オオニュウドウ 1991年 竹薮に来ると、目の前に大入道が立ちふさがった。顔はのっぺらぼうであった。驚いて寺の敷地に逃げ込んだ。大入道が出たところには、よく狸がいて大入道に化けて出て、人を驚かせていたという。
類似事例 |
|
オンナ 1976年 京都府 鉄砲の名手が山に猪を撃ちに入ったところ、とても美しい女に出会った。場所柄怪しいとは思ったがついて行くと、小倉明神という社を巡った。猟師も一緒に巡ったら、女が睨みつけてきた。その眼は5つになっていた。驚いて逃げ帰り、その後は猟師を止め、農業につとめた。しかし罪のためか、ほどなく足腰が立たなくなり、子供も2人あったのだが、1人は早世し、もう1人は白癩(シロコ)であった。
類似事例 |
|
ムジナ 1931年 山梨県 狩人の家に貉が入ってくるので、ある日罠を仕掛けて貉の右前足を鉄砲で打ちぬいた。ところがその後、ある日山で木をきっていると貉に化かされ右足を切ってしまった。狩人は家を引き払ってしまった。
類似事例 |
|
キツネ 1987年 奈良県 山に蕗を取りに行ったら狐に化かされた。帰ってくると木や下草が全部蕗に見えるのだと言う。ボケたようになってひとりでに出歩き、山に入るようになった。たまりかねて猟師が鉄砲で撃ったら、狐が落ちた。
類似事例 |
|
ミコシニュウドウ 1939年 神奈川県 ある男が夜、ドヤ(山の入合)で大入道に出会った。緋の衣を着て背は1丈もある。出たな、とばかりに男はどっかりあぐらをかき、草履を交差させて頭上に載せ、キセルに火をつけた。そうして煙草を吸っていたら大入道は消えてしまった。
類似事例 |
|
ヌシ,ダイジャ 1993年 山梨県 鉄砲の名人が芦川村の滝戸山の主だった大蛇を退治した。後に大蛇は鉄砲打ちの夢に現れて、その家の屋敷神に祭られることになった。
類似事例 |
|
ダイジャ 1934年 岩手県 鉄砲名人の男が大蛇を撃った。すると洪水となって大蛇は山に逃げて行った。この男の一族は祟りにあって左目が悪いという。そして山には登ってはならない。
類似事例 |
|
ダイジャ 1965年 高知県 鉄砲の達人の「せっしゅのおかね」が、夫が山に行って帰らないので、お守りと鉄砲をもって探しに行った。鹿の皮の中の笛を吹いて獲物を呼ぶと、ブスブスと音が近づいてきた。この正体は大蛇に違いないと待ち構えると、火の玉が二つ近づいてくる。鉄砲を撃って木に登ると、火の玉は大蛇の両眼で、おかねは生臭い匂いをかいで眠たくなった。お守りの力で目覚めると、大蛇は隣の木に登っておかねを飲み込もうとしているところだった。鉄砲で撃ち殺して腹を割ると、夫がいた。
類似事例 |
|
ダイジャ 1973年 岩手県 鉄砲撃ちが山に行って大蛇に遭い、目を撃った。蛇にやられる前に下山しようとしたが、晴天かき曇り大雨になった。山中に家を見つけて休んでいたら、先に撃った蛇が水に乗って流れてきて、体を横にして水を溜めて大水を出し、家ごと鉄砲撃ちを流してしまった。蛇は何代も仕返ししてやると言い、その子孫は祟りで眼の不自由な人が多い。
類似事例 |
|
