、寺の猫と隣家の猫が血を流し倒れており、その傍らで雲水の服を着た大きな鼠が瀕死の状態でいた。
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