ヤマオトコ 2001年 青森県 釣りをしていたら暗くなってきてしまったので、その日はそのままそこに泊まることにした。すると、寝て一時間ほど経ってから、「起きろ」と声をかけられた。着物の袖から声をかけた者を見ると、髭の沢山生えた大男だった。それは山男であっただろうと言う。
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オオヒト 2000年 新潟県 ある夜、山道を歩いていたら大人に行きあった。大人は裸身で髪は肩に垂れ、星のように目が光っていた。驚いて立ち止まると、大人も驚いて立ち止まり、道を横切って山に去っていった。これも山男だろう。
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オトコ,タヌキ 1978年 和歌山県 山小屋で休んでいると男がやってきた。一晩泊めてくれというので泊めてやると、その男は自分が狸だといって化けてみせてくれた。
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ムジナ 1933年 長野県 山の中の木小屋で寝泊りして、毎日木を伐って働いていた。ある夜明け方、大きな声が聞こえてきたが戸を開けても誰もいなかった。狢の仕業だった。
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ヤマノカイ 1991年 香川県 山で木を切るため山小屋に泊まっていると、夜に向かいの山で木を切っている音がして眠れないので翌朝文句を言ったが同じ言葉を返された。恐らく山の怪のしわざであろうと言われている。
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キツネ,シラガノロウジン 1938年 長野県 少年が山に入ると美しい小鳥がいた。それを捉えようとして山奥へ行くと、白髪の老人がいた。翌日、少年が目を覚ますと裸で眠っていた。
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テング 1932年 愛知県 夜、男が峠で一服していると、鼻の高い、髪も髭も真っ白な老人が、羽の団扇をあおりながら段々と近づいて来た。天狗だと思い内心恐怖を覚えた男ではあったが、態度には出さず、冷静に対応した。すると、その度胸を買われて目のない魚をもらった。
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タヌキ 1989年 長野県 山の高いところに小屋があり、話者は若い頃泊まったことがある。夜中、人が山の下から登ってくるような声がしたので誰か来たと思って外に出ると誰もいない。また小屋に入ると、すぐそこで声がする。たぬきに化かされていると気づいたので、もう外に出ないようにしたという。
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オオオトコ 1913年 岩手県 山へ草刈りに行き、見知らぬ沢に出ると、そこに多くの洗濯した衣類が木の枝にかけて干してあった。驚いていると、1人の大男が出てきて、その洗濯物を集め、たちまち谷の方へ見えなくなった。
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キツネ 1993年 岩手県 夕方、抜けたお爺さんが山道を行くと、だんだん明るくなってきた。変だなと思いながら明るいところに出て、着物のまま川の中を歩いて、水浴びもした。人に声をかけられて戻った。狐に騙されていた。
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オトコ 1964年 福島県 山で日が暮れた帰り道、ひとりの男と道連れになったが、どことなく変で気味悪いので、先へ歩かせておき、すきを見て木によじ登った。みおろすと男はぐるりぐるりと木の周囲をめぐっているので、そのまま明るくなるのを待った。男の姿は消えていた。
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シロトアカノキモノヲキタモノ 1930年 兵庫県 夜更けに牛を連れて山路を歩いていたら、オーイと呼ぶ声がして、オーイと答えると、白と赤の着物を着た者に脅かされた。
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オトコノヒトノカタチニミエタハシラ 1995年 福島県 夜中に目を覚ますと柱が白く見え、男の人の形をしていた。朝早く目を覚ましてみると、男の顔の部分だけカーテンがめくられていた。後であれは幽霊ではないかと思った。
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オオヒト 1929年 青森県 嶽の湯で笛を吹いていた人が、あるとき外に人がいることに気がついた。気味が悪くなったので、ある晩笛を吹きながら障子の外を見ると、巨大な人影があった。そして用意していた刀で斬りつけた。人影は山に消えていった。その後は血が滴っていた。正体は大人だろうということになった。
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ヤマチ 2000年 鳥取県 山奥の小屋に1人で住んでいた鷹匠が庭で火を焚いてあたっていたら、6尺余りもある老人のような者が来た。どこから来たのか訪ねても何も答えない。帰るとき、後をつけてみたけれども、見失った。その後、里人に聞いてみたら、それは山父だと言われた。
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ヤマオトコ 1958年 岩手県 大正から昭和初期には、山男に出会ったという話がよくあった。山男は蓑を着た大男で、早足で歩く。女の人をだますという。
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セイジョ 1985年 新潟県 松代にセイジョという男がいて、自宅で寝ていたら格闘の末に山の鬼か何かに連れて行かれた。何年かしてうちに帰ってきたが、「寝姿を見てくれるな」という。家人が不審に思って覗くと、デイ(奥座敷)いっぱいに大きくなって寝ていた。セイジョは「見たな」と言って出て行った。セイジョの帰ってくる日は師走の大吹雪の日と決まっていて、昔はそういう荒れた日には「セイジョが来たぞ」と言い合った。
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キツネ,タヌキ 1935年 奈良県 山に行って帰ってこない男がいた。家族は村人と相談し、鐘や太鼓を打ち鳴らして探しまわった。男は山腹に裸体で発見された。村に帰った男は、長い間寝続けた。起きた後、なぜ山奥にいったのかと聞いたが、なぜだか自分でもわからない。たぶん狸か狐の仕業だろう。
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ヤマオトコ 1934年 栃木県 昔、小僧が山男の家に泊まった。夜中に目を覚ますと山男が入道に化けて小僧を呑もうとしていた。小僧は逃げて和尚に助けを請う。和尚が山男に「お前が蚕に化けたら教えてやる」と言うと、山男は蚕になったので、和尚はいきなりこれをつぶして小僧を助けてやった。
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ミノヲキタヨウナクロイモノ,ケンムン 1987年 鹿児島県 夜遅く小川にさしかかろうとした時、後ろから「おまち」と声がかかった。振り返ると蓑を来たような黒いものが立っていた。
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