ハリセンボン 1973年 富山県 婆さんと嫁の仲が悪く、嫁は海に身を投げて針千本となった。12月8日は必ず海が荒れ、針千本(魚)が婆さんの顔に食いついた。
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ハリセンボン 1934年 富山県 仲の悪い嫁姑がいて、嫁が針を盗んだと冤罪をかけられ、海に身を投げて死んだ。それが師走の初めで、毎年その頃になると海が大いに荒れ、鞠に針を刺したようなものが海から上がる。これを針千本という。それから12月8日は針仕事を休み、針山に饅頭を供えて祝うことになった。
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(シュウトトヨメ) 1973年 富山県 姑にいじめられた嫁が、針を盗んだと無実の罪を問われて12月8日に、海に身を投げた。今でも前日から海が荒れる。嫁のある家では針仕事を休んで供養をする。
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オオダコ 1929年 長崎県 守山村の三室に住む老婆が海辺で物を洗っていると目の前に大章魚がやって来て足を一本差し出しながらじっとしていた。婆さんは包丁を持ってきてその足を切り、その後七日間老婆は章魚の足を毎日一本取り続けた。最後の一本になった八日目、頭諸共取ろうとして意気込んで行って襲われ、海底深く引きずり込まれた。
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ハリセンボン,フグ 1936年 鳥取県 12月8日にシジウブク(針千本)が浜に上がるのは、乙姫様が病気で猿の胃を食べたいと望んで、使者に立った河豚が密告したため、針を刺して責められ、猿を再び呼び戻すべく浜へ上がるのである。
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クワズニョウボウ 1982年 東京都 ひどくケチな男がメシ食わない女房をもらったが、実は陰で食べていた。それを怒ったら5月のショウブの池へ身投げした。
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クモ,ヤマンバ 1952年 島根県 夜釣りに行くと海岸から鯖をせびる老婆がいた。毎晩なので「やらぬ」と言うと船を沈めると言い返される。ある夜、老婆の跡をつけ、風呂桶で寝たところに蓋をして大石を乗せ火を焚いて焼き殺した。その後蓋を開けてみると、やはり劫を経たヤマンバだった。
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タコ,ババガイワ 1963年 愛媛県 欲深な老婆が岩の上でタコを見つけた。老婆はそれを誰にも言わず、毎日1本ずつその足を食べた。8日目に最後の1本を切りに行ったが、タコが「お前のような強欲な者はこうしてやる」と、残った足で老婆を巻き、海へ引き込んだ。それ以来この岩を「婆ヶ岩」という。
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〔ゲンタロウバア〕 1973年 富山県 源太郎婆がブリを一本欲しいと漁師に頼んだがもらえなかった。怒った源太郎婆は海に入って死んだ。それ以来そこで魚が獲れなくなった。これは源太郎婆の仕業だといわれ、二月一日に供養する。
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カアチャン,オレエ(イエ)ノヒト 1968年 山形県 昔あるところに幸せに暮らす夫婦がいたが、お庚申さんの日にお歯黒を付けて、次の日に山に入ったまま帰ってこなくなった。ある時村人達が山で行方不明になった妻と遇った。ふくつの貝を食っているため年を取らず、毎日生血一合や生肉を食っているという。夫が帰って来ると攫われるから早く帰れと勧め、お庚申の夜にお歯黒をすると攫われると教えた。
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ヘビ 1978年 山梨県 ある嫁が山仕事をしていたとき、休んでいると高い木からヘビが針(舌)を出して血を吸った。村人が見つけて一命はとりとめたが、その人は一生蒼い顔をしていた。
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タツコ,ヘビ 1980年 秋田県 辰子と言う美しい女がいたが、山に行って魚を食べて咽喉が渇き、水を飲でもかきつづけ、やがて蛇となった。そのとき、迎えに行った母親が驚いて、魚を焼いていた串を投げたのがクジマスとなった。
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ダイジャ,イケノヌシ 1971年 福井県 ある爺さんが田が乾いて困り、蛇ヶ池の主に、雨を降らせてくれたら3人の娘のうち1人を嫁に差し上げると約束した。はたして雨が降り、主は娘を迎えに来た。末の娘が嫁入りすることになり、針の袋を持って出た。男が池に入ろうとしたところを突き落とし、針の袋を投げ入れたら水が騒ぎ出した。数日して爺さんの家が火事になった。すると2匹の大蛇が出て来て家に巻きつき、水をくれと言ったが、村人は驚いて逃げてしまったので、蛇は焼け死んでしまった。
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ダイジャ,シンランショウニン 1933年 栃木県 建保年間にある男の妻が妾を食い殺そうとしたが、夫に遮られたために夫の咽喉に食いつき、妾をも噛み殺した。全身鱗が逆立って、口は裂け、大蛇の姿になった。この世の女すべてを呪うようになって入水したといわれる。水に沈んだ女の一念が大蛇になって人々を困らせるので、毎年9月8日の夜に犠牲を捧げた。親鸞が大蛇を退治したとのことである。
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ウミボウズ 1983年 愛媛県 漁に出ていると船に何か上がってきたので槍でつくと、逃げてしまった。その漁師の奥さんがあんまに化けた海坊主に殺された。
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オオダコ 2001年 愛知県 昔須佐におりんという老婆が漁をして暮らしていた。ある日おりんが漁に出ると大きなたこが船にへばりつき、足を一本差し込んで捕えようとした。おりんはたこと戦い足1本を切り取った。次の日もその次の日も同じことが起こったが、8日目に最後の足を切り取ろうとしたときにその足に巻き込まれて海の中に引きずりこまれ、たこの餌食になった。
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ハナ,バケモノ 1935年 熊本県 暗くなりかける頃、魚売りが夫婦坂で若い女に会った。女が煙草の火を欲しがるので、煙管を差し出すと、女の鼻がにゅーっと伸びた。驚いて魚笊を捨てて家に逃げ帰ると、嬶に化け物に会ったことを話した。すると嬶の鼻もにゅーっと高くなった。魚売りは驚いて気絶してしまい、気がつくと夫婦坂で倒れていて、夜が明けかかっていた。
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ヘビ 1934年 東京都 難航した船が、海難よけに、船に乗っていた女をこの島に捨て、助けに行かなかった。女は狂い死に、その髪の毛が恨みで蛇となった。
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オバアサン,クジラ 1996年 石川県 火の不始末で家を燃やしてしまったおばあさんは後悔して、死んだら鯨にでもなってお詫びしたいと言っていた。おばあさんが死んだ数年後に、村が大金を返せと訴えられた。翌年、大きな鯨を浜に引き込み、それを売って金を返すことができた。この鯨はおばあさんだったのだろうと言われた。
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シロイヘビ 1958年 栃木県 正月の餅をついている時、刺さった木のとげを取り除いた妻を、つまみ食いしたものと勘違いして、婿が杵で打ち殺してしまった。嫁は死に際に「全員とり殺してやる」といい、その後、家の梁に白蛇が出るようになった。また不幸が続き、とうとう没落してしまった。
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