センニン,センキョウ 1996年 神奈川県 昔、仙鏡という所にフウマ一族がいたという。舟原より上は仙鏡で、仙人が住むところだという話である。
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テング 1988年 奈良県 陣ヶ峰峠の天狗見茶屋には天狗の間という8畳間がある。この家の仙太郎という息子がヤクザ者で遊びまわっていたので、天狗が懲らしめのため家の前で待っていて説教した。仙太郎は天狗に飛び掛り、天狗は怒って仙太郎をつかみ上げ、外から8畳間に投げ込んだ。仙太郎は気が抜けたようになって間もなく死んだ。その投げ込まれた部屋を天狗の間というようになった。
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ノビアガリ 1990年 香川県 あるおぼろ月夜の晩、上野仙蔵が汐を背負って呼岡という所に通りかかったとき、前方に大きな黒いものが倒れかかるようになった。仙蔵が声をかけると自分の方にのびあがって倒れかかってきたので、仙蔵は家へ逃げた。これがのびあがりである。
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キツネ 1968年 埼玉県 昔、金仙寺山門前一帯を、「金仙寺っ原」と呼んでいた。その金仙寺っ原である日、芝居をやるから見に来てくれという触れが廻ってきたので行くと、「一の谷嫩軍記」が演目であった。直実が敦盛の首を切る段で本当に首が落ちた。見物人の一人が「ああもってえねえ、とうとう子狐一匹殺しちまったか」と言うと役者も舞台も消え、芋の葉が1枚落ちていた。
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キセン 1979年 箕仙という物を召し降ろして、事の吉凶を占う。
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ダイジャノホネ 1970年 東京都 円照寺と豊仙寺には、1匹の大蛇の骨が両寺に分けられて秘蔵されている。この骨に川水を注いで雨乞いをすると効果がある。豊仙寺の骨は井の頭の水を供えるとよいともいう。
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タヌキ,ダンザブロウ 1975年 新潟県 佐渡国二ツ岩という山に、弾三郎という古狸がおり、非常に霊力がある。この狸は人に金を貸していたが、返さない者が増えたので貸さなくなった。ある時医師の伯仙が佐渡で病人を治したところ、病人の家の主が大金を礼にしようとしたが伯仙は受け取らなかった。すると主は自分は弾三郎という狸であり、これは兵火や洪水によって埋もれた金を、貧者を救う目的で拾い集めたものなので受け取ってほしいと請うが、やはり白仙は受け取らなかったという。次の日、礼に短刀を置いていった。
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ホトケ(センゾ)ノタタリゾ) 1982年 群馬県 子どものやけどは仏様(ご先祖様)を粗末にした祟り。
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ウジガミサマ 1964年 群馬県 本家筋の家では木の祠の屋敷神を持っていた。それを氏神様という。たいていは稲荷様。
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センゲンサマ 1985年 千葉県 仙元様の御恩で第二次大戦中も舟を沈められることのなかった伊勢徳だったが、戦後に代替わりして女男ヶ鼻御恩礼に参加しなくなったのを境に、一転船が沈んだり廃船になったりして店もつぶれてしまったという。
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キツネ 1981年 和歌山県 戦中戦後の食糧難の頃、祀っている稲荷様を粗末にしたら、その家を訪れた女の人にキツネがついた。妙見様の洗米を頂戴したら、7日ほどで元に戻った。
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オイナリサマ,(タタリ) 1989年 長野県 昭和初期、ある家で嫁が妊娠中に長患いをしたので易者に診てもらった。すると、昔あった稲荷様を屋敷から出したせいだという。調べてみると、お宮の境内にあったお稲荷様が元はこの家の氏神様だと判ったので、分社して祀ったという。
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イシ 1967年 福島県 白鳥部落にあった石が庭石にちょうど良いと、平の殿様内藤公の目にとまり城内へ運ばれた。夜になると石が元の場所に戻りたいと言う。その声は殿様と奥方だけに聞こえた。石は元の場所へと戻された。
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リュウイシ 1990年 長野県 田のあぜにある石を竜石と呼んでいて、竜がくわえてきて落とした石だといわれている。家の庭へ持ってくると災難が続いたため、元へ返したのだという。
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ヤハタダノタタリ 1969年 福島県 八幡様の屋敷跡が田圃になっている。その田を作っていた人は次々と一家が死に絶えたり、病人が絶えなかったりした。
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アキバサマ 1983年 岩手県 秋葉様の祠を稲荷神社に移したら、夢枕に杖をついたお婆さんが出て「稲荷には住みたくない。元に帰る」といったので、祠を戻した。
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(ゾクシン) 1978年 石川県 よそから来た人を粗末に扱うと、出世できないといわれている。
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(ハクセンボウズノエガクネコ) 1975年 東京都 白仙という60歳に近い坊主がいた。出羽国秋田に猫の宮があり、願う事あって猫と虎を画いた白仙は、筆を持ち、猫を書こう書こうと言いながら都下を歩いていた。呼び入れると、わずかの金銭と引き替えに猫を画く。画かれた猫は、鼠よけになったという。
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ユウレイ 1974年 栃木県 1919年の大水で家が流されて一家全滅した。元の家の所に埋葬したが、夜になると死んだ一家の母親が、その墓から流された家のところまでビタビタと歩いていく音が聞えたという。
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キツネ 1995年 山形県 仙蔵院がお寺に行くとき、きつねをおどかした。帰りの夜道で葬式に出会い、避けても寄ってきて、死んだ人が上がってきた。逃げたらまだ昼間だった。きつねに化かされていた。
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ロウセンダツ,オツタエ 1985年 埼玉県 村で唯一富士講登山を続ける老先達のおがみはよく効き、返礼には酒のふるまいを受けていた。先達の子や孫は富士講を嫌い、仙元様のお伝えを隠したところ先達はぼけてじきに亡くなり、息子たちには不幸が続いたという。
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