アカイマルイモノ 1966年 群馬県 母が少女時代に見たことだが、文華女学校の帰りに畑中の道を帰ってくると、道のすぐそばにある墓の桑の頂上に赤い丸いものがとまっていた。しばらくすると木を離れ、どこともなく飛んでいったそうだ。
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コイヌノヨウナカワイイモノ 1978年 和歌山県 子供たちが夜遊んで、友達の家の縁側に座っていると、足元に子犬のような可愛い者がいた。子供たちはそれを捕まえようとしたが駄目だった。そして気づくとそこは墓地だった。
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ヒノタマ 1999年 宮崎県 1925年ごろの春先のこと。集落の若いお嫁さんが事故死して、その野辺の送りの行列が墓地に向かっていた。すると家のほうから青白い火の玉が尾を引いて飛んできて、行列を追い越して墓地へ向かった。行列の皆はその大きさ・明るさにたじろいだが、野辺送りをやめるわけにもいかず、こわごわ弔いを終えて帰った。
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ヒノタマ 1988年 群馬県 戦争末期、戦死者の合同葬の会場に向かう途中、東の空を見ると、直径1メートルもある青白い火の玉が矢のように西の空に飛んでいった。「戦争で亡くなった人達の魂が一塊になって飛んで行くのだろう」と恐さも忘れて、涙を流して見送った。
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ヒカリモノ 2001年 青森県 夜に外を歩いており、ふと目を上げた拍子に、空を鮮やかな青さのくけ毬くらいのものが流れていき、墓所の真上で消えた。その墓のすぐ隣に、忌中札の貼ってある家があった。
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キツネ,チョウチン 1990年 長野県 昔はきつねがたくさんいた。夕方になると、越という向こうの部落の手前の田んぼでちょうちん行列のようなものが見える。15・6ほど連なっているのが、風のない夏の蒸し暑い晩にはよくあった。きつねが出していたが、火ではなく、後光がさしているのだという。
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ヒトダマ 1981年 福島県 子供の頃、近くの寺の裏から人魂が出て、飛ぶのを見た。青白く尾を引いている。この人魂が落ちた先は墓場であった。人魂が飛ぶと、翌日には誰かが亡くなったという知らせが必ず来る。
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アオイドレスヲキテヒヲモッタオンナノヒト 1986年 東京都 中学校の音楽部の生徒が夜遅くまで練習をしていた。帰る時に屋上を見ると、青いドレスを着て火を持った女の人が学校の裏手の墓を見ていた。女子生徒は家に帰った後、熱を出してうなされた。
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リン 2001年 青森県 集落の西端にある西越公民館の場所にもとあった小学校の並びの高台に日向のハカショ(共同墓地)があり、燐が飛んで赤く燃えていることがあった。
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カシャ 1938年 福島県 穴原で墓場で棺を埋めようとしたら、俄かに嵐になって一人以外は皆退散した。残った一人は、死体はカシャに抜かれたといい、片手で棺を釣り上げて埋めた。それからしばらくして白い着物が佐倉の山の頂点にあったという。
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ヒカリダマ 1963年 秋田県 夜山道を歩いていると赤い玉が光りながら飛んできたので、笠で地べたに伏せて押さえつけておいた。翌朝来て見ると赤い土の塊になっていて、その同じ日に人が死んでいた。
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タマシイ 1997年 奈良県 夏の暑い日、奥の座敷にいた祖母が家族を呼んだ。祖母が言うには、火の玉が飛んでいるのだという。けれども家族の者は誰も見ることができなかった。翌日、祖母の母親が死んだと言う知らせが来た。その火の玉は薄青い色で丸くて、ずううっと尾を引いて飛んでいたという。
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コソダテユウレイ 1986年 香川県 夜遅く、毎晩飴屋に飴を会に来る女がいた。不思議に思ってあとをつけたら墓の中に入った。墓をあばくと女の屍の側に赤子がいて、飴をなめていた。
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チョウチン,ボウレイ 1972年 愛知県 夏に近い生暖かい夜に山の中腹あたりに一つぽつんと提灯がともり、瞬く間に灯りのともされた提灯がずらりと並ぶ。人々はこれを岡部太郎と呼び、討ち死にした者たちの亡霊だろうと言って恐れた。
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ユウレイ,ヒノタマ 1986年 東京都 夜、お墓に幽霊が出るといわれていた。小学校6年の時、友人とお墓の前を通ったら、火の玉が2つ出てきた。火の玉が追いかけてきたので、走って家に帰った。気づくと、服の背中に何か黒いものがついていた。
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ヒトダマ 1957年 神奈川県 石油の火が移って人が死んでから間もなく人玉が出た。スーッという音がしてお月様位の明るさになった。形は鶏のようで大きさもそれくらい。月のような色で、風祭の方へと消えていった。
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タヌキ 1999年 佐賀県 女子青年団が街から帰るとき、納骨堂の近くに立派な道ができていたので、その道を歩いていたら、いつのまにか田んぼに落ちていた。狸のしわざ。
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ヒトダマ,ゴシキノクルマ 2001年 奈良県 昔、長引では蛍狩りをしているような時に、お墓からヒューっと人魂が飛んできた。また、虫の塊みたいなものが落ちてきたとか、人が死ぬときには五色の車が通ったとかいう。お墓で見える燐の光は黄色、緑、青のような色で、雨が降ると出るという。
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アカイヒ,アオオニ 1937年 秋田県 日が暮れてから墓地を通ると赤く火が燃えて、青鬼が2、3匹、火を吹いたり何かを喰ったりしていた。家人が見に行ったら、乞食が2、3人、芋ノ子葉に目鼻の穴を開け、火を吹いていた。
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コノハノヨウナモノ 1956年 東京都 満月の夜、嫁迎えの行列が八幡様の宮下で焼けた棺を見た。提灯の火が消え、牛が走り回る音が一人にだけ聞こえる。墓所の一本松から木の葉のようなものが落ち、一行は倒れてしまった。
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