ヤマガミ 1936年 岐阜県 ある行者が荒神の森に参籠修行したところ、満願の日に襟首を掴まれて投げ飛ばされた。この森は昔から女人禁制で、男でも不浄の者が参詣すると麓の橋に怪異が現れて登れなくなったという。
類似事例 |
|
グヒン,テング 1929年 青森県 恐山の境内にある明神堂に女が入ると雨が降るといわれた。これは狗賓の仕業で、夕闇の頃には白衣の天狗が来て奇怪な舞を舞う。
類似事例 |
|
テング 1956年 茨城県 真弓山は、昔女人禁制の山で、女性が入ると天狗に放り投げられると言われていた。天狗倒しもあった。
類似事例 |
|
ウバノナミダアメ 1967年 福島県 昔、修験者が飯豊山に登ったが、我が子が登るのに女だからと参詣できないはずは無いと、姥清水と呼ばれる清水で水垢離をとり、その後を慕っていった。山頂の今ある姥権現の近くで石に腰を下ろし休むと、下半身が石に付いて、次第に上半身にも及び、ついには石になってしまったという。昔から長尾の者が登山するときには必ず多少の雨が降るといわれ、これを姥の涙雨といっている。
類似事例 |
|
グヒン,カサ 1955年 岡山県 櫃ヶ山は大山の狗嬪の住む山といい、日露戦争のときに兵隊よけや武運長久の願を聞き届けるといった。女が上ると罰があたる。昔この村に一人の旅人が来て、笠を置いてある場所だけでよいから一晩泊めてくれと言った。それくらいならと許すと、笠は見る見る大きくなって櫃ヶ山をすっぽり包んだ。この旅人が大山から来た天狗で、それ以来不浄のものはこの山に入れなくなったという。
類似事例 |
|
キンポクサンノカミサマ 1984年 新潟県 金北山は女人禁制の山であったが、ある年の山開きの日に登山者の中に巫女がまじっていた。8号目まで来た時に、金北山の神さまが怒り、いきなり足で蹴飛ばした。巫女は火打坂の袖山までとばされて石になった。それを巫女岩とよんでいる。その巫女岩には蹴られた時の神様の足の爪あとがついているという。
類似事例 |
|
ウバイシ 1986年 愛知県 ある比丘尼が女人禁制を犯して山に登り、傍らの石に手をついたところ、手が石から離れなくなった。祈祷師を頼んで手を離してもらったが、放置していたら姥石になっていたといわれる。
類似事例 |
|
アマノナキイシ 1991年 香川県 女人禁制の大川山に登りたいという女が尼となって苦行を重ねた後、山に登りはじめたが、社の近くになって足が動かなくなり、持参の手水鉢も動かず、尼は石にしがみついて泣いた。そこは以後尼の泣き石と呼ばれた。
類似事例 |
|
ニョニンケッカイ,オオアラレライデン 1983年 叡山は女人結界なので、今でも女は参詣しない。男たちでも、弁当に魚鳥の類を入れている者には何かしら不思議な咎めがある。また柴を刈る者や幼い者も、入れるのは雲母坂までで、女子は片足を踏み入れても大雹や雷電、山鳴が起こることは、今でも同じである。
類似事例 |
|
ミョウケンサマ 1968年 愛媛県 妙見様は元は二神で一番高い山の上に祭られていたが、沖の船を転覆させるので、沖が見えない少し下の谷間に移動して、庄屋の二神氏のまつり神と合祀した。霊験あらたかだが、女人禁制である。妙見様は犬とキジが大嫌いなので、二神には今でもそれがいないという。
類似事例 |
|
アラビルカミサマ,ヤクシサマ 1990年 長野県 昔、非常に祟る神が住んでいて困ったので、薬師様がその神をふせて上に薬師堂を立てた。人々は前の神様をあらびる神様といって恐れたが、今でも薬師堂の縁の下にはあらびる神様を埋めた土が盛り上がっており、その土を触ると祟りがある。
類似事例 |
|
ツエ 1926年 高知県 女人禁制の篠山に尼が登りに来た。杖を地に挿し、この杖が成長するならば禁制が解かれるだろうと誓い言をした。尼は頂上で消えたが、杖は青々と茂り、禁制は解かれた。
類似事例 |
|
サイノカワラ 1956年 宮城県 蔵王山のお山がけの登り口。昔、ふもとの村々では人が亡くなれば霊魂の止住の地とした。以前はここから先が女人禁制がった。
類似事例 |
|
テング 1938年 鳥取県 崩御山には石蟹卿から天狗によって運ばれたという石があり、塚となっている。何という神の御陵であるか諸説がある。古来より女人は登山をせず、もし女性が登れば途中で異変があると伝えられる。
類似事例 |
|
〔ニョニンキンセイノヤマ〕 1973年 富山県 於白山は女人禁制の山で、登ればたちまち大風雨がおこる。
類似事例 |
|
メン,レンニョショウニン 1984年 福井県 昔、蓮如上人が吉崎におられたころに、夜ごと上人のもとへ参詣する嫁に腹を立てた邪見な老婆が鬼女の面をかぶって嫁をおどしてやめさせようとしたところ、鬼女の面が顔にくっついてどうしても離れない。それで、上人のところへ参り前非を悔いたら顔から面が離れた。この面は願慶寺や、吉崎周辺の寺に数面残っていて、面の本家争いまで起こっている。
類似事例 |
|
ハゲスギ,カミバツ 1990年 富山県 昔白比丘の老尼とその妹の加半呂という小尼僧が山に登ったが、当時女人近世があったので神罰によって木にかえられた。それを「禿杉」とよんでいる。
類似事例 |
|
オテングサマ 1973年 山梨県 金峰山は女は登ってはいけない。男の子が髪の毛を長くして登ったときにも山の神に吹きおろされ、山はごろごろ音がした。雨が降るかお天狗様がイワを落ちる音である。
類似事例 |
|
テング 1982年 群馬県 片品の日光白根山に女が登ると天狗に投げられるので、男だけでお参りする。
類似事例 |
|
タヌキ 1976年 山形県 昔、3年に一度若い娘を人身御供に差し出さないと凶作になるという村があった。ある年の秋に、1人の僧が訪れ、老夫婦から習わしを聞いた。僧は明神神社の天井裏に潜み、古狸がべんべこ太郎という犬を嫌っていることを知った。翌年の春、人身御供を差し出す時、僧がべんべこ太郎を連れてきて、古狸を退治したという。
類似事例 |
|