テング 1944年 山形県 秋の夜もしんしんと更けわたる頃、どこからか雷のような音が聞えた。天気もよくて月さえ出ているのに、ばらばらと激しく雨の降るお供聞えた。雨だれが落ちるのも見えたが、地面は少しも濡れていない。天狗の悪戯に違いないとという。
類似事例 |
|
マショウノモノ 1995年 滋賀県 昔、行基が行をしていると、雷が鳴り大雨が降りだした。行基が鐘を深い淵に投げ入れて印を結ぶと晴れた。淵の魔性の仕業であった。
類似事例 |
|
テング 1927年 岐阜県 カスミ網を張って置いたところ、大風が吹いて血の垂れる足のようなものがかかった。驚いていってみると、何も掛かってなかった。天狗が通ったのだろうと語り合ったという。
類似事例 |
|
フチノヌシ,ハタオリヒメ 1967年 福島県 日照りのとき、淵の主に、雨を降らせてくれたら娘を1人やると祈ったところ、雨が降り、淵の主が現れ娘を連れて行った。後になり娘は行者の姿となり現れたり、竜宮の使いで機織り姫であるといったりしたとも言われている。
類似事例 |
|
テング,テンゴーサマ 1922年 神奈川県 夜、渡船場付近には天狗が出るという忠告を無視して、そんなもの出るものか大言を吐いて渡船場への坂道にかかると、風もないのに路傍の楢の木が、両側から道をはさんで動き出した。通ることができず、天狗の仕業かと恐れて先の大言を詫びた所、幾分収まったので、この間に通り抜けたが、坂を登り始めると何物かに息を吹きかけられた。老人は天狗をテンゴーサマと尊称する。
類似事例 |
|
テンドウサマ(ゾクシン) 1964年 群馬県 朝に藤を燃やすと雨が降る。夜に縄を燃やすと雨が降る。天道様が朝、藤を伝って昇り、夕方縄を伝って下りるから。
類似事例 |
|
イヨウナオト,テング 1938年 福島県 一昨年魚釣りに山に入ったとき、風も無いのにブーンと異様な音がして巨木が皆なびいた。天狗様がお通りになったのであろうということであった。
類似事例 |
|
キツネビ 1979年 岐阜県 雨がショボショボ降る晩に、火がポッと見えてそれが段々増えた。狐の仕業。
類似事例 |
|
ヒ 1947年 山梨県 ヤナ場を組んで魚を採っていると、山から灯をつけて降りてくるものがある。灯は水に入るとますます大きくなりヤナ場に流れてきた。天狗かと思って怖くなって祈った。大入道がヤナ場に入ってきてびっくりしたが、天狗ではなかった。
類似事例 |
|
リュウジン 1937年 京都府 龍神ヶ淵の龍神に雨乞いをすると必ずたちどころに雨が降る。
類似事例 |
|
テング 1968年 埼玉県 腕のいい川狩り人夫がいた。ある大仕事をひかえた日、天狗様にお神酒を供えず、悪口を言っていた。仕事中、にわかに黒雲が出て雷鳴がとどろき、山程もある岩が人夫の上に飛んできて、材木は岩の下に埋められ、若者はいなくなった。天狗の仕返しといわれた。
類似事例 |
|
テング 1991年 香川県 天狗が飛んでいる時に下駄を谷に落としてウブの岩に当たり2つに割れてしまったという。また、竜王を祀って雨乞いの祭りをすると白雲がかかりその雲を伝って天狗がやって来て、松の木に天狗が腰掛けると雨が降るという。
類似事例 |
|
ワミブチ 1989年 長野県 和見淵のお堂の神様に雨乞いをすると、雨が降った。
類似事例 |
|
ヒノタマ,カワテング 1933年 東京都 あるとき、川狩をしていたら。突然火の玉が現れたので、驚いて逃げ帰った。また、同じところで別の人々が魚捕りをしていたら、どこからか小石が飛んできて怖くなったので逃げた。翌朝見に行くと捕った魚は一尾もなかった。川天狗の仕業。
類似事例 |
|
ヒメ 1973年 島根県 姫が淵は、淵の底で姫が機を織っていると伝えられている。淵に石を投げ入れると雨が降る。また、淵を干したら大雨になったという。
類似事例 |
|
キツネ 1980年 秋田県 山仕事に行った人が、昼間なのに急に暗くなって星が出たので帰ることにしたら、途中で田んぼの中を歩かされていた。狐の仕業。
類似事例 |
|
キツネ 1976年 新潟県 常浪川にヤナをしかけて、夜、見に行こうと山を越えて歩いていったが、いくら歩いても着かない。そのうち夜が明けてしまった。狐の仕業だろうということになった。
類似事例 |
|
テング 1922年 神奈川県 夜遅く集会などから帰る途中に、不意に提灯をとられて高い木の頂上へ持って行かれたことがあった。これも天狗の仕業である。
類似事例 |
|
テング 1932年 山口県 東郷峠を夜半に越えていて苔むしたところへ来ると気が遠くなり、木がつくと下の田に落ちていた。天狗に投げられたのだと言う。
類似事例 |
|
テングサマ 1951年 新潟県 炭焼の小屋に一人きりでいると小屋の上の大木が地響きを立てて倒れ、もう少しで死ぬところだった。木は朽ちてもおらず、風も全く無い夜だった。天狗様の悪戯だという。
類似事例 |
|