カッパガミサマノミタラシイケ 1956年 宮城県 磯良神社,通称河童神様の御手洗池はどんな日照続きでも水の涸れることがなく,それが用水堀に続いていた。昔,近所の安彦甚之丞という者が,ある夏仲間と二人で用水堀をくぐって泳ぎ回っているといつのまにか水底から水の無い所に出た。そこには立派な家があり,窓から覗くと美しい娘が機織をしていた。「ここは人間の来る所ではない。早く帰りなさい。」「ここに来た事を三年経たぬうちは人に語るな。語れば必ず禍がある。」と言われたので,夢中で逃げ出すと何時の間にか元の用水堀に出ていた。一人はつい口を滑らせてしまい,原因不明の高熱で急死してしまったが,甚之丞はなかなか話さなかった。
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タナバタサマノハタオリノオト 1954年 長野県 七夕の日に竜門淵で水浴びすると七夕様の機を織る音が聞えるという。
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ヒガシネノナナフシギ,ミズ,カネ 1956年 宮城県 鳩原福応寺の御手洗池はどんな雨降りでも水が濁らない。(あるいは、狭田部落では、寺も民家もないところから必ず夕刻に鐘の音がカンカンと聞こえた。)
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ブンゴヌマ,タナバタ,ハタノオト 1956年 宮城県 落城の時、城主袋豊後守の姫が金の機とともに沼に入水した。七夕の夜。以来、機の音が聞こえるという。
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カッパ 1930年 長野県 金井池にあるハカマ石に一本歯の下駄をはいて立つと、水底から龍宮の乙姫が機を織っている音が聞こえてくる。また、この池の主は河童であり、七年に一度一人の人をひきこんで殺すという。
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ケショウヌマ,ケジョヌマ,タナバタ,ハタノオト 1956年 宮城県 長者の一人娘が、地頭から召されたが断り、七夕の夜、愛用の機を沼に沈めて最上に逃げる。毎年七夕に、機の音が聞こえるという。
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リュウ 1954年 鹿児島県 野方村のハシヅ池を汲み干すと雨が降るという。池には昔から龍が住んでおり花染めの手拭いを被った娘さんが引き込まれた伝説がある。明治四十三年の旱魃時に池を汲み干すと、底に赤バラ(イモリ)が沢山いた。竜が化けたのだという。
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オトヒメ 1967年 福島県 鮫川の上流に御前淵と呼ばれているところがある。年に1回ずつはこの川に鮫が上がってきたため鮫川と名づけられたのだが、昔、山田村大村の人がこの淵に山刀を落としてしまい、水に入り探したが、3年目の七夕の日に村に帰ってきた。その人は水中で乙姫が機を織っているのを見たといい、それから毎年七夕の夜、もろこしで機をつくりこの淵に沈め祭りをするという。
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リュウ 1988年 奈良県 竜田神社の裏の泥池に昔、竜が住んでいた。ある日竜が黒雲を呼んで大雨を降らせ、天地鳴動させて昇天した。そこの泥地を竜子と呼び、どんな旱魃でもここだけは水が絶えないという。あたりの地名も竜田というようになった。
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カライケ 1984年 長野県 神社の上に空池と呼ばれるところがある。そこは大きな窪みがあり、池のような形をしているから、人々に空池と呼ばれている。まだ分からない伝説が隠れているところかもしれない。
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リュウジャ 1959年 島根県 水若酢神社の祇官忌部家の嬢子が入水して龍蛇に嫁いだという伝説の池がある。
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ドクジャ 1976年 静岡県 桜村に池の社という方5町程の2つの池がある。毎年8月彼岸の中の午の刻に半切り桶に赤飯を盛って水泳が達者なものが池の半ばまで押し行き池の真中で手放す。池の水が渦巻いて桶は水中に沈む。伝えによると昔、国主が入国した頃、妾とこの池辺りに遊興した。すると俄かに池に波が立ち妾が池に引き込まれてしまった。国主は怒って池に焼いた石を投げ入れさせ続けた。7日7夜続けたところ毒蛇が死んで浮かんできた。頭は牛のようで、背に黒い鱗があり、白い角が生えていた。また肥後の阿闍梨皇円の霊魂がこの池に入ったとも言われる。
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カッパ 1952年 宮城県 磯良神社は通称「お河童様」と呼ばれる。河童川という小川が流れ、昔は「おむろ」という大きな淵があった。ここで膳椀の借用を頼むと必ず貸してくれた。ある時借りたカサコを1つ無くし、足りないまま返してからは貸してくれなくなった。
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リュウジン 1955年 山梨県 下女のお玉は長峯の池の主で竜神の化身だったという。毎朝池の水に下半身を浸して水浴していたが主家の主婦に叱責されて家を辞し、桶を地に伏して立ち去った。そこから清水が湧き出して止まることはなかったという。
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スガタミノカガミ 1948年 新潟県 牛馬などを洗ってはいけない堤があり十二王の形をしている。真夜中にこの辺りでお囃子の音が聞こえる。足元の池を見てみると、神々の集会が集まって酒宴を催している。それ以来、この堤は大事にしている。
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カメノヨウナカタチノイシ,(アマゴイ) 1976年 京都府 梅田神社の社殿の裏側には、オカメ池という池がある。そこにある亀のような形の石を洗うと、必ず雨が降るといわれている。
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ナナフシギ 1920年 山梨県 甲州の七不思議。甲州善光寺の如来、八右衛門家の鼠、人語を話す馬、牡鶏になる牝鶏、6月の雹、七面山鳴り御池の水にごる、作十郎方の鍬に草生ず。
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フタゴノイケノヌシ 1987年 長野県 双子池の雄池の底にあるうねった長い形の蛇道をめぐる話。昔,切原村のある家に,年頃のきれいな娘がいたが,だんだんふさぎ込むようになり,ある日急に行方不明になった。娘の知り合いから,娘がいつも双子池の主になりたいと言っていたと聞いた家族は池に行ってみた。すると池の底にはっきりと蛇の通った跡がついているのを見た。以来,この池には主が住んでいるという。池に入ると蛇に引き込まれるとか,石を投げ込んで蛇を怒らせると雨が降るとかいわれている。
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リュウグウサマノタイコ 1997年 愛知県 夏の昼間、浜辺へ出ると、太鼓の音が海の底から聞こえてくる。北奥田の浜で聞こえ、そのまま浜づたいに南に行っても同じ方角に聞こえる。これを「龍宮様の太鼓」と呼んだ。
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ウナギ,イケノヌシ 1971年 茨城県 仲郷集落の水神様を祀る湧き水の池の主はうなぎ。尾が長く、耳のない、太いうなぎだという。
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