カイイヤシキ、オオニュウドウ、ヤシキカミ 1956年 宮城県 昔,新坂通台町五番丁南側東角の屋敷を拝領した侍が一人住まいをしていた。ある夜座敷に寝そべっていたところ庭先近くで呼ぶ声が聞こえる。障子の隙間から覗くと軒よりも高いような大入道が立っており,ここは昔から自分の屋敷だから早く立ち退けとわめく。主人が「ここは殿から拝領した我が屋敷じゃ。お前こそ立ち去れ。」と言い返すと,「ここはわしを粗末にしたので住み着いた者はいない。祭の日に神酒や供物をして厚く祀ってくれれば守護してやろう」といって消えてしまった。翌朝調べると屋敷の一隅に梅の老木があり,その下に小祠があった。それが前夜の大入道が屋敷神として棲んでいた祠だったのだろう。当時今泉孫八郎の屋敷であった。
類似事例 |
|
キツネ 1933年 長野県 ある侍がまだ夜のうちに猟に出かけた。すると美しい女が現れた。狐の仕業だと思い鉄砲で撃つと、女は銃弾を手のひらの上で転がした。侍は夢中で逃げて家に帰った。
類似事例 |
|
テング 1973年 福井県 天狗が木の又に座っているのが水鏡に映った。猟師が鉄砲で打ったところ、ゴオーッと逃げて行った。その夜には「こんなことをしてどうなるのか」と夢枕に立った。
類似事例 |
|
バンバ 1965年 山形県 暗くなって大風が吹き、生暖かい風が吹いてきて山鳴りがした。ひとつまなぐが現れ、鉄砲で撃つと提灯の明かりのようなものがぶらさがり、白髪の婆んばが糸車をくるんくるんと廻していたのでこれも撃った。血の跡を辿った先の穴に火を付けると煙は虻になった。
類似事例 |
|
キツネ 1926年 長野県 20名の浄土宗の一行と鉄砲打が銃身から覗いたら、僧が狐に見えた。銃を撃つと狐になって山へ逃げた。その後、鉄砲打の家は狐に祟られて死に絶えた。
類似事例 |
|
テング,トリ 1955年 岡山県 村岡という旧家があった。いつも大きな鳥が来て止まる所があるので鉄砲で撃つがどうしても落ちない。或る日2つ玉をこめて引き金を引くと手ごたえがあったが逃げてしまった。その日から熱が出て頭が上がらない。法印におがんで貰うと天狗が乗移って、「卑怯にも2つ玉を込めたこの恨みはきっと晴らすぞ」といった。村岡家は明治の後に滅びた。
類似事例 |
|
ヒトツメコゾウ 1996年 香川県 おん坂という峠の近くに、勘平という力持ちが住んでいた。その頃おん坂には一つ目小僧が毎夜出た。ある日一つ目小僧は勘平が通るのを待って、綱引きをした。勘平に負けた一つ目小僧は大入道に化けたが、勘平は自分の体を大木にしばりつけ、びくともしなかった。
類似事例 |
|
イトトリムジナ 1956年 行燈のそばで糸を繰っている老婆が気味悪く笑うので、鉄砲で打ったが手ごたえがなく、傍らの行灯を撃つとキャッといって倒れた。のちに古狢正体をあらわしたという。
類似事例 |
|
ヘビ 1952年 岡山県 夫婦の蛇がいるところをある人が通りかかると暗くなり、前方に美しい一人の女が立っていた。大蛇のお化けと思って鉄砲で撃つと、明るくなり、子供の足跡がついていた。そこに蛇神様を祀ることにした。
類似事例 |
|
オオニュウドウ 1933年 大阪府 安部野の一つ家で、仲居達が灯影に雲を突かんばかりの一つ目の大入道を見た。彼女達は一心に念仏を唱えたが、夜が明けてみると、大入道と思われたのは野中の刎釣瓶、燐火とおもわれたのは畑番の行灯であった。
類似事例 |
|
(ミツメノオオニュウドウ) 1980年 京都府 院の宿直所で人々が手柄話をしていたときに、北面の武士・信魚という人物が言うには、夜に鞍馬から帰る途中に、三つ目の大入道が襲ってきた。そこで大入道の鬠(もとゆい)をつかんで放り投げたという。人々は大入道に鬠があるのかと笑う。
類似事例 |
|